【競艇 G1競走(周年記念)の格付けの歴史】

{{ good_count }}


ボートレースで「グレード制」が採用されたのは今から27年前の1988年。以降、いくつかのブラッシュアップを重ねながら現在の形になっている。

この記事で注目するのは「G1(グレード・ワン)」。原則的に最上位のA1級相当の出場が見られないトップレーサーが集まる舞台だ。


【ボートレースのG1はSGの次の格付け】

ボートレースの競走格付けは上からの順番にSG、GI(プレミアムG1を含む)、GⅡ、GⅢ、一般戦と5つのランクがあります。

格付けが上になればなるほど賞金額も大きいため、ランクが上になるほど出場するための難しさも変わっていきます。

ボートレース以外の他の公営競技もグレード制を採用しており、ボートレースとオートレースはGIの上にSG(スペシャル・グレード)、競輪はGP(グランプリ)を設けている。

ボートレースではA1の絶対数が少ない地域の地区選などいくつかの例外を除き、GIに出場するためにはクラス最上位のA1級にならなければならない。

選手数約1600人のうちA1級の割合は約20%。基本的に上位300人弱しかGIに出場できないことになり、これがどれだけ狭い門なのかがわかるだろう。



【G1はさまざまなカテゴリーのチャンピオンを決めるレース】

年間で8節しか開催しないSGと比べてGIの開催頻度は多い。 2025年度の開催日程を見ても1月から12月まで必ずどこかの各レース場でGIが行われている。 GIは各レース場や世代別のチャンピオンを決めるレースというレースで、多様なカテゴリーに分かれている。

各レース場が年1回開催する「周年記念」、施設が改善した際に開催される「ダイヤモンドカップ」、優勝杯を下賜されたボートレース住之江で開催される「高松宮記念」、6地区のブロックに分かれて争われる「地区選手権」が主なGIタイトル。



【注目度アップを狙って差別化が図られたPG1】

2014年からは全国発売競走されていたGIを、その他のGIと差別化を図るため「プレミアムGI」の呼称に変更。

2025年7月現在「ボートレースバトルチャンピオントーナメント」、「スピードクイーンメモリアル」、「マスターズチャンピオン」、「レディースチャンピオン」、「ヤングダービー」、「クイーンズクライマックス」と6つのタイトルがプレミアムGIに指定されている。

プレミアムGIの開催場は持ち回り制で毎年7月上旬にSGと同じタイミングで来年の開催場が発表される。

ファンに人気の女子タイトル戦(レディースチャンピオン、スピードクイーンメモリアル、クイーンズクライマックス)は注目度も高く、収益も見込めるため、レース場側の開催希望も多い。

また、BBCトーナメントはPG1としては4日間のスケジュールで行われる。


プレミアムGI一覧

レースタイトル開催
時期
出場選手基準
ボートレース
バトルチャンピオン
トーナメント
1月前年SG、PGI優勝者
選出基準に基づくレーサーら。
スピードクイーン
メモリアル
2月各場の1着レースタイム(3周レースのみ)上位選手
各場推薦選手、開催場希望選手
マスターズ
チャンピオン
4月4月1日時点で満45歳以上のレーサー
前年の優勝者
マスターズリーグ優勝者、勝率上位者
レディース
チャンピオン
8月オールレディース優勝者や
勝率上位の女子レーサー
ヤングダービー9月満30歳未満の勝率上位者
イースタン、ウエスタンヤング優勝者
クイーンズ
クライマックス
12月1月1日~チャレンジカップまでの
女子賞金ランク上位12名

【競艇のG1は高額な優勝賞金とSGの出場権が得られる】

GIはSGに次ぐランクなので優勝賞金も高い。 最も低い地区選手権でも640万円、周年記念は1200万円、ダイヤモンドカップ、高松宮記念は1100万円、最も高いクイーンズクライマックスは1700万円と高い賞金が設定されている。

