西山貴浩
西山貴浩

芦屋

スタート事故罰則強化後、初のSG準優勝戦。スタート無事故賞の新設も

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ボートレース芦屋で開催されているSGボートレースオールスターは26日に予選全レースが終了。3日目終了時点のベスト3がそのままの順位を守り切り、毒島誠石野貴之茅原悠紀が準優勝戦1号艇を獲得した。GⅡ以上のスタート事故罰則強化後では初のSG準優勝戦となるが、果たしてスタート無事故で終わることはできるだろうか。準優勝戦を前に強化されたスタート事故罰則についておさらいしておきたい。

SG優勝戦でFを切ると【1年間SG除外】だった期間が【2年】になり、準優勝戦では【直後4開催】から【1年】とそれぞれ倍になった。すでにPGIやGIが新規則で行われたが、若松マスターズチャンピオンの準優勝戦で中岡正彦、児島71周年準優勝戦で上田龍星がフライングを切り、F休み明けから半年間、GI・GⅡ除外となることが決まっている。

罰則が強化されると報じられた時には「厳しすぎる」「レースがつまらなくなる」といった声が多くを占めたが、その後、「スタート無事故賞」が新設されることが決定した(従来のスタート無事故賞とは別)。これはGⅡ以上の準優勝戦や優勝戦が無事故だった場合、そのレースに出走した選手へ手当が支給される。金額はSG優勝戦で、一人あたり30万円、SG準優勝戦で15万円など。なお、準優勝戦やグランプリトライアルなど複数レースある場合は、対象レースすべてがスタート無事故でならなければ、支給されない。つまり「出場選手みんなで事故をしないという意識を高めてほしい」というメッセージなのだろう。

一部選手の声を紹介しよう。
※スタート無事故賞新設発表以前のもの

菊地孝平

「なんでFが出るかというと、Fを切っても選手としてやっていけるし、生活も成り立つからなんですよ。中途半端な罰則を作り、生殺しみたいな状況に置かれてもね。F1本につき1年休み、2本なら2年休みとか、そのぐらい厳しくすれば誰もスタートを行かなくなるんじゃないのかな。今までスリットの勝負どころが、ゼロ台だったのが、後ろに行くだけですよ。選手って1秒の中にスタートを入れることはできるんですから。そのような状況でコンマ10のスタートを行けば『スゲー』ってなるわけじゃないですか。そうなると選手の本当の力が試されそうですね。勘違いして欲しくないですが、こうするべきと言っているわけではない。これぐらい厳しいところに正解はあるのでは? と言っているだけです。1600人も選手がいれば、もちろん反対の意見も出るでしょうし。今回の罰則に関しては、不平等を感じますよ。持っているSGの権利や、選手の立場で罰の重みが選手ごとに違いますからね」

西山貴浩

「今回の罰則はやっぱり…というか、こんなにも? というか。一長一短な思いです。スター選手が次々といなくなってファン離れが起きなきゃいいんですけどね。盛り上がりに欠けてしまうかも。でも、スタートは入れてナンボだし、選手は従うしかない立場ですから。自分が優勝に乗ったら? 厳罰はブレーキになるかもしれない。だけど、勝たなきゃダメなレースは狙って行くと思う。ストレスでハゲる選手が多くなるんじゃない? 関係者もピリピリして選手もピリピリして、みんなハゲてしまう」

選手A

「今回の厳罰化に関しては、たまにしかSGを走らない人が準優や優勝に乗ったとき、ここぞとばかりSを行くでしょうね。除外になっても影響は少ないですから。常連組とは影響の差が大きいと思う。SGや地元の記念で1号艇になったらどうだろう。Fは切れないけど勝たなくてはならない。他が握ってきたらついて行かないと行けないし。難しいですよ…」

選手B

「一体、何を考えているのか。グランプリクラスって、業界の宝だと思いますよ。例えば、大谷翔平のような選手を2年もグラウンドから放り出すんですか?GPクラスの人にとって、2年も除外を受けたら目標を失ってしまいそうですね。僕のように一般戦と記念、SGを織り交ぜているような選手でも、SGの優勝戦に乗ったら頭をよぎると思いますよ」

今節は予選期間中、0台スタートが頻発した。果たしてこの「飴と鞭」が機能するのか、いよいよ始まる準優勝戦~優勝戦のスタートに大注目だ。