電投お役立ち情報!
ボートレースの大きな特徴をいくつか挙げてみよう。女子戦の人気が高いこと、場によってレース傾向が違うこと、1日2回乗ること、現役期間が長いことなどだ。ここでは月刊マクールの特集から、こうした特徴に触れたヒントを抜き出してお伝えしよう。

決まり手って全国24場でこんなに違うのだ!!

  ボートレースの面白いところ、そして難しいところは、全国にある24場それぞれに特徴が大きく異なること。水質や水面の大きさによってレース形態が大きく変わってきて、それが『決まり手』の差になって現れてくる。
 まず「逃げ」では、この10年ほどは大村・芦屋・徳山が“御三家”と呼ばれるほど強かったのだが、21年は尼崎が徳山を抜いた。逆に弱いのは戸田・江戸川・平和島で、こちらも「逃げ」が少ない方の“御三家”といえる。
 「まくり」は「逃げ」の少ない場で幅を利かせる。戸田・江戸川に、今年は福岡が加わった。
 「まくり差し」の比率は上位と下位の差が小さい。最も多いのは広大な水面の浜名湖だが、最も少ない福岡と5・8%しか違わない。浜名湖は確かに毎年トップクラスだが、2位以下はよく変わる。
 それと対照的なのが「差し」だ。全国最多の平和島では、実に20%を大きく超える。最少の芦屋はその半分以下で、11・6%もの差がある。SGなどのビッグレースでも差し決着が多いのが平和島だ。
 そして、「抜き」といえば江戸川。全国唯一の河川を使用したレース場であり、水面相性がモロに出る。とくに荒天水面になると逆転劇が多発する。

女子戦を制する第一歩は決まり手に精通すること

  ますます人気の上がる女子戦。一般戦や記念(GⅠ・SG)レースとも傾向が異なるので、その基本をしっかりおさえておきたい。
 まずはインの信頼度が、一般戦や記念よりかなり下がること。記念に比べれば7%以上も低くなる。最近は若手の女子が増えていることもあり、イン先マイに慣れていないレーサーが多い。1マークで他の艇にさばかれてしまうケースや、スタートが合わずにスリット辺りで叩かれてしまうシーンも少なくない。そしてインが弱い分、注目したいのは2コースの強さだ。2コースの動きがレース全体に与える影響がとても大きい。
 続いて二つの円グラフを見てもらおう。記念と比べて「逃げ」が7%以上低いが、その分以上に決まっているのが「まくり」。これが女子戦最大の特徴といえる。
 まくりが決まりやすい理由としては、スタート力に差があることや、そもそも「まくり体質」というタイプが多いようだ。記念では差しが圧倒的に多い2コースでも、女子戦はじかまくりが多く、これが予想を難しくしている。
 また「まくり差し」は記念に比べて少なく、まくりに乗っての「差し」や、外枠から最内を差した艇が届くことが多いことを注意したい。

女子は調子の波が大!近況3か月を最重視せよ!!

  女子レーサーは、総じて調子の波が大きい。若手の成長株が大きく勝率を上げるのは想像できるだろうが、ベテランや長期欠場明けのレーサーがいきなり絶好調モードに入ることが珍しくない。
 左の表では、22年前期の適用勝率が21年後期に比べて0・50以上上昇したレーサーを掲載している。A級以上に限定したのでこれだけにとどまっているが、出走回数不足ながら高勝率を残したり、3点台から5点前後に一気に上げた、この表に載っていない女子も複数いる。
 若手で大きく勝率を上げたグループとしては、倉持莉々・中田夕貴・實森美祐・新田有理・中村かなえ・瀧川千依らが挙げられる。倉持・中田・實森は初のA1昇級で、とくに實森は2点近く上げてB1級からの“飛び級”だ。
 ベテランの巻き返しという点で注目すべきは、田口節子と山川美由紀。田口は凄まじい優出ラッシュで、21年の1着数では全レーサー中トップの勢いだ。山川は55歳にして勝率を1点戻してきた。
 そしてさらに厳密にいうなら、「女子レーサーのリズムは3カ月単位で変わる」と指摘する記者もいる。その戦術を採用するなら、女子の戦力比較は近況3か月の勝率を重視すべきだろう。

エンジンが全て、のレースもいち早く強力機発見を模索!

  現行エンジンでは、時に信じられないような強さを発揮する“オバケ”エンジンが生まれることがある。昨夏、丸亀の全国ボートレース甲子園で毒島誠を優勝に導いた64号機は、毒島をして「日本一のエンジン」と言わしめたし、昨年はそれ以外にも児島36号機、若松14号機、浜名湖48号機など、全国的に話題をさらったエンジンが生まれた。
 こうしたエンジンを追いかけて舟券を買う作戦はもちろん有効だろう。ただ、すでにエース機などの称号を得ていれば、それだけ買うファンも多くなり“うま味”は小さくなりがち。できればオバケやエース機という評価が確立する前を狙いたいものだ。
 そのためには、各レース場のエンジンの交換時期を意識しておき、新機導入後は現場からの“ナマ声”を追いたい。手前みそになるが、本誌月刊マクールでは各場の担当記者が新機導入後に良機候補をリストアップすることも多い。またスマホマクールの「毎日ニュース」では、シリーズの毎日、現地記者がエンジンパワーランキングをレポートしている。データには表れにくい評価をキャッチすることにつながるだろう。スポーツ紙や予想紙の選手コメントや機評価もマメにチェックしたい。また出走表に記される中間整備情報も見逃せない。
 番号のみのエンジンには肩入れしにくいことは確か。しかし現代レースにおけるエンジンの重要性を理解し、エース機の先取りを目指すことは新しい楽しみ方になり得る。春以降、各場で新機導入が続く。ぜひお試しを。

