三国周年は追い風の強さがポイント

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11月はグランプリ、クイーンズCの出場権を駆けた争い

11月は年末のグランプリ、クイーンズCへ向けての勝負駆けの月です。多摩川で開催されるチャレンジカップまでが選考期間です。グランプリは獲得賞金18位までがグランプリに出場します。1位~6位がトライアル2ndに出場です。ここ6年間は2ndから優勝者が出ています。昨年は6位が9400万円、18位が6700万円でした。

女子のクイーンズCは、LチャレンジCの終了時点の獲得賞金12名が出場です。昨年12位は2800万円でした。

チャレンジカップまでにGIは三国周年、浜名湖周年、丸亀周年が開催されます。ボーダー上の選手はラストチャージに全力を尽くします。ただ、レース場にはレース場の特性があるので、特性に合致した選手でないとチャンスを物にできません。

●三国は追い風の強さで勝負が決まる

三国ボートは、かつては九頭竜川の河口でレースが行われていましたが、1968年に現在地に移転しました。沼地を掘削してできた長方形のコンクリート護岸に囲まれた水面です。水質は淡水です。

特徴はホーム側の広さです。スタートライン上のコース幅は62mもあり、住之江の51mと比較すると、その広さがわかります。選手の間では「アウトからだと1マークが遠い」とまくりの決まらないレース場との評判です。

もう一つの特徴は年間を通して吹く追い風です。夏場は日本海からの海風、冬場はシベリア寒気団から吹き出す追い風です。追い風の強さでレースが大きく変わってきます。

・三国コース別成績 追い風5m以下(過去1年間・%)

コース 1着率 2着率 3着率 頻度の高い出目

1コース 54.8 19.7 8.6 123 124

2コース 14.3 27.7 19.1 214 213

3コース 16.3 21.2 22.9 312 314 315

4コース 8.7 17.8 22.0 413 415 421

5コース 5.6 10.4 17.4 513 521 514

6コース 1.7 4.7 11.5 612 621 615

・三国コース別成績 追い風5m以上(過去1年間・%)

コース 1着率 2着率 3着率 頻度の高い出目

1コース 50.8 20.2 12.9 124 125 132

2コース 19.5 21.9 20.3 231 214 215

3コース 14.8 19.5 16.4 316 342 361

4コース 11.8 18.9 18.9 423 413 412

5コース 3.9 16.5 19.7 512 514 516

6コース 0.8 3.9 13.4 645 612 615

追い風が強いと3コースまくりが決まる

追い風が5m以下と6~10mのコース別成績を比較すると、追い風が強い方が1コースの1着率が4%下がっています。その分、2コースが強くなっています。4コースも追い風の強い日は1着率が上がっています。1コースが1マークで流れるので、2コースからの差し、4コースからのまくり差しが決まりやすくなるのです。6コースの1着については無視しても構いません。うまく展開に恵まれて3着というところです。

5m以下のときは2コースの2、3着が目立っています。1コースを軸にするときは、2コースの2着受け、3着受けをするのが良いでしょう。5コースの2着も目立つので、1-5-流しで中穴を的中できます。

決まり手では5m以下だとまくりが決まりませんが、強い追い風になると3コースまくりが決まります。342、361の高配当目を狙うのもおもしろいでしょう。

気温が上がると1コースが弱くなる

三国ボートは、キャブレターの凍結防止のための温水パイプを10月12日の開催から装着しています。温水パイプを装着するとキャブレター周りの温度が7度近く上がると言われています。温度が上がると空気が膨張して、密度が薄くなります。同じ単位の中に占める酸素の量が少なくなる分、モーターの燃焼効率が下がります。気温の下がったときなら問題はありませんが、気温の高い日だとキャブレターの周りは夏のような感じになります。夏場と冬場のタイムを比較すると2秒近く差がつきます。出足関係が弱くなるので、1コースに入ってもスタートが届かないようになります。届いたとしてもスピードの乗りが悪く、簡単に負けてしまいます。気温の高い日は、1コースが敗れて高配当が飛び出すと思って、それなりに対応した舟券作戦を立ててください。

三国周年で活躍期待は14、51、57号機

三国のモーターは4月から使用です。この間はモーニング開催で、朝の早い時間は向い風でのレースもありました。周年記念はデイ開催になるので、モーニング開催よりも追い風でのレースが多くなり、出足勝負になりそうです。向い風で活躍してきたモーターが、追い風ではそれほど活躍できない可能性もあります。モーターの数字を鵜呑みに出来ません。ベテランが乗って実績を残しているモーターが、追い風の中で活躍を期待できるかもしれません。そういう条件に当てはまりそうなのが14号機です。野長瀬正孝辻栄蔵三角哲男が安定した成績を残しています。初使用から優出回数の多いのが51号機です。優出7回、優勝3回です。1コースに入ったときは1着軸として信頼できます。9月の女子戦で赤澤文香が優出3着の成績でした。直前のシリーズで村上純が1着を並べていた57号機も活躍を期待できます。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。