マクールインタビューダイジェスト

オールスター夫婦参戦

鎌倉涼(大阪)・深谷知博(静岡)前田くみ子(司会) 21年5月号

前くみ 夫婦でオールスター出場おめでとうございます!

深谷 投票していただいた方々に本当に感謝ですし、期待に応えたいです。結婚する前には、オールスターやオーシャンカップ(※ともに15年)などで一緒に走っているんですけど、だいぶ久しぶりだし、新鮮です。

鎌倉 結婚してからは一緒に走ること自体が初めてですからね。どうなのかなとちょっと楽しみですけど、たぶんいつも通りで変わらないんだろうなとは思います。支部が違うので地区選で一緒になることがないんですよね。だから余計にSGで一緒に走ってみたかったというのはあります。

前くみ 一緒に準備ができるんじゃないですか?

深谷 準備?

前くみ 情報交換したり…。

鎌倉 もともと付き合ってるころから、レース場ではあまり会話をしていなかったんですよ。

深谷 細かい話をすると、プロペラも彼女は僕が使っているのだと合わないって言っていたんですよ。だから情報として提供してもどうか、という感じはあったんです。ただ最近、僕が行ったレース場に後から斡旋されることがちょこちょこあったんですが、ゲージを渡したら意外と使えたといって帰ってきたので、嬉しかったです。

双子あるある

柴田直哉(弟 福岡)・朋哉(兄 福岡)前田くみ子(司会) 21年11月号

前くみ 兄弟で自分の顔を確認しながら、双子のもう一方の顔も見ることって、あんまりないんじゃないですか?

直哉 言われてみるとそうかもしれないですね(笑)。

朋哉 自分たちはそんなに似ているとは思ってないんですけどね。

前くみ 今は成長して、もしかすると違いも大きくなってきたのかもしれないですけど、小さい頃から、本人たちは似ていないと思っていたんですか?

朋哉 歯磨きをするのに鏡の前でふたりで並んだ時、「どこが似とるんやろうね」なんて言ったりしていました。間違えられる意味が分からんって。

前くみ あ、やっぱり間違えられることはあったのね。朋哉くんは頬にほくろがある?

朋哉 これはシミです(笑)。

前くみ 失礼しました(苦笑)。髪型や眉毛の形が違うから、見分けはつきますけど、声は聞き分けられないかもしれない。

朋哉 声は似てるみたいです。親も電話で、例えば僕が運転中に直哉に代わりに出てもらったりすると、母が直哉のことを僕だと思って話したりしてます。

舟券買う時は穴党でした!

松尾拓(三重) 21年7月号

 僕を買い続けると儲かるんですか?知らなかったです。一概には言えませんけれど、オッズを見て自分から配当が高かったら闘争心が湧くってことはありますね(笑)。逆にルーキー戦の1号艇みたいな時は見ないようにします。外枠でオッズが高いときにはやってやろうと思いますけど、インでバリバリに売れていたらプレッシャーにしかならないですからね(苦笑)。
 回収率が高いということは、信頼感が低いってことなんでしょうけど、それは仕方ないです。僕自身、記念で通用するのか? って思いながら走っているわけですから。選手になる前は舟券を買っていましたが、僕もどちらかといえば穴寄りに買っていた方なので、僕から穴を取ってくれる人がいるなら嬉しいです。

勝って「いぇーい、この野郎」

深川真二(佐賀) 21年11月号

 (峰)竜太とかは脂が乗っとるけん、エンジンが悪くてもターン力でピンピンとるやろうけど、やっぱり歳を取ってそれができるかというと、無理やけん。エンジンが出よったら1着取れるけど、出よらんかったら厳しいけんね。2、3着で粘ってなんとか上(準優・優勝戦)に行ってね。
 それにしても若いやつはどんどん進化する。それに乗っかろうと頑張りよるけど、それがダメなら他のところを特化させていかんと、年寄りはどんどん消えていくけんね。年寄りなりにスタートをもっと行かないかんとかね。やっぱりイキのいい若手と戦いたいもんね。毎日でも戦いたいよ。勝って「いぇーい、この野郎」って気分になりたいけん、もちろん負けたら悔しいけど(笑)。でもそういう強い人間と戦うから仕事が楽しい。

