坂本雅佳が地の利を活かして下克上Vを目指す!

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前節のヴィーナスシリーズ同様、ルーキーシリーズも実績に大きな開きがある。SG、GI戦に出場している上田龍星、昨年V5の小池修平、A2級にはなったが、大阪支部の強豪にもまれてきた井上忠政もメンタルは強力だ。

21年の最優秀新人に選ばれた畑田汰一はA1キープこそ逃したが、新春の戸田で優勝。「最優秀新人の名に恥じない走りをしたい」とさらなる飛躍を誓っている。前節・戸田のルーキーシリーズで優勝を逃した中村泰平は「優勝する」と強い決意をにじませていた。12月に鳴門、宮島でFを切った野中一平はF2後に1月蒲郡、前走多摩川と連続優出。「ターンの練習だと思って一走一走に臨んだ結果」と気落ちすることなく、レースへの集中力を高めている。

意識の高い主力組に対し、若手も闘志メラメラ。ヴィーナスシリーズでは、若手が主力を破り好配当も相次いだ。皆をあっと驚かせたのが5日目に連勝した生田波美音。準優を控えた田口節子にまくり差しで先着したレースは鮮やかだった。生田は「今までやったことのないペラの形に挑戦した」とターン足重視の調整を行い、5日目にして乗りこなした。19歳・生田のペラを乗り継いだ中亮太は取材陣に逆取材。「ペラが自分の好きな形。リプレイを見たけど、あのまくり差しは完璧だった」と驚いていた。男子のペラにチャレンジした生田から、バトンを受け継いだ中は、ペラ調整に没頭する他の選手をよそにノーハンマー。生田のペラで初日に臨む心積もりだ。

田口をまくって優勝した土屋南の12号機は今節出ていないが、気持ちを引き継いでいるのは地元の坂本雅佳。土屋と坂本は岡山でスポーツの名門校として知られる高校出身だ。「僕が高校3年の時、あっちが1年。でも、ボートではあっちが先輩。だから、2人の中では同級生ってことにしています」と坂本。そう、野球界は年齢が絶対だが、ボート界はキャリア。年下が先輩であるケースはざらである。野球部出身の坂本は、2歳年下の土屋が高校の後輩でボートの先輩なのだ。坂本は1年前のルーキーシリーズで優勝戦へ進出。

今節も前年覇者の小池ら他県の主力は強力だが、目指すは前節の土屋に続く下克上V。A級不在の岡山勢が、地の利を活かして強豪に立ち向かう。
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