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かつて決まり手としても採用されていた「つけまい」(決まり手表記はひらがな)。現在はまくりとしてひとまとめにされている。スピードを生かして引き波を利用する戦法で、機力差を覆すこともできるのが魅力だ。
ボート界で「先マイ」や「外マイ」、そしてモーターについても「回転がマイ過ぎ」などと「回る=マイ」と表現する事柄が多数存在する。その名の通り内側の艇に「引っ付けて回る」ことを省略して「ツケマイ」と呼ぶ。
まくりは外側のレーサーが内の艇を叩き切って1マークを先取りすること。スタートで抜け出したり、伸びで上回る選手が多く使う技だ。
ツケマイも伸びがいいに越したことはないが、内側の艇とターンでピッタリ並走しながら引き波に沈めるのでより相手との距離が近くなる。弾かれるリスクもあり、絶妙な距離感が必要なので、まくりよりもターンの難易度は高いと言え、出足やターン回りも必要になってくる。
一部例外はあるが、ツケマイの簡単な見分け方がある。それは旋回の際の初動を入れるタイミングだ。内側の艇に対して同体、またはそれより後方からまくりが決まれば、ツケマイになることが多い。
また、まくりが最大5艇を対象なのに対し、ツケマイは1対1の攻防になると言えるだろう。
桐生順平が地元戸田競艇場でSGを制した2024年のダービーは、これぞツケマイと言えるまくりでの優勝だった。スリット通過は4番手だったが、インの峰竜太と2コースの毒島誠がターンをするために減速したところ、3号艇の桐生が全速ターン。差しに構えた毒島をターンマーク手前でのみ込むと、峰をターン中期で引き波に沈めた。
逃げとは違ってまくりや差しのように道中でもツケマイは見ることができるが、1周1Mのツケマイは多くの場合にインの選手に対して放たれる。
そしてツケマイを決められた場合はターンの最中に引き波に沈められていることになるため、切りたいタイミングでハンドルを切ることができない。ハンドルが切れていたとしても引き波に乗っているので前に進めない。
ツケマイを想定した舟券を購入するときは、思い切ってインの艇を外すことも検討すべきだろう。
インが不利になることは前述の通り。まくりを想定するとセット券という言葉があるように、「4=5」のような原理的にまくった艇とのひとつ右(外)の艇が有利な展開になりやすい。
それがツケマイになると話が変わってくる。ツケマイはスリットで同体の位置から繰り出されることが多い。ひとつ右の艇はスタートで先行した艇がまくる時とでは、1マークまでのハンドルを切る位置が変わるし、ツケマイ艇がブラインドになって内の艇の動向を見にくくなる。ツケマイ艇と行きたいラインがかぶってしまうこともある。
そうなると好展開は「ふたつ右」。2=4、3=5のような決着になることも少なくない。
まくりの一種ながら、伸び型にする菅章哉や藤山翔大に大外専科の阿波勝哉らがツケマイを決めることはあまりない。1マークの手前までに決着を付けるタイプのまくり屋だからだ。思い切った伸び型にすると、ツケマイに必要なターン回りや出足がおろそかになりがち。
トップクラスではオールラウンダーでまくり屋のイメージはあまりない毒島誠や桐生順平らがツケマイ巧者。濱野谷憲吾や篠崎元志らもそうだ。土屋智則ら2コース同体からまくりを選択することが多い選手も高度なツケマイ技術を持っている。
レース場の形態上、自然とツケマイの形になりやすい戸田や福岡を地元とする選手は慣れもあるのかツケマイを得意とする選手が多い。
(報知・井上)
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