全国有望新人 先物買いリスト
キャリアがモノをいうボート界だが、全国各地で才能を垣間見せる新人が育ってきている。名前が売れてからでは人気になってしまうため、いかに先んじて目をつけられるかがポイントだ。ここでは登番5000番以降で、全国区直前の有望新人をリストアップしていこう。

[関東]A級4人と最多の埼玉勢

 群馬の5000番台で前期最も高い勝率をあげたのが大澤風葵。6月20日に初優勝も遂げた。スタートは慎重な方だが2・3着取りは堅実。頭よりもむしろ2・3着での穴で一考したいタイプといえる。
 関東における新鋭の宝庫が埼玉だ。5000番台のA級戦士が4人いて、これは全国18支部で最多。同世代にライバルが多いと切磋琢磨していくものだ。中でも砂長知輝は進境著しく、新期で初のA級入り。果敢なスタートかつ積極的なレースぶりが小気味良い。
 東京では、平和島のフレッシュルーキー・久永祥平がその期待に応えて初のA級昇格。コツコツと力を蓄えている堅実派だ。小原聡将は平和島デビュー。デビューして期毎に1点近く勝率を上げてきたが、昨年5月に2節続けてのFで我慢を余儀なくされる。しかし今年2月に江戸川でデビュー初優出。センスは十分と見た。生田波美音は新潟出身でまだ19歳。16歳でデビュー、レースぶりは荒っぽいがそれがまた魅力。大化けする可能性を秘めている。

[東海]超伸び・山下が開花目前!!

 静岡では伏兵の杉山喜一を指名。デビューしてからまだ1着は13本だが、ハンドリングは確かで勝率上昇中。1着は少なくても回収率は抜群に高い。
 愛知の二人も回収率の高さは魅力。大場恒季は126期修了記念で準優勝の好素材で前期急成長。“青田買い”にピッタリだ。前田翔は本稿締切直前にイースタンヤングでも優出し、知名度が大きくアップ。早く買わないと人気になっちゃう!?
 三重の山下夏鈴は「伸び型調整は高田ひかるさんに教えてもらったものです。チルトは上げずにペラで調整することが多いです」とのこと。展示の時から常にトップタイム。いよいよA級が見えてきた。

[近畿]人気の高憧だが回収率は上々

 福井の金田智博は、超伸びが話題を呼ぶ前から伸び型にして成績をアップさせてきた。もう少しスタートが良化すればA級も見えてきそう。
 少数の支部ながら、最近は活力を感じさせるのが滋賀。中島秀治は前期から一気に1点近くアップさせてA級入り。人気が追いつかず回収率は抜群だ。
 大阪の高憧四季は、すでに昨年末のクイーンズクライマックスシリーズ優出で名を挙げ、レディースオールスターにも選出。それでもイン以外での1着が多く、回収率は上々というおいしいタイプだ。
 兵庫の宮田龍馬はデビュー当時は1点勝率が4期も続いたが、じっくりと力をつけて初のA級へ。

[四国]初の修了記念王者に沸く香川

 徳島の西岡成美は、2期続けてA級にわずかに届かず。しかし四国地区選で3勝を挙げるなど奮戦のシーンも。最近は展示からタイムを出すようになってきている。Fと縁が切れればA級はすぐそこだ。
 香川の濱野斗馬は『名は体を表す』という言葉が当てはまる。小柄だがレースぶりは闘争心を感じさせる荒馬ぶりだ。デビュー直後1年はほとんど見せ場がなかったが昨年から急成長を見せている。
 また香川支部では昨年9月、129期で初めて修了記念チャンプが誕生。西岡顕心には大きな注目が集まる。

[中国]高橋はそろそろ記念で見たい!?

 ボート界の“名門”岡山支部。前原大道はそれを背負うに十分な人材ではないか。父は元競輪の強豪で姉もレーサーという血脈、修了記念王者でデビュー。Fでいささか出世を遅らせたもののA級も視野に入ってきて、期待はさらに膨らむ。
 広島の5000番台はわずか4人。その中で高橋竜矢は頭ひとつ抜けている。既にA2級は5期。ファンとしてはそろそろA1に上がって記念戦線で見たい。
 山口支部からは未知の魅力を秘めた新鋭を二人推奨。山崎祥はデビュー2勝目を挙げた昨年11月の節で突如の快進撃、準優で10万舟の大穴をあけて優出。この前後から2・3着も増えているので穴党は要注意だ。清水愛海は127期の修了記念王者となってデビュー。1年間は未勝利も3期目で一気に11勝とブレーク近し。ファンの心を躍らすダイナミックなレースぶりは、今買っておかないとすぐ人気になってうま味がなくなりそうだ。

[九州]大所帯・福岡からの注目は…

 全国で断トツに新人が多い福岡支部。5000番台だけで45人も在籍。若松の顔となるべきはやはり原田才一郎だろう。前期ようやく手にしたA級を1期で手放してしまったが、巻き返し必至だ。大賀龍之介は3年目から急浮上。前期は出走回数不足のB2から初の5点台に大きく上げ、1着も大幅に増えて回収率もみるみるアップ。篠原晟弥は前期から1点以上の大幅アップで初A級へ。同支部5000番台の勝率二番手に浮上した。児島やびわこでも優出するなど、走った経験の少ない水面もすぐに克服しているのは心強い。
 佐賀支部は124〜126期と3期続けて修了記念チャンプが在籍。常住蓮はデビューから毎期ほぼ1点ずつ上げて、順調に4期目でA級に到達。次は、先輩の末永和也・定松勇樹とA1入りを競う。
 長崎の本村大は前期急成長。それまでは1着が期1本ペースだったのに、いきなり13本をゲット。眞鳥兄弟(康太・章太)のA級昇級争いに割って入ることになった。
10年前の111期生から、修了記念は在校成績上位6人で争うことになった。そのため成績下位の伏兵が優勝する可能性はほとんどなくなり、その後の優勝者はデビュー後も比較的早くから活躍するレーサーが増えている。
 5000番台を含む121期生以降も同様で、現在5000番台で唯一のA1である澤田尚也もそのひとりだ。
 124期からは3期連続で佐賀支部から王者が生まれている。125期の定松勇樹は、出身は福岡県だが支部は佐賀を選んだため、『3年連続』の快挙が達成された。
 また127期は、修了生の男女比が男子15人に対して女子14人とほぼ同じ比率となったが、その象徴的存在になったのが清水愛海。女子としては史上2人目の在校勝率1位、さらに6人目の修了記念王者に輝いた。
 この修了記念競走は36期から行われているが、全国18支部で一度も王者を生んでいなかったのが香川支部。その“ジンクス”が47年目の129期でようやく破られた。