【ボートレース(競艇)安定板を解説】安定板を装着した場合のレースに与える影響を紹介 

{{ good_count }}


競艇の安定板とは?


荒天や波高の高い荒れ水面の時に安全性を高めるために装着されるU字型の板。取り付け場所はモーターの下部で、モーターにはあらかじめ安定板装着のためのスペースが設けられている。そこにはめ込み、安定板を取り付けることによってボートの安定性が高まる。


競艇の安定板を装着する条件とは?


明確な基準はない。各レース場の競技委員長や施行者に加え、主にその節で選手代表を務める選手が代表して協議を行い、その元で装着するかどうかの判断を行う。例えば荒れ水面巧者が「これぐらい大丈夫」と思ったからといって、個人の判断でどうするかを決めることはできない。



-安定板をつける事でレースにはどんな影響が?

風や波でレースをすることが困難な場合に装着されるので、安定板をつけたからといって思い切ったスピードターンを繰り出すことはできない。


安定板装着時のレース傾向とポイントは? 有利になりやすいコースと不利なコースを紹介


安定板が装着されると全般的にパワーダウンする。展示タイムもそうだし、上がりタイムも悪くなる。

そうなるとコースの利が大きくなるのが一般的。ただし、急きょ安定板を装着する場合があり、その時は話が変わってくる。ぶっつけ本番状態でペラを叩くのもリスクがあるし、チルトの変更だけで調整が間に合わないとなると回転の上がりの悪さが大きく影響する。

安定板がついた場合、もっとも有利なのは1コースだ。スタートさえ決まれば1Mは主導権を取ることが多い。2コースは安定板装着によって上がりが鈍くなるため差しは決まりづらい。ある程度のモーターパワーが必要となる。

助走距離が長いダッシュ戦だと起こしのタイミングを早めてスピードを乗せてスタートを決めることができるが、スローからだとスタートが届かないということが起こりやすい。そのため、まくりを狙うなら安定板が付いた直後だ。

また、インが負ける時のパターンとして安定板を装着したままなのに水面が落ち着いた場合も挙げておく。「ボートが吸い付いてしまう」と表現することがあるのだが、先マイをしたとして一番きれいな水面を回れる1号艇のレーサーがターン中に前に進まないということが起こりうる。



安定板装着の多い競艇場は?


水面が荒れやすいレース場としてもっとも有名なのが江戸川競艇場だ。全国24場の中で唯一河川を使用したレース場で波風の影響が出やすく水面が荒れることが多い。そのため安定板をつける割合が高い。

また海水場は大潮で満潮の時などは水位も上昇するので水面が荒れやすくなる。レース場によって追い風の時に荒れやすかったり、向かい風の方が荒れやすかったりとレイアウトや周囲の建造物なのでの影響もある。



-安定板装着時の選手の声

-モーターの性能差は拡がる?縮まる? 「板がない方がいい」「安定板があっても変わらない」というようなコメントを目にする機会も少なくないはず。

モーターを上位機、中堅機、低調機の3段階に分けたとして、上位機の方が影響を受けにくい。

もちろん選手の調整力の差も大きく関係してくるが、安定板のあるなしに関わらずいいモーターほど調整のゾーンが広いからだ。

それでも上位機と中堅機の差は縮まることは多い。内枠、特にインコースに中堅機に乗る選手がいた場合は「安定板のおかげで逃げられた」という声が聞かれることも多い。

ただ中堅機と低調機の差は大きくなるイメージが強い。低調機のほとんどがそもそも回転が上がりにくいのに、安定板で負の要素がプラスされるのだから当然のことだろう。もちろん、上位機と低調機の差はもっと大きくなる。



-Q&A 安定板装着時にチルトを跳ねる選手が多いのはなぜ?


トップスピードも落ちるのだが、ボートへの抵抗を増やすことで安定性も増すので、まずレバーを握り込んだ時の回転が上がりにくくなる。安定板が付くとチルトを跳ねるレーサーがいるのはそれを解消するためであることが大きい。

-Q&A 安定板は風速何メートル、波高何センチからつくもの?


全国的にこれという明確な決まりはない。潮の干満の影響を受ける海水場とプール型水面では同じ風向きと風速だったとしても差が出てくる。

-Q&A 安定板の素材や大きさ、重さは?


素材はアルミ。大きさは幅16cm、長さ41.5cm、厚さは4mm、総重量は480g。


【まとめ】


安定板がついた直後のレースと、水面状況が回復しても安定板を使用し続けている時のレースは高配当の可能性がやや高まるが、安定板が装着されると基本的にはインが強くなると思っていて問題ない。

(報知・井上)