舟券傾向と対策
 SGタイトルホルダーが21名参戦したが、主役を演じたのは佐藤翼。開催2日目(10月10日)が結婚記念日で、6・3コースからまくりで連勝。そのまま得点率トップとなり、最後は会心の逃げを決めてGⅠ初優勝。この後(11月)復帰する妻(土屋南)の地元で、大きな仕事をした。新鋭王座決定戦優勝戦Fから10年、成長した佐藤が悔し涙をうれし涙に変えた。
 予選をリードしたのは白井英治だったが、準優勝戦で白井を含め、1号艇が全敗。予選5位の前本泰和が優勝戦1号艇に座った。スタートで02と予選トップの意地を見せた白井、超抜の動きだった菊地孝平らの攻めを退けて、前本がインから圧勝。13年のグランプリシリーズ以来2度目のSG優勝を成し遂げた。
 12名出場した地元勢は全員予選落ちというまさかの結果。その一方で、優勝戦に勝ち上がったベスト6は全員SG覇者。その中で勝ったのは菊地孝平。前検日に新ペラ交換し、厳しい立ち上がりとなったが、連日攻めの調整を施し、3日目から5連勝締め。当地はこれで周年V2、そしてこれ以外もビッグレースでの優出率が非常に高く、児島をドル箱にしている。
 優勝戦は30代が5人、20代が1人で、37歳の石野貴之が最年長という、最近の中では若いメンバー構成となった。優勝したのは毒島誠。それまでのSG優勝は全てナイター場だったが、6回目にしてようやくデイレースのタイトルを獲得。ピットに戻る際、師匠である江口晃生の姿をみつけ、涙したシーンが印象的だった。
 予選トップ通過の吉田拡郎が、悲願の地元周年タイトルを獲得した。前検日から好感触だった吉田は、節間ノーハンマー(プロペラを一切叩かない)を貫いた。ドリーム戦で4着に敗れた後も「悪いところがない」と、誰もがプロペラを叩きたくなる場面で叩かなかったのだから、強い決意だったといえる。この優勝は自分を信じ抜いた結果だった。
 ファン投票で選ばれた女子レーサーによる祭典。地元岡山支部からは8名が参戦し、開会式では支部の選手全員が桃太郎の寸劇で登場。寺田千恵は「選手になって初めてパフォーマンスをした」と言い、地元選手が中心になって盛り上げた。レースは優勝戦1号艇の寺田がイン逃げ快勝。2着に田口節子が入り、地元両選手でワンツーフィニッシュ。
 直前節に中間整備が入り、気配急上昇機を獲得した山崎智也。同節直前に娘の山崎小葉音が養成所を卒業し、「お祝い事には強いので」と自信をのぞかせた。地元の川崎智幸と予選トップ争いを演じ、山崎が競り勝つとそのまま優勝一直線。この時はまさか、これが現役最後のGⅠ優勝になるとは夢にも思わなかった。