【展示航走とは】スタート展示・周回展示・展示タイムの見方と活用方法を徹底解説

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展示航走は本番レースの前に行われる「顔見せ」のようなもので、当該レースの舟券を発売する直前に行われ、『スタート展示』と『周回展示』から成り立っている。主にスタート展示は次のレースに出場する選手たちが本番レースを想定したコース取りとスタートを行う練習の場。周回展示は旋回や直線の走りを見せるために周回(2周)する場である。

このうち周回展示については必ず参加が義務付けられていて、不参加の場合や、周回展示中に転覆などしてしまうとそのレースは欠場となってしまう。なお、スタート展示はアクシデントなどで不参加となってもすぐに欠場となるわけではなく、その後の周回展示に参加できればレースに出走できる場合がある。ただし、転覆などの場合、周回展示に参加することはできないため、実際にはそのまま欠場となるケースがほとんどだ。

また、そもそもスタート展示を行わないこともあり、大村では24年11月と12月に2度、スタート展示を行わずにミッドナイト競走を開催した。


スタート展示の見方を解説


展示航走は本番とまったく同じ状態で行われる。つまり、モーターのパワー、コース、スタート力などを判断するうえで重要な要素となる。

もっとも分かりやすく判断材料となるのはスタート展示でのコース取りだ。例えば前付けを行う選手がいる番組では、そのレーサーが何コースに入るのかは気になるところ。それを実際に確認できるのは大きい。ピット離れの確認も必須。大きく差があるようならコースの変動は必至だ。ただ、スタート展示で大きくもつれた進入になっても本番では折り合うケースも多々あり、そのあたりの判断は難しい。

スタートもフライングをしたのか、それともスリットラインにしっかり入れているのかなどタイミングも参考になるが、レバーを放ったのか、全速でスタートしたのかのチェックは必要。レバーをどうしたかの判断は難しいが、スタート時に伏せ込んでいるか、起き上がっているかを確認するだけでもそのスタートが全速かどうかは判断はしやすい。ただし、スタート展示ではわざと早め(または遅め)にスタートすることもあり、タイミングだけでの判断は危険だ。

行き足の比較も確認したいポイントで、起こしてからスタートするまでの足をスロー勢同士、ダッシュ勢同士、そして全体で比較してみると参考になる。ちなみにスタート後は選手によってレバーを放るタイミングが違うので、ここは参考外としたい。



周回展示の見方を解説


周回展示については、スムーズにターンできているかが最重要のチェックポイント。ターンマークを外して回っていないか、ハンドルを切り直していないか、なども確認しておきたい。ただ、こちらも選手によっては全力でターンしていない可能性もあるので注意が必要だ。

それでもいくつかのオススメ確認ポイントがあるので紹介する。


1、ターンの雰囲気


小回りしているのか、握ったままブン回っているのか、差しを意識しているか、まくりを意識しているか、など、ターンの雰囲気で作戦が分かることがある。


2、ターン中期から後期にかけて


1Mのターンの頂点からバックへ舟が向いてから、舟が流れていないかどうか、サイドがかかっているかどうか。


3、旋回後の加速感


ターンしてからバックへ抜けるときの加速具合をチェック。ここの重要度は高く、特に1、2、3コース想定の選手にとっては勝負を決める足になるといってもいいほど。

他にも、舟のバタつきや、ターンに入る角度などもできれば見ておきたいし、1Mと2Mのどちらを重視するかなど、個人的に重要視するポイントを決めておいて、そこを入念にチェックするという方法が一番のオススメだ。

ただ、いずれにせよ本場で展示航走を見る場合は、見る位置を毎回、決めておいた方が判断しやすい。できれば2階以上の高さで、高ければ高い方が分かりやすい。



展示タイムを生かす必勝法


展示タイムは各競艇場が公式で発表している展示航走中に計測したタイムだ。主に1周目バックストレッチの150mのタイムで、計測場所、方法は場によって違う。

また、場によっては展示タイム以外に、直線タイム、周回タイムなどのオリジナルタイムを発表しているところもある。なお、ボートレースのオフィシャルサイトでは展示タイムしか発表されていないため、オリジナルタイムを確認するためには各競艇場のホームページを確認する必要がある。タイムについてはコンディションによるが、概ね0.13~0.15秒で一艇身ほどの差になる。

展示タイムは機力を判断するうえでも参考になる。ただ、気をつけておくべき点もある。それは航走位置によってはタイムに影響が出るという点だ。先行艇の引き波の影響で1号艇に比べ、2号艇より後はわずかながらタイムは遅くなる。もし、もろに引き波に乗ってしまうとタイムはさらに遅くなってしまう。つまり、数字だけを確認するのではなく、実際に見ておいた方がいいのは間違いない。

また、選手によっても常に展示タイムを出すタイプと、そうでないタイプにも分かれる。極端にいいタイムを出す代表選手といえばチルト3度の使い手である菅章哉高田ひかる藤山翔大らで、逆に出さないのは守田俊介市川哲也、上瀧和則(引退)ら。他にも、体重が重い選手の多くが基本的に展示タイムは遅めだ。



【まとめ】展示航走を舟券予想に活用しよう


展示航走との付き合い方は人それぞれ。スタート展示の気配も周回展示の気配も、また展示タイムに関してもすべてが参考になり得るが、それが全部、結果に結びつくわけではない。それでも、見ないよりは見た方がいい。それらを確認したうえで、参考にするか、しないか、何を重視するか、を決めればいい。

チェック項目のおさらいとその順番を改めて解説する。


スタート展示


1、ピット離れ(チルトを跳ねた伸び型仕様の場合は遅れることも多い)
2、前付け(どの程度、コースを取りに来ているかの度合いも重要)
3、コース(枠なり3対3以外はその原因がピット離れか、前付けなのか)
4、起こし位置(特にスロー勢、中でも1コースの起こしの深さ)
5、スタートするまでの行き足(起こしてからの加速具合)
6、全速スタート(スリット付近で伏せ込んでいるか、不自然に下がらないか)
7、タイミング(F持ちかどうかと照らし合わせて)


周回展示


1、ターンに入る角度(まくり、差しなどの作戦の参考になる)
2、ターンのスムーズさ(純粋にスムーズな方がいい)
3、旋回中期から後期にかけて(ターンマークを外していたり、サイドがかかっていないようだと差されやすく、まくりの場合は流れやすい)
4、舟が向いてからの加速(加速が良ければ差しが届きやすい。インなら差されにくい)


展示タイム、オリジナルタイム


タイムがいい方がいい(先行艇の引き波がない1号艇や、極端な伸び仕様だといいタイムが出やすい)



(日刊・渕上)