4つのオリジナルタイムデータを駆使すれば、エンジンの良し悪しを細かく推測することも可能だ。それぞれの特徴を説明していこう。
まずは展示タイム。これは従来から存在するものでファンにもなじみがあるだろう。基本的には単純に伸び足を示すものと言っていい。展示タイムが良ければスリット近辺やスリット後から出ていく。特にダッシュ勢には重要な足になってくる。
次にまわり足タイム。このタイムは差が出やすい。旋回時のタイムを計っているため、選手の技量も反映してくるので、エンジンが良いか、選手の実力なのかの判断は難しい。選手込みの判定となるが、例えばB級選手でまわり足タイムが良ければ、エンジンが良いと推測もできるし、A級でいまひとつタイムが出てなければエンジンが悪いと判断が出来る。
オリジナルタイムで最も注目すべきなのは直線タイム。行き足や中間速を示すタイムで、近年のレースでは、この足を重視する選手も多い。成績に直結する足と言っても過言ではない。また、宮島ではこの直線タイムの測定距離が他場よりも長めに設定されている。そのためタイム差がはっきりと表れるので、行き足の比較はしやすく、成績にも大きく影響を与える。この直線タイムは最もチェックしておきたいデータだ。
一周タイムは総合的な評価となる。特にどの足が良いかという判断は出来ないものの、タイムが良ければもちろん総合的に足が良い証拠である。あるいは乗り心地が良いから、一周タイムが出るということも多いようだ。いずれにしてもこの一周タイムが良いに越したことはない。
各種のタイムデータ測定位置は図で示した通り。オフィシャルホームページの出走表内にも各タイムデータが載っている。4つそれぞれのタイムをチェックし、エンジン気配を察知できる。まわり足タイムは出足系、直線タイムは中間速、展示タイムは伸び。すべて良ければ、それだけで舟券の買いの材料になる。