ボートレース児島

児島

今節はドラマチックなシリーズ/児島オールレディース

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10月最後の3日間と、11月最初の3日間。月またぎの6日間開催の今節はドラマチックなシリーズだった。10月はボート界の期末。F2で事故率0.75、絶体絶命のピンチで地元入りした土屋南の勝負駆けに注目が集まった。土屋は序盤2日間4、5、4、2着。4走目の2着はインから先制するも、あおられてあおられてバタバタ。1点も事故点をつけられない状況でヒヤヒヤされられた。いつもの笑顔が見られず表情は曇りがちだったが、最後にギヤを入れた。内枠2走の3日目にまくりと逃げで連勝し、勝率5.45、事故率を0.6966に下げA級ラインをクリアした。

新期に切り替わった予選最終日は、7Rでボート史上最高額となる3連単76万円台。2日目にFを切った黒明花夢が、寺田千恵日高逸子を破り地元初勝利をマークした。準優日の2日は、4Rで日高が勝利。『11月2日以降に1着をとれば記録更新』という状況で、日高は勝った。この1着は、公営競技女子最高齢勝利の記録更新。日高と共に一時代を築いた鵜飼菜穂子さんが保持していた61歳と25日の最高齢勝利記録を、61歳と26日で塗り替えた。日高は走れば全てが記録となるレジェンド。いずれ記録は更新される。『11月2日以降に』の当日勝ったことに意味がある。レース後、取材陣に囲まれていた日高を見て、高橋淳美福島陽子、寺田、岩崎芳美堀之内紀代子らは「すごい、すごい」と拍手。一方、25歳の土屋南は「何ですか?」とキョトン。22歳の黒明花夢は最高齢勝利記録だと聞き、「すご~い」と目を丸くした。女子選手が結婚、出産を経て第一線の舞台に復帰する。その道筋を作ったのは日高だ。今では当たり前となった女子選手の多様な生き方は、先駆者である日高の功績だ。そんなビッグニュースの陰で、別の勝負駆けも同時に進行していた。

10月末は級別を決定する期間でもあるが、レディースチャレンジカップの最終選考期間でもあった。予選2位の宇野弥生、3位の浜田亜理沙は滑り込みで出場決定。準優でただ一人逃げ切った浜田は「実はそれもあって序盤の3日間は必死だった」と胸の内を吐露。浜田は19位、宇野は20位でレディースチャレンジカップに滑り込んだ。2節前の宮島Vの寺田、前走びわこVの堀之内も年末へ向けて賞金アップに成功。この両者が激突した準優12Rは見応え十分。予選1位の寺田を、チルト3度の堀之内が6コースからまくり切った。この一戦でV争いの構図は大きく変わり、予選3位だった浜田が優勝戦の1号艇。地元勢は守屋美穂、堀之内、寺田、土屋が優出。海野ゆかりが6号艇となった。

結婚後埼玉支部へ移籍した浜田だが、元々は広島支部。優勝戦は1、6枠の広島勢VS岡山勢4人。チルト3度で目立ちまくりの堀之内に対し、土屋も闘志メラメラ。事故率から解放されて「こんなに楽だなんて~」と本来の姿を取り戻し「私もチルト3を試してみる。優勝だけ狙う」とキッパリ。こんなにも予測不能でワクワクした優勝戦は珍しい。

ここで気になるのが守屋だ。GIから連続出場の今節だが、今節はあまり目立っていない。だが、2日目のドリームで1着。4日目予選最終日の12Rでは寺田を差し切り1着。準優11Rは予選で5勝の宇野をまくって1着だ。チャレンジカップ出場ランクは2位で今年V4。GI、SGを走り前期はA1勝負に追い込まれたが、大舞台でもまれた勝負強さはピカイチ。最後はやっぱり守屋か…。そんな予感がしてきた優勝戦を見てて下さい!