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1998年(平成10年)は、ファンにとっては舟券購入の機会がグンと増えた年となった。
何と言っても、4月から電話投票で全国のレース場の全てのレースが買えるようになったことだ。当時はまだ総売上に対して、電話投票は1割強に過ぎなかったが、インターネットの拡大でその割合は年々高まっていくことになる。さらに場間場外(レース場において他場のレースが買える)が拡大。ボートピア(場外発売所/現在のボートレースチケットショップ)も全国で、次々にオープンした。購入機会はどんどん増えて便利になった。
水面では前年に続いて、SG初制覇と20代スターたちの活躍に沸いた。
クラシック(当時は「総理大臣杯」)は、西島義則が同タイトル初の連覇を成し遂げたが、オールスター(当時は「笹川賞」)は優勝の山崎智也(24歳)をはじめ、上位4着までを20代が占めた。オーシャンカップで優勝した松井繁もまだ28歳だった。
多摩川で行われたメモリアル(当時は「モーターボート記念」)では、地元の長岡茂一がSG初優勝。ダービー(当時は「全日本選手権」)もまた24歳の濱野谷憲吾が難水面・福岡で豪快にまくってSG初V。さらにこの年に新設されたチャレンジカップ(平和島)でも江口晃生が差し切ってSG初優勝と、関東勢のSG初制覇が3人続いて大きな話題となった。
そして迎えた年末のグランプリ(当時は「賞金王決定戦」)。ここでは"怪物君"こと太田和美(25歳)が5コースまくりでSG初制覇を飾った。
そして最多賞金のタイトルを獲得したのは松井で、初の最優秀選手も受賞した。松井の「歴代獲得賞金ロード」は、この年に本格的なスタートを切ったと言ってもいいだろう。なお、最優秀新人に輝いたのは瓜生正義。養成所時代から注目されてきた逸材が順調に成長を見せた。
1957年横浜生まれ。物心ついたころからトランプなどでギャンブルに目覚め、20代では公営競技に没入。ボートレース歴も40年近い。初めて行った多摩川ではいきなり5連勝して「オレは天才だ!」と勘違い。 本誌マクールには創刊から携わり、昨年まで約15年編集長をつとめた。趣味の海外旅行でも各国のカジノなどを楽しむ。
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