菊地孝平
菊地孝平

菊地孝平の戦略はピット離れから始まっている/津・東海地区選手権

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ボートレース津のGI「第70回東海地区選手権競走」は9日、準優勝戦が行われた。

「西日が目に入らなかったら、回り足は大丈夫ですよ」。準優を勝ち上がった磯部誠の言葉は、12Rのレースを暗示するものだったか。

展示であからさまに伸びて行った高田ひかるは「西日で大時計が真っ黒に見えてスタートが行けなかった」と、本番は立ち遅れ。インで飲み込まれた井口佳典は「何を言っても言い訳にしかならない」と言葉を濁したが、かなりの影響があったのだろう。

だからこそ、この男のすごさが際立った。コンマ12のスタートで井口をまくった菊地孝平は、土壇場で真骨頂を発揮した。「でも今節は中止ばかりだったので、練習する機会も少なかった。特訓ではスタートが全然入らない」と苦笑い。天才的といわれる菊地のスタート。だが、それは数多く特訓をこなして得ることができるスタート勘なのだ。特訓での誤差から計算され、展示でその確認を済ませ本番でのミラクルを呼ぶ。才能ではなく、すべて計算のうえに立った確信のスタートだ。

「中途半端な前付けでは僕にメリットはないよね。早い前付けを入れての4カド、僕の足を考えれば一番勝てるケースかな」。優勝戦では5号艇北川潤二の動きをどう読み、彼を深い位置へ誘い込めるか。そして好枠勢へ影響を与える。菊地の戦略はピット離れから始まっている。展示の動き方を見ているだけで、ボートの奥の深さが垣間見える優勝戦だ。

優勝戦の出走表はこちら 津12R