罪と罰に納得感を
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刑務所についてちょっと調べものをしているところなのだが、この分野はいま、本当に苦しいことになっている。たとえば、余生を刑務所で送ろうとする人たちの問題がある。人間、年をとって体が弱って独居だと、とにかく誰か自分の健康状態などを見守っていてくれる人がほしくなる。刑務所はそれがかなえられるだけではなくて最低限の食事と寝床も確保される。だから、べつに犯罪そのものは目的ではないが、刑務所に入りたくて軽犯罪を繰り返す人がいるのだ。さらには認知症などで、自分が罪をおかしたことやその償いとしていま刑務所にいることも把握できていない人が、刑務官におむつをかえてもらったりしているらしい。刑務所は無料介護施設として、いいように使われてしまっている。
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渡邊十絲子(わたなべとしこ)。東京都出身。主婦にして詩人。生涯一競艇客という立場を貫き、問答無用に艇界を斬る気鋭の論客でもある。代表著書は詩を読むための手引書「今を生きるための現代詩」(講談社現代新書)、書評集「新書七十五番勝負」(本の雑誌社)など。