蒲郡
蒲郡
「最後の忘れ物はグランプリ」と峰竜太が伝説の続きへと再び歩み出す/蒲郡ボートレースダービー
{{ good_count }}
この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。
伝統のダービーが今年はボートレース蒲郡で開催。29日の最終日にはSG「第70回ボートレースダービー」の優勝戦が行われた。
エンジン抽選から振り返ると、動きが評判の26号機を今垣光太郎、62号機は青木玄太、69号機は濱野谷憲吾が手にした。また、今シリーズはスーパースター・峰竜太のSG復帰戦だった。ドリームでは1号艇、通算100Vと24場制覇もかかった1節とあって注目が集まっていた。それでも「物怖じはしてないです、目立ちたいなと思います」と強気なコメントで盛り上げた。
水面、気候ともに穏やかなコンディションで初日がスタート。1Rでは、SG初登場の吉田裕平が逃走。「メモリアルな一日になりました」とうれしい水神祭を果たした。ドリーム戦は峰がイン速攻で快勝。圧倒的な人気に応えた。2日目は、新開航と西村拓也が連勝をマーク。新開は初日から3連勝と上々のリズム。西村は4Rでインから逃げ切り、12Rは3コースからまくり差しで勝利している。3日目は寺田祥、赤岩善生がポイント上積みに成功した。寺田は5Rでカドからまくって快勝。初日から良好だった気配を活かして結果を出した。赤岩は7Rで2コースからまくりを決めて、シリーズ初勝利。前半戦は舟券絡みを外さずと、安定した航跡を描いていた。4日目は、準優メンバーが決定する予選最終日。オール3連対をキープした峰が、予選首位通過を決めた。連勝は3で止まったが、その後も大崩れなかった新開が2位、3位は地元の磯部誠だ。3日目までは準優の好枠を狙える得点率だった赤岩だが、4Rの道中で振り込んでしまい6着大敗。6枠での準優入りとなった。一方の羽野直也は、4日目の2走で連勝しボーダー下からの勝負駆けに成功。なお、地元期待の池田浩二、ドリーム組の毒島誠は調整に正解が出せず予選敗退となった。
4日目までは快晴も、5日目は時折雨や雷に見舞われながらのレース開催となった。横風4~6メートルで行われ、6R以降はなかなか逃げが決まらず。準優も10、11Rでは1号艇が大敗を喫した。10Rはインの磯部が痛恨のスタート遅れ。2コースの山口剛がまくりで優出切符をつかんだ。驚きを隠せないながらも「(峰の様々な偉業達成がかかるところも)空気を読まないのは僕ですよ」とニヤリ。2着の茅原悠紀も「チャレンジカップまでにタイトルを取りたい」と賞金の上積みに気合が入る。11Rは赤岩の前付けに加えて、2号艇の吉田裕が待機行動中にエンスト。そんな中で2コースとなった3号艇の桐生順平が、インの新開を冷静に差して1着に抜け出した。「準優が一番良かった」と仕上がりは好ムード。2着はハプニングがありながらも、冷静に立ち回った吉田裕が入った。「まさかここまでこられると思わなかった」と頬を緩める。唯一逃げを決めたのが12Rの峰だ。3コースの今垣が3カドに持ち出し、1マークはまくりに出たが、完璧な立ち回りでシャットアウト。「インが逃げていなかったけど、そういう時に勝つのが峰竜太だと言い聞かせて行けた」とスター力をアピール。2着に入った馬場貴也は、機力では威張れないとあって「もう一度本体整備も考える」と優勝戦に向けて作戦を練っていた。
ついに迎えた最終日12Rの優勝戦は、枠なりの3対3でスタート。1号艇の峰が、人気に応えてインから先マイ。3号艇の桐生がまくり差しで迫ったが、すぐに引き離して先頭に抜け出し、優勝のゴールイン。通算100V、24場制覇を達成してのダービー制覇とあって、「こんなにドラマチックになったのは奇跡。夢じゃないよな、頑張ってきて良かったなって思いました」と感無量。「まだ完全復活という感じはしません。最後の忘れ物はグランプリだと思います」とさらなる伝説作りに燃えている。
優勝者コメント・峰竜太
「嬉しい感情は1%ぐらいで、あとはホッとしたと言うか安心したと言うか、責任感が強かったので…。通算100Vや24場制覇が懸かっていたし、24場制覇については、逃したら今度はいつか分からない。一般戦になるかもしれない。こんなふうにドラマチックな舞台になったのが奇跡だと思って来たけど、もう何回もダメならダメでいいやと思って言い聞かせた。でも、やっぱり、勝ちたい気持ちが強く出ちゃって『峰竜太はここで獲るんだ!』という思いもあって。葛藤していました。最後(優勝戦)に行く時に、ファンの歓声が大きくて…。ずっとこういう大きい舞台を走ってなかったので、グランプリの時ぐらいの歓声があった。それでも、すごく落ち着いていたし、これを追い風にして行ければいいなと思ってました。あの蒲郡で失敗したメモリアル(2015年)と比べるとめっちゃ成長したなと思いました。ただ、走りたくないと思うぐらい苦しかったです。優勝戦はもう、目いっぱい張らせてもらおうと思って。この風だとミスったら差されそうな感じがしたので。しっかり落として、ミスっても差されないように回りました。それなのに、(桐生)順平がすぐ後ろにいたので、ものすごくいいターンをしたんだなと思いました。それでも、自分の仕上がりがすごく良かったので、舟がかかっても大丈夫だなと思ってました。最後は、みんなの心に届くようにアロハポーズをさせてもらいました。心から。歓声は聞こえていました。ゴールした後に、これは奇跡じゃないよな、夢じゃないよなって思いました。こんなこと現実でもあるんだな、頑張っててよかったなと思いました。ダービーは勝率が僕のイメージみたいなところがあるので、獲っておきたかったけど、縁がなかった。結局ダービーに1位で来たってことは、(ダービーを)獲るべくして来たんだっていう気持ちがすごくあったんで、こういう優勝に繋がったんだと思う。責任は果たしたと思います。GIを優勝した時に、これはまだ違うなと思った。何なら、SGを優勝してもまだ(違うなと)思うところはあります。
やらかしてしまった過去は一生消えない。重い十字架を背負ってます。でも1着を取って、お客さんを沸かせて、優勝してみんなでアロハして、ボートレースが盛り上がれば、それが自分の仕事だと思ってます。恩返しが出来ればと思ってます」