買いたい誘惑に駆られても我慢が必要

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優勝戦のデータを調べたときのことです。1-2-3、1-2-5の回収率が高いのです。1-4-5になると100%を超えています。1-2-3といえば配当も安く、よく入る出目なので回収率は思い切り低いはずですが、実際は違うのです。

理由の一つは、優勝だから何か起きそうだといった期待感があって、カド戦の舟券に手を出したり、想像力を働かせた舟券を買うためです。1マークの競り合いを必要以上に考える人もいます。あれも怖い、これも怖い、それで点数ばかりが増えていくのです。

素直に考えれば、モーターが出ているから準優を勝って1号艇を手に入れたにもかかわらず、考える必要のないところまで考えてしまうのです。その結果、平凡なレースになっても配当が思った以上につくといったことが起きます。それで回収率が高くなるのです。

SGの優勝戦でスタート事故をすれば大きな代償を払わなくてはなりません。スタートも慎重なり、1号艇が先に回るレースが多くなるものです。高配当を買いたい誘惑に駆られますが、根拠がなければ誘惑を断ち切ることも大切です。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。