自分だけがもつ自分だけの価値観

{{ good_count }}

この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。

東京・渋谷のZINE祭りでは、ボートレース体験レポートが掲載された「yakk」のほかにも大事な出会いがあった。

前回書いたように、祭りの会場に出ていた沢山のブースは片っ端から全部見ていった。出品者がいればおしゃべりもした(yakkのおねえさんたちともボートレース場について楽しく語りました)。会場を回ること小一時間、次のブースを見ると、黒っぽい写真表紙のZINEが沢山並び、なぜかコンクリートをペットボトルの型で固めたものも林立している。なんだこれは。しゃがみこんで見始めると、ブースにいたおじさんが説明してくれる。なにか建築関係のZINEらしい。興味ある。あれ?達筆すぎて読めなかったがこのタイトル、よく見ると「月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒」って書いてある。まさかあなたは、名著『バベる!』の著者・岡啓輔さんでは?「はい、そうです。岡です」。なんと、憧れの人と遭遇してしまった。前のめりに「ここにある既刊全部ください」と言った。

渡邊十絲子

渡邊十絲子(わたなべとしこ)。東京都出身。主婦にして詩人。生涯一競艇客という立場を貫き、問答無用に艇界を斬る気鋭の論客でもある。代表著書は詩を読むための手引書「今を生きるための現代詩」(講談社現代新書)、書評集「新書七十五番勝負」(本の雑誌社)など。