舟券傾向と対策
エキサイティングで魅力的なレースを提供するため、2021年8月24日から福岡の待機行動時間は変更された。時間短縮が開始されてから約1年が経ち、それがレースにどのような影響を与えているかを考察していこう。

具体的に言うと、待機行動時間は1分50秒から1分40秒に変更された。この10秒短縮で当初イン勝率は上がると予測されていた。10秒短くなれば、その分だけインコースは助走距離を取れるわけなので、理屈上ではそうなる。
しかし、フタを開けてみるとイン勝率にほぼ変動はなかった。数字にすると逆にわずかながら下がっている。つまり、10秒短縮がインに与える影響はなかったと現状では考えられる。
大きく変わったのは2コース勝率の低下。こちらははっきりと数字に表れている。詳しく分析すると2コースのまくりが以前よりも減ってきた(ただし、2コースまくり自体は他場より高い)。これはインがしっかり助走距離が取れるため、叩かれにくくなったと考えられる。

4コースまくり差しの増加も警戒

2コースに叩かれにくくなったのなら、イン勝率は上がるのではと思いがちだが、2コースのまくりが減った分、実は3コースのまくりが増えたのだ。そこで相殺されてイン勝率は変わっていないということになる。つまり、イン勝率自体は変わらないが、レースの質は変わっていることに注目したい。
レースの傾向は各コースの動きと連動するので、2コースまくりが減ると、3コースまくりが増える。3コースまくりが増えると、今度は4コースのまくり差しが増えるという図式になる。待機行動時間の変更によって、見た目には気付きにくいが変化はしている。特に2・3コースの動きの変化、それに付随した4コースのまくり差しの増加が挙げられるだろう。