舟券傾向と対策
独特な感性と言い回しでレースを盛り上げる蒲郡の名物実況・高橋貴隆アナ。蒲郡のHPでは目展示評価などを「ズバッと解説」で発表している。その高橋アナに、蒲郡の注目ポイントやレースの“見方”を熱く存分に語ってもらった。

“血の通った”情報を提供

 全国的に取り入れられたオリジナルタイムなど血が通っていない機械がはじき出す数字があふれています。ファンの皆様は、多くの場面でそれらを参考に舟券予想をしているかと思いますが、ボートレースには機械では表現できないものが存在するのです。レースも生き物で血が通っています。それがファンの心を打つのと一緒です。機械が計測したタイムには、肉眼で分かるトルク感や押し感は出ません。そういうことまで踏まえ、他のレース場にはない目展示評価を公表させていただいています。実名公表ならではの責任感をいつも感じながら、時には気配を見抜けずに申し訳なさでいっぱいになることもあります。ファンの方々には、この展示評価を参考に独自の研究をしていただき、舟券の当たり外れだけでなく、レースの奥深さに触れてもらえればと思っています。

展示好タイム≠目展示の好評価

 先日、オリジナルタイムと目展示評価が全くの逆だったという実例がありました。(図は蒲郡HPより)

 オリジナルタイムは1・2号艇が好タイムでしたが、目展示評価は3・4号艇。結果は③-④-⑤で万舟券決着でした。選手のネームバリューや内枠が強いという固定観念に捉われていると、取れる万舟券も逃してしまうのではないかというのが持論でもあります。最初は見えないものも、真剣に見ようとすると見えてきます。その気配の差が昔よりも小さいところに難しさがありますが、ボートレースの展示研究の手助けになればという考えで今は取り組んでいます。蒲郡の舟券購入時には、私の目展示をのぞいてみてください。

 その目展示評価に予想の参考になる情報をチラチラと盛り込んだりもしますが、ここでコースと気配によるアドバイスをひとつ。蒲郡は伸びの差が比較的小さい場です。たとえ伸びが少し足りなくても、それを補うスタート力があれば、出足で着を取ってきます。

 伸びる選手を狙うのか、それとも伸びられてもスタート力を信じて出足重視の選手から舟券を買うのかは、その時の展開イメージと嗅覚をフル稼働するしかありません。ただ、最近は3・4コースのレースの流れに特徴があります。それは出足が良くてやや伸びが足りない3コースがまくられずに先に攻め、やや伸びる4コースが差しになったところに5コースのまくり差しが決まるということ。4カドも決まることが結構あるので、蒲郡の予想の組み立ては、センター勢が鍵なのではと感じています。伸びの差は基本的に小さめだというところは、改めて覚えておきたい点です。

蒲郡で予想のスペシャリストに!

 話した中には矛盾する表現がありましたが、重要なことは直前気配を見抜いて固定観念を振り払い、コース取りからスタート隊形などイメージを膨らませながら自分なりに予想することが大事なのだと思います。「蒲郡でボートの勉強をした」――。そんなファンをこれからももっと増やしていきたいです。