マクール探偵局
マクール探偵局は、読者からの疑問・質問を徹底的に究明するコーナー。調査テーマはボートレースに関することならば何でもOK! とてつもなくマニアックなテーマから、過酷な体力系まで調査内容は多岐に渡る。なお、残念ながら舟券には全く役立たない。ここでは過去に調査してきた中から、4つの調査ファイルを紹介していこう。
今ではインターネット上で全国の出走表を取得することができるが、昔はそのレース場に行かなければ手に入れることができなかった。
昭和から平成へと時代の移り変わりを感じることのできる出走表をじっくり読み漁り、現代と変わったこと、不変のものを探ってみよう。
【昭和41年〜戸田〜】
<優勝戦4周&2周戦!?>今から55年前、昭和41年(1966年)2月14日の戸田の出走表。まず目が行くのは優勝戦。「艇王」と呼ばれた彦坂郁雄が2号艇で登場している。周回数は4周で距離は2400m、なんと優勝戦に乗った選手でもほとんどが2回走りとなっている。もちろん現在は、荒天で周回短縮にならない限り、3周1800mのみ。優勝戦で2回走りになることもほぼない。
<優勝賞金は現在の1/38>賞金状況も今とはずいぶん違う。現代の一般戦優勝賞金は、最も低くて74万円。1着賞金も最低8万1千円だ。一方、55年前の1着賞金は1万1千円、優勝賞金も1万9700円。どのレースでもほぼ差がないことに驚く。
<エンジンは番号ではなく地名>エンジンは44号機などと数字が一般的だが、この当時は「天竜」「生駒」など地名になっている。
【平成6年〜住之江〜】
<25年前のGP>住之江SG第9回賞金王決定戦(グランプリ)。優勝したのは中道善博(徳島・元レーサー)。トライアル出場レーサーで現在も現役なのは、北川幸典(当時31歳)と三角哲男(当時27歳)のみ。
<シリーズ戦はGⅠ>現在グランプリの賞金は1億円、シリーズ戦は1700万円となっているが、当時は決定戦が6000万円で、シリーズ戦はGⅠで900万円だった。
<場外発売>場外発売場も隔世の感。現在は全国に81ヶ所のチケットショップが存在する(7月末時点)が、当時の出走表には、住之江の専用場外として全国で2番目にできたボートピア姫路のみが記載されている(91年1月開設)。締切時刻も現在は本場と同時になっているが、当時は場外が本場の3分前だった。
【平成7年〜桐生〜】
<淺田千亜希や岩崎芳美が新人の頃>平成7年(1995年)5月20日、桐生女子リーグ戦。最ベテランは2995小神野紀代子で、最若手は3700迫田真紀。現役の淺田千亜希や岩崎芳美が22歳の新人だった。現在、桐生の施行者はみどり市だが、当時は桐生市(のちに撤退)。優勝賞金は150万円だった。
デビューしたての新人からプロ生活50年を超える大ベテランまで、約1600名いる現役のボートレーサー。そのほとんどにオリジナルのサインがある。しかしそれはひと目見て誰のものか判別できるものから、そうでないものまで様々。そこでレーサーたちに成り立ちやこだわりのポイントを聞いてみた。
僕のサインは「夢」と「感謝」って書いてます。名前? それは登録番号でわかってもらえるレーサーになりたいと思って書いてません。このサインに決めたのは生後4ヶ月からで、固まったのは学校(養成所)時代ですね。画数が多くて大変? 書き慣れてるのでそうでもないけど、福岡だったと思うけど、80枚書いてくれって言われたときは書いてる途中で笑けてきました。
名前の「彪也」を英語の筆記体にして崩して書いてます。ハートは「a」の扱いにして。3〜5年前くらいからこのサインになりました。自分で考えましたよ。もうね、100回くらい色んなパターンを試したりして(笑)。
漢字で「平本真之」ですね。学生時代、野球をやってて、プロ野球を目指していたから、中学くらいからサインの練習はしてました。レーサになって登番を入れたけど、ベースは高校の時から変わってません。実家には自分のサインボールがありますよ(笑)。サインを書くのにちょっと時間がかかるけど、もう変えられないですよね。
デビューしたときはなかったんですよ。初めてサインを求められたときに、仕方なく漢字で「秦英悟」と書いたけど小っ恥ずかしくて。その後、友達に「サインってどんなふうに書いたらいいのかな?」と相談して、一緒に考えて作ってくれたのがこれ。ローマ字で筆記体のような感じのサイン。字が下手なんで、言葉を付け足したりはしないし、なるべくごまかして書くような感じで…(苦笑)。
ひらがなで「すどうひろみ」……「ち」はどこかに行っちゃいましたね(笑)。真ん中の縦のラインで「すどう」、左部分に「ひろ」、左右に渡る「み」です。サインは太字のペンの方がバランスがとりやすいですね。もう1枚書きましょうか?(書いたものを比較して)ね? 本栖(養成所)の実習の時、隠れて考えてましたよ(笑)。デビュー当時は漢字だったんですけど、プロ野球選手のサインをみて、シンプルなのがいいなと思って、10年ぐらい前に変えました。
