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今節のサブタイトルは「児島のまくりキング決定戦」。初日1Rは三浦敬太のまくり1着で幕を開けた。当地ではチルトゼロの調整が大半だが、今節チルト0.5は当たり前。酒見峻介はいつも通り1度、F2の澤大介はオール6コースでチルト3。菅章哉は3度も含めあらゆる手を尽くしたが、伸び型に仕上げることはできなかった。
2日目にまくりを決めた興津藍は準優でチルト2を試みるも不発。チルト0.5の井上大輔の伸びを警戒した村松修二は3カド戦に出たが、井上のまくりを止めることができず、道中追い上げるも不良航法に終わった。
好素性機を引いてもFに散ったり、減点で予選落ちした選手もいる。良機良艇の村松も準優の不良航法で賞典除外。ベスト6に名を連ねることがいかに難しいかを痛感させられた。
そんな中、レースに集中し、速いSを決めて予選トップを勝ち取った田中信一郎。準優はタッチSの井上のまくりを封じ、美しいターンで逃げ切った。2016年2月住之江周年以来の特別レース(GⅡ以上)制覇まであと1勝。優勝戦ではただ一人F持ちであり、最後まで一瞬も気の抜けない戦いが続く。
実績断然の田中に対し、笠原亮はSG、上條暢嵩もGI優勝経験がある。GⅡ初制覇を狙うのは中田達也、三浦敬太、定松勇樹。思えばこの3人は初日に印象的な勝利を収めている。三浦はオープニングでまくり1着。続く2Rに登場した中田は30日の誕生日に白星発進。エース機を引き当てた定松は1号艇でしっかり逃げ切り、同レースでまくって出た三浦が2着だった。
準優11Rは中田が1着、三浦が2着、岡村が3着で、3連単は3万9千円台。1着の中田は取材陣に囲まれるとサムズアップポーズで写真撮影。通り掛かった選手のおめでとうには敬礼で応えていた。中田のポーズと、着用しているTシャツがその時一致した。中田のTシャツは今村暢孝の2500勝記念の物。背中には2022年6月30日の9R、地元若松で2500勝を達成したデータが記されていた。中田は「今村暢孝さんは大師匠。水面では鬼ですが、普段はとても優しい。ここ2節一緒で、後輩の僕たちが作った記念Tシャツを喜んでくれました」と師匠愛を語った。このさわやかさ、今期の1着率の高さは大ブレークを予感させる。
もう一人、今シリーズのコンセプトにピッタリなのが三浦だ。優出メンバーの中で、まくりで勝っているのは三浦だけ。予選最終日に5着に敗れて1位の座は逃したが、優勝戦はまくりキングにふさわしい4号艇。優勝戦はSGV5、GI優勝15回の田中VSセンター枠の中田、三浦の様相。勝つのはGI「児島キングカップ」を2度制しているキング・田中か、それとも、中田、三浦がまくってまくりキングの座を射止めるのか。最後までワクワク、ドキドキの一戦となった。
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