まず出場権が得られるのは3月に開催されるクラシック。2月の地区選手権の優勝は当該年の出場権だが、それ以外は翌年のクラシック出場権が与えられる。

また、7月に行われるオーシャンカップはGI、GⅡの優勝戦のポイント上位者が出場の対象。GIタイトル獲得によって出場に大きく前進できる。



【G1レースで記録された同じ大会を複数回勝った選手】

SGに準ずるランク故にGIのレベルは非常に高い。かつては「SGを1つ獲るよりもGIタイトルを年間で3つ獲る方が難しい」と話したSG選手もいたほど。

GIV回数が最も多いレーサーは松井繁で優勝したGI回数は60回。 一応のGI優勝は昨年9月津周年だが、松井はこの優勝で同一周年記念V回数を7回とした。

これは松尾泰宏さん(引退)が83年に唐津周年でマークした同じ周年獲得回数に並ぶ快記録だった。 松井は99年太閤賞(住之江周年)していることでGI完全Vも達成。 (00年マスターズチャンピオン)、今村豊さん(02年中国地区選抜、15年マスターズチャンピオン)、中島孝平(08年平和島周年)、遠藤エミ(17年クイーンズクライマックス)、毒島誠(21年三国周年)の5人だけしかいない。

一方、持ち回りで開催されるSGとは異なり、各レース場チャンピオンを決める周年記念は施行者側にある程度出場選手の決定権が与えられていることもあって走り慣れている地元選手が強く、歴代優勝者に偏りが出やすい傾向がある。



【G1レースの出場選手はいつ発表される?】

G1レースの出場選手はほぼ2~3か月前に発表されることがほとんど。BOATRACEの公式サイトでは出場選手が随時、情報がアップされる。

2025年のGI日程

開催日程 開催場 レースタイトル 優勝者
1月 01/11-01/16 下関 海響王決定戦 宮地元輝
01/14-01/19 江戸川 江戸川大賞 山田康二
01/23-01/26 常滑 PGI BBCトーナメント 茅原悠紀
2月 02/02-02/08 三国 近畿地区選手権 稲田浩二
02/03-02/10 東海地区選手権 井口佳典
02/04-02/10 丸亀 四国地区選手権 島村隆幸
02/08-02/13 徳山 中国地区選手権 渡邉和将
02/09-02/15 戸田 関東地区選手権 土屋智則
02/10-02/15 大村 九州地区選手権 仲谷颯仁
02/19-02/24 浜名湖 PGIスピードクイーン メモリアル 平高奈菜
02/25-03/02 唐津 全日本王者決定戦 末永和也
3月 03/03-03/08 尼崎 尼崎センプルカップ 毒島誠
03/09-03/14 常滑 トコタンキング決定戦 磯部誠
03/15-03/20 平和島 トーキョー・ベイ・カップ 毒島誠
4月 04/03-04/08 宮島 宮島チャンピオンカップ 優勝者なし
04/04-04/09 ツッキー王座決定戦 菅章哉
04/12-04/17 住之江 太閤賞 上條暢嵩
04/13-04/18 福岡 福岡チャンピオンカップ 石渡鉄兵
04/22-04/27 桐生 PGI マスターズチャンピオン 森高一真
6月 06/05-06/10 唐津 全日本王者決定戦 丸野一樹
06/07-06/12 桐生 赤城雷神杯 新田雄史
7月 07/31-08/05 三国 北陸艇王決戦
8月 08/06-08/11 浜名湖 PGI レディースチャンピオン
9月 09/04-09/09 平和島 トーキョー・ベイ・カップ
09/08-09/13 住之江 高松宮記念
09/13-09/18 鳴門 大渦大賞
09/17-09/22 びわこ びわこ大賞
09/29-10/04 多摩川 ウェイキーカップ
10月 10/05-10/10 蒲郡 オールジャパン竹島特別
11月 11/03-11/08 浜名湖 浜名湖賞
11/07-11/12 丸亀 京極賞
11/12-11/17 戸田 戸田プリムローズ
11/16-11/21 徳山 徳山クラウン争奪戦
12月 12/04-12/09 常滑 トコタンキング決定戦
12/07-12/12 下関 海響王決定戦
12/26-12/31 大村 PGI クイーンズ クライマックス

【使わない手はない! G1で行われる魅力的なキャンペーン】

レースではSGやG1、G2などのビッグレースになると各レース場から熱いポイントアップやキャッシュバックキャンペーンなどが行われる。ビッグレースが行われる際はBOATRACEオフィシャルウェブサイトやテレボート会員限定キャンペーンが告知されていて、舟券を購入するファンとしては積極的に利用したい。

【まとめ】

G1レースは実力派レーサーや地元の強豪選手がそろう注目の大会だ。また魅力的なイベントやキャンペーンも行われることが多いのでぜひ活用して楽しみたい。

(スポニチ・鳥飼)