結婚した影響

入海馨(岡山) 21年10月号

 勝率がアップしたのはフライングも事故もしなかったこと、調整もあっていたことが大きかったと思います。それと最近は展示タイムを気にするようになりました。やっぱりエンジンが出ていれば勝ちやすいので、調整が合っているかどうかの目安として、参考にしています。
 結婚? その影響も結構あったと思います。去年の11月に結婚して(妻は新田有理)、そこからの半年間で残した成績ですもんね。すごく気持ちが楽になったというか、レースに集中できるようになりました。心の広い相手なので、のびのびさせてもらっています。一人でやっていると、「やらんと! やらんと!」と無理してしまうタイプなんですけど、妻が「無事に帰ってくればええんよ」とリラックスさせてくれます。それがいい方向に繋がっているんだと思います。

展示タイムと伸びは別物!

坂口周(三重) 21年3月号

 伸びに関しては自信がついてきました。伸びている節は、周りが脅威に思ってくれていると思うんですよ。そうなると、進入でも楽にカドが取れたり…。今後もそこを特化していこうと思っています。
 展示タイムはそれほど目立たない?そうですね。僕は展示タイムと伸びって全く別物だと思っています。たとえば、200メートルから起こしてスリット付近で一番伸びるような調整にした時と、スローから伸びるような調整をする時とは、展示タイムへの反映度合いがまったく変わると思うんです。だから展示タイムで判断するのではなく、スリット付近の伸び方を見て判断して欲しいです。タイムはあくまで参考程度だと思います。
 伸びていって内側を焦らせてまくり差し、というのが僕の理想とする展開です。伸びるから全部まくるという考え方ではないです。

ごまかしながら何とか!

前本泰和(広島) 21年10月号

 49歳で(自身の)最高勝率っていうのは珍しいことなのかもしれませんが、自分がやっていることは若いころからずっと変わっていません。それが少しずつ成果として出てきているんじゃないかと思います。プロペラに関してや道中の走りは、経験でまだまだ上げることはできると思っています。確かにターンスピードでは若い選手に勝てないとは思うんですけどね。その辺はごまかしながら何とかできているんだと思います(笑)。
 同期の濱野谷憲吾はスピードも負けないと言っていた? ハハハハ(笑)。オーシャンカップの優勝戦前には「リラックス、リラックス」と声をかけました。この年齢になって同期がSGで続けて優勝するって、なかなかないことでしょうね。素直にうれしかったですし、グランプリに一緒に出られると思うと、それもまた楽しみです。

ステップアップできた

大上卓人(広島) 21年9月号

 GⅡ優勝(20年10月びわこ)の影響?今振り返ればあったかもしれないですね。ずっとレースのしやすさとか出足を求めてきていたんですけど、そこを少し捨てても伸びを求めるということもその後はやるようになりました。調整の幅が広がったというか、柔軟に色々なペラを試せるようになったと思います。
 GⅠはまだ一度も1号艇で優勝戦に乗ったことはないですし、手が届くイメージは正直に言えばなかったです。でも今年(21年)浜名湖周年で得点トップを取れたことで、意識できるようになったというか、自分としてはひとつステップアップできたのかなと思います。いまはGⅠが入るのはすごく嬉しいです。精神的にキツくならないか?いや、呼ばれない方がシンドイです。なんで呼ばれなかったんだろうって落ち込みます。

リスクは覚悟の上

菅章哉(徳島) 21年12月号

 勝てるコースと勝てるチルトで行くというのがテーマです。4号艇だからといって4コースにはこだわらないですし、2号艇だからといって2コースにはこだわらない。深インになるくらいなら1号艇でも1コースにこだわらなくてもいいかもと思っているくらいです。
 チルト3ってピット離れがよくないから普通は6コースが定位置になるんですよね。それがチルト3でも6コースに行くことが意外と少ないんです。僕を意識して外に回る選手も出てきたりしているので、そういう動きも踏まえてレースをしていきたいですね。
 今の戦法はリスクしかないですけど、技量がない人間がリスクを背負わなかったら何もないと思っているので…。自分が上の舞台に立つためにはある程度リスクを背負う覚悟は必要だと思っています。

