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ボートレーサーは2つのモノを競ってレースを繰り広げている。ひとつは賞金。そしてもうひとつが今回解説する「勝率」に関わる競走得点だ。
勝率から読み取れる情報は多い。単純に選手の強さを示す指標になるだけでなく、近況の調子や勢いも数字から読み解くことができる。
本記事ではボートレースにおける勝率とはなにか、舟券作戦に役立つ勝率の見方などを解説していく。
出走表を見れば年齢、支部、体重といった選手に関する情報が記載されている。
その中に全国勝率、現在勝率、当地勝率といった初心者には見慣れない数字やワードがいくつか並んでいるはずだ。
ボートレーサーは前期(5月~10月)、後期(11月~5月)の6か月に区切られて成績を審査される。
勝率とはこの審査期間内に選手が残した成績を数字で表したもので、前期でマークした勝率は翌年1月1日から適用、後期は同年7月1日から適用される。
ニュアンスは少し変わるかもしれないが、高校や大学入試で使われる偏差値に似ているかもしれない。
数字が上がっていればリズムが上がっている、下がっていれば下降線といった調子を計り知るバロメーターにもなる。
最初に選手は「レースで競走得点を争っている」と書いたが、着順によって点数(着順点)が決まっている。
一般戦の場合は1着10点、2着8点、3着6点、4着4点、5着2点、6着1点。(優勝戦は1点を加算)。
GI、GIIは1点、SGは2点が一般戦の数字にそれぞれ加算される。勝率は半年間で獲得した競走得点の合計を走った回数(出走回数)で割ったもの。
言葉だけでは分かりづらいと思うので具体例を出そう。
例えば峰竜太の25年前期(2024年5月~10月)の成績を見てみよう。6か月間の競走得点は1061点、出走回数は122走だった。
これを割ると、 1061÷122=8.69672131… となり、勝率は【8.70】(小数点3桁以下は四捨五入)になる。
峰の場合は主戦場が点数増しのSGやGIということを考慮しても極めて高い数字ということがわかる。
ちなみに122走のうち6着は3回だけ。大敗をしないというのは勝率を上げる、維持するための絶対条件と言える。
選手は級別審査による半年間の成績によって4つのランク(A1、A2、B1、B2)に分けられる。
勝率はこのランクを分ける基準となる。勝率が高ければ自然に高いランクに位置付けられるため、賞金が高いグレードレースを走ることができるし、一般戦を走ったとしても枠番を含めた番組、出走回数の優遇を受けやすい。
逆に低ければ番組も厳しくなりがち(外枠が多い)で、出走回数も少なくなってしまう。自身の稼ぎに直結するだけに選手が躍起になって勝率を上げようとするのは当然のこと。目の前の1走は次の半年間の獲得賞金につながっているのだ。
また2025年4月現在、4期通算勝率における退会(引退)勧告は緩和中だが、勝率が低すぎる審査期間が続いてしまう(4期通算勝率3.80)と今後、選手数が増加した際に退会勧告の対象となってしまう可能性がある。
勝率の活用方法はいくつかある。まずは前期勝率(直前6か月の勝率)と現在勝率(当該審査期間中の勝率)を比較して、勝率が大きく上がっている選手を狙う作戦。
プロペラが当たっている、エンジンの引きがいい、ターンを含めた技術的な向上など一気に勝率を上げる選手にはそれなりの理由がある。特にデビューしたばかりの若手選手が勝率を上げている時は要注意。人気の盲点となり、好配当につながりやすい。
またレース場によって得意、不得意がある選手も多いので、当該レース場の勝率(当地勝率)が高い選手を狙うのもあり。これは江戸川や福岡などクセがあるコースで特に有効な作戦だ。
そして、最も勝率が分かりやすい方法で舟券に直結するのが4月、10月の期末勝負駆け。勝率のボーダーの当落線上にいる選手の場合、残り1か月ともなると勝率アップを狙って追い込みをかける。いつも以上にスタートもいくし、ひとつでも上の着を目指すので絶好の狙い目になる。
GIレースは一部地区の地区選手権を除くとA1級が斡旋対象(周年記念や高松宮記念など)。SGレースはまれにクラシックなどでA2級選手が出場することもあるが、基本的にグレードが高いレースに出場していなければ出場権利を獲得できないレースが多いため、A2級以下では出場が難しい。
8つのSGの中で、純粋に勝率によって出場権が争われるのが10月に開催されるボートレースダービー(全日本選手権)。
開催前年の8月から当年7月末までの勝率上位選手が出場することができる。SGの中でも最も伝統と格式の高いレースだ。
またPGIのマスターズチャンピオン、レディースチャンピオン、ヤングダービー、GⅢイースタンヤング・ウエスタンヤングも勝率が出場の選考基準となっているレースだ。
一方、歴代で期間最高勝率をマークしたのは野中和夫で、勝率は驚異の9.53。長い歴史の中で勝率9点以上をマークした選手は野中を含めて彦坂郁雄(9.27、9.00)、黒明良光(9.01)、松井繁(9.44)、今村豊(9.15)、今垣光太郎(9.45)の6人だけ。
最新では25年後期(24年11月~25年4月)に茅原悠紀が勝率9点オーバーにチャレンジしたが、あと一歩及ばず8.88に終わっている。
(スポニチ・鳥飼)
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