ボートの『2回乗り』を実戦の出走表から学ぶ

  ボートレースでは、レーサーが1日に2回のレースに乗ることも多い。その『2回乗り』について、基本的なことを知っておこう。
 ボートの番組は、一般戦とGⅡ以上の記念戦では大きく異なる。ごく簡単に言えば、一般戦では「売上を考え魅力あるレースを提供する」のが主旨で、現実的にはその節の主力と予想されるA級レーサーの出走回数が多くなり、枠番的にも有利に組まれることが多い。一方記念においては、一般戦よりもずっと公平性が重視され、出走回数や枠番の偏りは少ない。
 一般戦の実戦例を挙げてみよう。左は、12月5日の大村ミッドナイトレース12Rの出走表だ。
 断然の主役と目される篠崎元志が有利な1号艇。この節7走目となるが、2回目の1号艇に組まれた。
 篠崎と上位を争うと目されるのは、まず格上の山崎智也が4号艇。6号艇は1回だけで5号艇はゼロ。3号艇が2回あり、ここは今節2回目の4号艇だ。さらに2号艇には今節好調なA2級の高橋竜矢、5号艇に女子A1で機力上々の渡邉優美。この3人も今節7走目として組まれた。
 一方、B1級で、今節の成績も未勝利の2人が3号艇と6号艇に入れられている。ともに6走目で今節初めての艇番だが、ここは相手が強く苦戦必至か。必然的に予想の中心は、1・2・4・5号艇の4人となる。
 なお結果は、①→⑤→②と入って1250円の5番人気だった。

40代戦士も元気で強いマスターズCも目標だ

  ボートレースの特徴として、レーサーとしての寿命が極めて長く、40代でも上位で活躍するケースが多い。ちなみに昨年のダービーの出場者の平均年齢は39・1歳だった。
 40代後半になっても、「マスターズチャンピオン」というプレミアムGⅠがあって、このレースには45歳以上の強豪が集結する。昨年は参戦1年目の“新人”原田幸哉が優勝した。
 同レースは毎年4月に開催されるが、1月末までが選考期間なので、勝率がボーダー付近ならば勝負駆けに挑む。左表は今年、初の出走資格を得る者のうち勝率上位者たちだ。
 最近は出場ボーダーラインが上がってきており、今年は6・50を上回りそう。今回の目玉である白井英治はもちろん当確だが、SGウィナーの中澤和志も有力。GⅠ制覇歴のある山本寛久や平田忠則もまだボーダーより少し下だというのだからレベルが高い。香川素子・佐々木和伸・別府昌樹らはかなりの上積みが必要だ。  ただ、勝率では及ばぬレーサーにも、別の“出場ルート”は残されている。1年間に10戦ほど組まれているマスターズリーグ戦で優勝することだ。年に数人は、このリーグ戦の優勝でマスターズチャンピオンへの参戦を果たしている。ベテランレーサーをあまり知らないという人は今後、リーグ戦にも注目して欲しい。思わぬ個性を発見し、他のレースでの予想にも大いに役立つこともあるはずだ。

ボート界の将来を背負う有望新人を先物買い!!

  毎年、新期に登録された年の翌年から3年以内の新人の中で、最も優秀な成績(勝率・1着数・獲得賞金など)を残したレーサーは「最優秀新人選手」として表彰される。2022年に対象になるのは124期生(登番5070)以降のレーサーだ。これから1年の長い戦いが始まる。参考までに左表で、22年前期適用勝率ベスト15を紹介しておこう。
 まず記者間の評判では、「埼玉勢VS佐賀勢」という声が聞かれる。勝率トップの佐藤航は近況の上昇度なら一番。スタートの切れもアップしてきた。砂長知輝はまだ2・3着が多いが、1着が増えてくれば一気に上位へ台頭しそうだ。
 一方佐賀勢は、124期末永和也、125期定松勇樹、126期常住蓮と、3期続けて養成所の修了記念チャンプを出したように、支部内でライバルが多く活気が満ちている。
 埼玉&佐賀勢に割って入るとすれば、その筆頭候補は愛知の前田翔だろう。既にA級経験もあり、兄・篤哉(20年に受賞)に続くタイトル獲得を目指す。大穴では、女子の高憧四季を推す声も。女子戦が多いため、一気の勝率アップと1着の固め打ちが可能。実際に前期成績でも1着数はトップ。その旋回力は侮れない。
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