加藤峻二
加藤峻二

2003年(平成15年)超大ベテラン・加藤峻二が61歳で笹川賞優出!平石和男を始め4人がSG初制覇

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SG初制覇が4節続いた

前年は植木通彦と今垣光太郎がSGを勝ちまくり、植木が獲得賞金の記録を作ったが、年が明けてこの2003年を迎えると一変して、伏兵の乱舞が続いた。
まず戸田で開催された総理大臣杯(現・クラシック)では地元の西村勝、続く平和島の笹川賞(現・オールスター)では同じく埼玉の業師・平石和男が大外から快勝。続く丸亀グランドチャンピオン決定戦は愛知のホープ・池田浩二の手に。蒲郡オーシャンカップは前年に続いてナイターで開催され、準優まで未勝利で優出した辻栄蔵が、展開の利を得て差し切り。なんとSG初制覇が4節続いた。

【当時の写真10枚】平石和男 / SG笹川賞・優勝セレモニーなど

当時のピークは30歳前後、しかし…

それでも夏の終わりの唐津モーターボート記念(現・メモリアル)で田中信一郎が勝つと、それ以降はSG常連が手にした。戸田全日本選手権(現・ダービー)は山崎智也が圧勝、びわこチャレンジカップは烏野賢太、そして住之江で行われた賞金王決定戦(現・グランプリ)は田中が2度目の制覇を果たした。
この年のSG9開催の覇者を年齢別に分けると、平石の36歳が最年長で、烏野と市川哲也(賞金王シリーズ)が35歳。田中は30歳(賞金王出場時は31歳)で、あとの4人は20代と、ピークは30歳前後という結果が残った。
しかし!そんな年齢構成の中にありながら、この年に最も大きな注目を浴びた選手は、大ベテランの加藤峻二といっても過言ではない。61歳にして笹川賞に選ばれ、さらに優出という快挙。まさに"シルバーの星"だった。その後も71歳で優勝をマーク。もちろんこれが、現在もボート界に残る史上最高齢の優勝である。

女子の最低体重が一気に2㎏増!

水面以外で大きな話題になったことは、女子選手の最低体重が一気に2㎏引き上げられ、47㎏となったことだ。これにより、男子選手(50㎏)との最低体重差は3kgに縮まった。
この背景には、2年前の寺田千恵のSG優出など女子選手の混合戦における活躍、裏を返せば体重面での有利さが目立ってきたというのが一因で、男子選手からの要求があったとも言われた。少なくとも、減量で苦しんでいるという女子選手は少なく、その後男子の最低体重は2㎏増量されたが、女子の最低体重は20年以上も据え置きとなっている。
山本圭一

1957年横浜生まれ。物心ついたころからトランプなどでギャンブルに目覚め、20代では公営競技に没入。ボートレース歴も40年近い。初めて行った多摩川ではいきなり5連勝して「オレは天才だ!」と勘違い。 本誌マクールには創刊から携わり、昨年まで約15年編集長をつとめた。趣味の海外旅行でも各国のカジノなどを楽しむ。