本栖(養成所)を卒業する前に同期の山本兼士に作ってもらいました。彼はサインを考えるのが得意で2〜3人分は作ってて、そのうちのひとりが自分(笑)。自分のアイディアとかは一切出さず、完全に考えてもらいました。漢字で坂口、ひらがなでめぐる。芸能人じゃないんだからサインなんていらないって思ってたけど、想像していたよりも書く機会は多かったですね。
レースの告知に欠かせないポスター。そのビジュアルにレーサーが起用されることは珍しくない。そこでそれを女子レーサーに限定し、集めてみた。
どちらかというと、古いものが多く、キャリアの長いファンにとっては思わず懐かしいとつぶやいてしまうだろう。一方、ここ数年の初心者ファンは、今はベテランとなったあのレーサーたちの若い頃の雰囲気に驚いてしまうかも。時代の移り変わりもぜひ楽しんでいただきたい。
レーサー募集のポスターには、その時代の若手人気レーサーが起用される。今から10年ほど前の114・115期の募集の時には、今を時めく篠崎元志、平山智加、桐生順平、平高奈菜が選ばれた。
右は2011年2月の平和島56周年(優勝:中島孝平)、左は2009年7月の津モーターボート大賞(優勝:坪井康晴)のポスタービジュアル。ともに出場していない地元の若手女子レーサーを起用し、話題になった。平和島は中澤宏奈、津は加藤綾を大抜擢。レーサーには見えないモデル顔負けの一面を見せた。
2019年11月に引退した定野久恵さんの愛称は「走るフランス人形」。そんな定野さんの地元・浜名湖で開催された1995年女子リーグ戦のポスターに起用。当時のアイドルレーサーの最先端といえた存在だった。
2004年に多摩川で開催された第14回女子王座決定戦(優勝:山川美由紀)。ポスターは出場予定全レーサーの顔写真を掲載した当時としては斬新なもの。今から17年前だが、登録2000番台は2人だけ、他は全て3000番台のレーサーが出場した。
1987年、浜名湖で開催された第1回女子王座決定戦(レディースチャンピオン・優勝:鈴木弓子)のポスタービジュアルは、2019年12月に引退した長田光子さんが務めた。当時はまだ旧姓の菅野で26歳だった。
2001年の女子リーグ戦のポスターは、ある女子レーサーの裸の背中を写したもの。当時、本誌にてこのポスターのモデル当てクイズを実施。ヒントは70期以降のレーサー(現在も現役)。答えはページ下部に掲載。
水上を舞台に戦うレーサーたち。ヘルメットやカポック、グローブなど分厚い防具を身にまとい、その表情さえなかなか見ることはできない。しかし、その鎧を脱げば、オシャレな人たちばかり。ましてや女子レーサーは指先まで気を遣っている人も多い。そこで、レーサーたちの「ネイル事情」を調査した。
久保田「ネイルは長いことやってます。昔は女子レーサーでもやってる人がほとんどいなかったけど、私はやり続けてきました。マニキュアから今のジェルネイルが流行りだして女子レーサーの間でも増えてきましたね。喜多須さんとはネイル友達なんですけど、めちゃくちゃ褒めてくれるんですよ。若い人に『かわいい』って褒めてもらうと嬉しいじゃないですか(笑)。ネイルしてる人の爪は見るし、良かったらマネしてみようかなと思いますよ」
喜多須「ネイリストの友達がいて、月イチペースでやってます。油汚れも全然大丈夫。久保田美紀さんとはラインでネイルを見せあってるんですよ。久保田さんのネイルのデザインは私の好みなんですよ。私のこの白は、久保田さんからおすすめしてもらったんです」
始めたきっかけは、今年の1月に爪が真ん中からパキっと割れたんですよ。それで妻(原田佑実)が行ってるネイルサロンで、補強してもらったんです。初めは透明だったんですけど、気分が乗ってきて色を付けてしまったという(笑)。そこからは毎月行ってます。デザインは夫婦で同じにしています。
みんなの風当たりはまあまあきついですね(笑)。評判があまりにも悪いので、だったら逆に続けてやろうと。仕事への影響? めっちゃ手袋をつけてるし、小さい部品が取りにくかったりはします。あとは本を読むときに自分の爪が目に入って、「おっ、きれいやな」と思うくらい(笑)。
ネイルは自分でやってます。このテーマは「深海」。ダイビングしてる時に見た景色をイメージしました。手にやるのはF休み中が多いですね。オイルを使ってたら隙間に入ってはがれやすくなったりするんです。それにネイルしてる時に限って、整備することが多くて…。整備しなくて済むようにゲンを担いでるのもあります。
これが最近で一番お気に入りだったミニオンズのデザインです。色がカラフルで可愛いでしょ。基本、キラキラかカラフルにしてますね。だいたい、3週間前後でデザインは替えています。
最近ずっとしてなかったんですけど、ちょうどセルフネイルを始めたところだったんですよ。ジェルネイルのキットを買って、家で自分でしてます。まだ始めたばっかりで下手なんですけどね(笑)。

答え:武藤綾子