舟券傾向と対策
レースをマッチメイクする人物を「番組マン」という。どうすればファンに喜んでもらえるか、どんな番組だと舟券を買ってもらえるかと日々考え、レースを組んでいる。そんな番組マンの意図を汲み取ることで見える舟券もきっとあるはずだ。そこで福岡を担当する番組マンに話を聞いた。
― 番組の基本方針を教えてください。
 当場は全国的に見ても本場来場者が多いレース場。電話・インターネットによる全国のお客さまも意識しながら、本場で長く遊んでくれるお客さまも大切にしたいと思っています。売上のことだけを考えたら、インが強ければ強いほどいいと思っています。だけど、福岡というレース場を考えると、それは違うのかなと。インは強すぎず、センター・アウトからの一撃が決まって、場内が盛り上がるようなレースを提供したいと思っています。

― いわゆる企画番組は8Rの進入固定戦だけ。
 そうですね、あと1Rは特別にタイトルをつけたりはしていませんが、いわゆる1号艇A級の番組で、オープニングレースでしっかり当ててもらえたらと思って組んでいます。8Rの進入固定戦も同様で、以前は日本一インが堅い固定戦だったんですけど、最近はよく飛ぶんですよね…(苦笑)。

― 福岡は2・3コースが強いという特徴があります。
 そこで注目してもらいたいのは9Rです。当地は3コースが強いので、その利点を活かして3号艇にA級を置く番組を作っています。センター戦が決まって、終盤戦に向けて盛り上がってほしいと考えています。

― 8月から待機行動時間が短縮されました。
 記者さんたちによると、待機行動時間を短くすれば、堅いレースが多くなるだろうという見解がほとんどでした。しかしふたを開けてみると、そんなことはなく、むしろ福岡らしさが際立ったように感じます。あまり3桁配当が乱立しても万舟ばかりでも、お客さまにとっては難しいと思うので、そこそこのいい配当が並ぶこの傾向が、福岡のお客さまには喜ばれるんじゃないかと思っています。

―ドリーム戦がファン選抜になる時があります。これは当地伝統のファンサービスですね。
 9月の一般戦で、奈須啓太選手が1号艇で、6号艇に西島義則選手という番組があったんですね。その時、他にもたくさんの投稿があったんですけど、ほとんどが西島選手を外枠にされていたんですよ。ファンが見たい、楽しみにしている番組はこういうのなんだなと、気付きがありましたね。