毒島誠
毒島誠

2013年(平成25年)毒島誠が29歳でSG初制覇!"新・ナイターキング"に君臨

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最初と最後を締めたのは池田浩二

2013年はトップグループが安定感を維持し続けた。まず、SG初戦の平和島・総理大臣杯(現クラシック)を制したのは池田浩二。その後も賞金ランキング1位をキープした。太田和美は前年に続いてグランドチャンピオン(常滑)を連覇し、松井繁は若松・オーシャンカップで最多となる4回目の優勝を果たして上位に食い込んだ。 さらに、平和島・全日本選手権(現ダービー)で快勝した瓜生正義が逆転でトップに立ち、住之江・賞金王決定戦(現グランプリ)に出場した。瓜生は9年連続の賞金王出場を果たし、この連続出場記録は松井を上回り、最高勝率のタイトルも獲得した。しかし、最後は池田浩二が賞金王決定戦を制し、2011年以来となる2度目の賞金王並びにMVPに輝いた。

新田雄史らがSG初制覇

常連たちの安定した戦いの一方で、SGの半数は初優勝の選手が占めた。20代後半の実力者たちがその才能を開花させ始めたのだ。福岡・笹川賞(現オールスター)を制したのは28歳の新田雄史。混戦となった優勝戦を差し切り、同タイトルの優勝戦で最高配当を更新して優勝を果たした。
そして、丸亀のナイターMB記念(現メモリアル)では、29歳の毒島誠がSG初優勝を飾る。毒島はこの後、ナイターSGやGIで勝ち続け、ナイター黎明期の今垣光太郎に続く「新・ナイターキング」と呼ばれるようになった。そして津・チャレンジカップでは森高一真、賞金王シリーズでは一般戦無敵を誇った前本泰和が優勝。この両者もSG初タイトルを手にした。

新鋭の育成が課題に

SG初制覇は次々と生まれていたが、2000年代後半から新人たちの苦戦が目立つようになった。09年には平山智加、10年には平高奈菜と女子選手が最優秀新人に選ばれたが、前年の12年にはついに最優秀新人賞が「該当なし」となった。これは90年以来22年ぶりのことだった。
09年からは訓練所の年齢制限を緩和し、特別選抜などで門戸を広げてきたが、この年まで続けられてきた「新鋭王座決定戦」(デビュー6年以内の選手が参戦)は第28回をもって終了。翌14年からは30歳未満を対象とした「ヤングダービー」が開催されることになった。
この年にあった他の主な出来事としては、加藤峻二が最年長優勝記録を大幅に更新(3月25日・戸田/71歳2か月)、「非常識なF(05以上)」が即日帰郷と定められたことが挙げられる。

山本圭一

1957年横浜生まれ。物心ついたころからトランプなどでギャンブルに目覚め、20代では公営競技に没入。ボートレース歴も40年近い。初めて行った多摩川ではいきなり5連勝して「オレは天才だ!」と勘違い。 本誌マクールには創刊から携わり、昨年まで約15年編集長をつとめた。趣味の海外旅行でも各国のカジノなどを楽しむ。