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ボートレース尼崎のGⅡ「第5回全国ボートレース甲子園」は9日に優勝戦が行われて、片岡雅裕の逆転Vで幕を閉じた。実はこの大会に一節間携わったのは初めてだったのだが、SG、記念覇者がズラリと顔を揃える中、B1級の選手も8人が参戦するのが甲子園ならではのメンバー構成だ。舟券的にも非常に妙味があり、実力差はあっても舟券に絡めば好配を約束。もちろんB1選手にもジャイアントキリングの気持ちもあるはずで、実際、8人中7人が舟券貢献を果たして場内を沸かせた。そしてこの毎日、強豪だらけと対戦する経験が必ず成長の糧になるはず。今節出場したB1選手の今後の走りに注目したい。
実力差だけでなく今節はモーター差も激しいシリーズだった。痛感したのは5日目の太田和美と濱野谷憲吾の連勝。予選落ちの悔しさで意地もあったはずだが、準優組が抜けた途端に事もなげに白星を重ねて、結果に直結させた。準優の稲田浩二も一旦2位を走りながら最終的には4着。こちらも道中は明らかなパワー負けだった。優勝戦で1枠を獲得した関浩哉を筆頭に、予選1位だった石丸海渡の出足やオール3連対で終えた椎名豊の行き足、佐藤翼や池永太の伸びも素晴らしかった。さらに、田口節子も予選落ちだったが日に日に上積みして最終的にはトップ級に接近するレベルに。改めてモーター仕上げの重要性を痛感したシリーズだった。
片岡雅裕が優勝で幕を閉じたが、1Mの攻防は実に見応えがあった。圧巻のスリット攻勢から1Mは瞬時にまくり差しに変化。大一番での冷静な判断には恐れ入った。インの関も決して握り過ぎた訳ではなく、先マイを譲らないギリギリのターンだった。さらに、僅かな間隙を突いてきた中村晃朋と桐生順平のまくり差しも負けて悔いなしの渾身ターンだったはず。本当に素晴らしい優勝戦を見せて貰ったと思う。
最後に少し大会を1節間見ての提案をしてみたい。本家の甲子園と言えば兵庫県尼崎市にある。尼崎はまさにこの大会にふさわしい舞台なのだが、より甲子園感を出すために地方予選があっても面白いのでは?例えば地元の正月戦やゴールデンウィーク戦を地元勢で固めて優勝者に出場権利が与えられれば、代表意識がさらに高まる。そんな盛り上げ方もあると感じた。
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