リハビリで体質改善しました

黒井達矢(埼玉) 21年9月号

  ケガのリハビリは本当にキツかったです(21年3月復帰)。最初は正座もできない…。ボートには正座できないと乗れないので大丈夫かなって思いました。歩けるようになるまで2か月くらいかな。そこから筋力をつけていくために、栄養面から見直しました。タンパク質を積極的に摂ったり…。プロテインとか飲んだら太るのかなって思っていたんですけど、その分糖質を減らせば、筋肉量が増えて脂肪が減るんですよね。おかげで体質も改善できましたよ。筋肉量が増えて、体脂肪はケガの前は10%だったのが4%台になりました。
 復帰3節目で優勝? あれは三国のスーパーエンジンのおかげですよ。エンジン様々でした(笑)。でも、本当に復帰してから7点台の勝率(21後期)が取れるとは想像もしていなかったです。5点くらい取れれば、いや、しっかり走れればいいかなぐらいの気持ちでしたね。

勝負どころはコンマ06!

栗城匠(東京) 21年8月号

  3〜4コースのスタートタイミングが早い? スタートって行こうという気持ちがなければ早いのはいけないと思うんです。センターの時には行こうという気持ちになっているんだと思います。インの時は、以前は同体だったら勝てるって思ってしまってたんですよね。結果的に平均STが遅くなっていました。これじゃダメだと思って、勝負どころはコンマ06、普通はコンマ10、今は全部のコースで早いスタートを行くつもりでいます。
 ただ、途中で風を感じたりすると放ることもあって、遅れたり…。4秒前までは確認するようにしていますが難しいですよ、スタートは。全速でスタートしたいとは思ってますど、調整が合っていない時は全速のつもりで行くと遅れてしまうこともあるんです。なので様子を見つつスタートすることもたまにはあります。

プロペラの調整力

古澤光紀(福岡) 21年11月号

   レーススタイルは地味ですね。攻めまくるタイプじゃないし、パンチがあるわけじゃないし…。まだ自分の武器はこれだというものを見つけられていません。
 ここ1年くらいの成績がいいのはプロペラ調整がうまくできたから。エンジンの引きもよかったと思うけど、自分の乗り方に合った調整ができていたと思います。
 プロペラに関しては、自分の形に叩き変えるというよりは、もらった形からちょこちょこちょこちょこ調整していって合わせることが多いです。最近は求めているところを引き出すような調整が比較的できています。それでもGⅠに行くと出方が違ったりはしますけどね。ガッツリ叩き変えるのが嫌いなわけじゃないので、タイミングを見計らってそういうことをしていくつもりではいます。

12人システムは良かった

池田浩二(愛知) 21年12月号

  目標? SGの優勝回数も10回優勝したら表彰されるとか、何かあるんだったら目標にしたいけど、なければ別に回数にこだわりはない。何回でも一緒。そもそもあまり目標を立てるタイプじゃないからね。今だったら、まだ獲ってないSGを獲りたいくらいかな。グランドスラム、そこかな。
 あとはグランプリ。正直、やっぱりまだ12人がいいっていう思いを引きずっているのがある。かつての12人の中に入って、開会式が終わっていったん帰ってからまた来るっていう、あのシステムがすごく良かった。
 現在のシステムは6位のハードルが結構高い。SG優勝が必要になる。でも6位以内でグランプリに行ければ、優勝できるチャンスはすごくあると思ってる。いいエンジンが確約されて、シリーズ落ちもない。すごい近道だと思う。

涙のわけ

前田将太(福岡) 21年9月号

   GⅠ初優勝まではだいぶ時間がかかりましたね。けど地元で優勝できたのはよかった。ファンの方も熱いし、すごく待っていてくれたんだなと感じました。正直に言えばタイトルに関しては家族やファン、周りの人の方が自分より求めていたんじゃないかと思うんです。
 若い頃から期待されて「次に獲るのは…」みたいに言ってもらってきたのは嬉しかったです。でもそれが最近は「タイトルが…」みたいになってきましたよね。自分としてはいつか獲れるだろうという気持ちではいたんですけど、周りの人は「惜しかったね」って言われるのにもう飽きたというか、ツライ思いもさせちゃっていたんだろうなと思います。そういう思いから解き放つことができたことが良かったです。涙の理由はそういう気持ちからです。
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