無事故男・片岡雅裕が8年半ぶりに失格、阿波勝哉がF3、峰竜太・定松勇樹・毒島誠が期初めにF~5月のボート重大ニュース~

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徳山大誤審の続報

4月18日の徳山一般戦4日目6Rで発生した世紀の大誤審の続報。

誤審を認めた競走会は、2-6-5の舟券を的中扱いとするお詫びと賠償金の支払いを発表。期間は5月1日から31日までの1か月間。テレボート会員には振り込みが行われ、紙やキャッシュレスの舟券に対しては、当該舟券がある場合はボートレース場・チケットショップでの支払い。手元に舟券がない場合は、当該施設にて記録情報と照合した上で払い戻しを行った。払い戻しに際し、特に混乱が起きたなどという情報は入っていない。

また、審判団に対して褒章懲戒審議会を緊急で開催し、当該判定に関わった審判委員長以下6名に対して、最大6か月間の審判業務停止処分を含む懲戒処分が下された。誤った判定を下した要因は、審判委員長と各審判員との連携が取れていなかったこと、最終的な判定を下す際の確認不足だったという。

また、無関係なのに妨害失格と判断された山口広樹に対しては金銭的な補償(準優、優勝戦に乗った体での金額)と妨害失格の取り消しが行われた。山口は初のA2級へ勝負駆けという微妙な立場だったが、次節の若松で勝負駆けを成功させ、無事A2級への初昇格を果たしている。

片岡雅裕が8年半ぶりの失格

5月4日の丸亀GW戦初日12Rドリーム戦で片岡雅裕が選手責任外のエンスト失格となった。これが実に16年10月25日平和島の転覆失格(選手責任外)以来、2386走ぶり、期間にして8年半ぶりの失格だった。

記録がはっきりと残っている96年以降で無事故の艇王と言えば中林秀人(引退)が有名。01年1月4日から22年6月26日を最後に引退するまで、4455走連続失格なしを記録した。スタート事故も含めた完全無事故も2749走の記録を残している。

片岡も完全無事故は中林に次ぐ1528走の記録を持っているが、とにかくあらゆる事故が少なく、Fは通算3本。選手責任外の欠場2回、選手責任外の失格は5回、選手責任の失格も5回、妨害は1回。不良航法は3回、待機行動違反は1回しかない。デビューから17年半、4477走してこの少なさ。SGを2勝しているSG常連選手としては本当に考えられない事故の少なさなのだ。

阿波勝哉がF3

4月26日の芦屋一般戦4日目2Rで阿波勝哉が期3本目のFを切った。

前期の阿波は11月24日に宮島で1本目、1月9日の平和島で2本目のFを切り、この芦屋は60日のF休み明け初戦。初日1走目にコンマ01のスタートを切った時は周囲のみんなもドッキリしたが、まさか期末最後の節に3本目のFを切るとは、本人を含め誰も想像していなかったはず。

阿波のF3は12年後期以来、13年ぶりで通算4回目。24年前期はF2だったが、その後の2期はFを切っていなかった。F3になったのは23年後期の大場恒季以来。

伏見俊介が江戸川で1日2本のF

4月24日の江戸川一般戦初日に、地元の伏見俊介が1日2本のFを切った。

1走目は5Rの1号艇でインからコンマ01の勇み足。後半11Rの2号艇は2コースからコンマ04の勇み足。期末最後の節でA2級勝負駆けという状況だったこともあり、気持ちが前に行きすぎたのかもしれない…。1日2本のFは即日帰郷。勝率は5.43で終わり、4期ぶりのA2級復帰はならなかった。

1日に2本のFは23年7月13日大村での永井聖美以来、96年以降では10人目。

井上遥妃が女子最速のGⅡ優出

浜田亜理沙の優勝で幕を閉じた常滑レディースオールスターでは、デビューから2年6か月の井上遥妃(131期)が優出。96年以降の女子では鎌倉涼の2年9か月を抜いて最短GⅡ以上優出となった。

井上は2月15日の下関ヴィーナスで初優出したばかりで、これが2回目の優出。優勝すれば艇王・植木通彦さんが持つ23歳6か月の最年少GⅡ制覇の記録を更新できたが結果は6着。女子では横西奏恵さん以来となる初優勝がGⅡ以上という快挙も残念ながら逃した。

なお、96年以降の女子のGⅡ以上の予選突破は97年3月蒲郡女子王座決定戦(当時はGⅡ)で濱村美鹿子の2年3か月という記録があり、これに続く2番目。

男子を含めると96年以降では田村隆信が1年2か月で01年2月の鳴門四国ダービーで優出があり、これが最速。96年以前ではレジェンド今村豊さんが1年2か月で優出どころかGI初優勝を達成している。

戸田で新期初日に全艇F

新期に入ったばかりの5月1日、戸田GW戦初日6Rの女子番組で全艇Fが発生した。

浜田亜理沙が6号艇で登場、1号艇には中田夕貴という番組だったが、5コースの原加央理がコンマ06の非常識なF。4888万1900円の売り上げは全て返還となった。

今年の全艇Fは3月2日唐津周年最終日3Rに続く2件目。5艇Fは2月1日多摩川4Rと4月14日大村12Rドリーム戦で発生している。戸田での全艇Fは21年5月31日のオールレディース7R以来で約4年ぶり。ここでも原は一員となっていた。

5月1日にFを切ると今期はずっとF持ちで走ることになる。何かとルールが厳しくなる中、相当なハンデになるのは間違いない。期初めだから控えようとは考えず、どのレースも全力を尽くした結果…とファンにしてみれば好意的にも受け取れる。この集団Fの一員だったが、浜田亜理沙はレディースオールスターを制した。

峰竜太は新期2日目にF

5月2日の唐津GW戦4日目11Rで峰竜太がインからコンマ01のFを切った。

峰は非常にFが少ない選手で、24年1月2日の唐津以来、1年4か月ぶりで通算14本目。期初めの5月のFはこれが初めてでもある(11月は過去1本あり)。

F関連のルールに厳しさが増す中、新期2日目のFは相当な足カセになりそう。峰は次節の芦屋一般戦では初日から5連勝するなど11戦7勝(優出4着)だったが、もっとも早いタイミングがコンマ16(4回)で、1回もゼロ台に踏み込んでいない。

なお、弟子の定松勇樹もクラシックのF休みを消化する前の5月21日に津でF。さらにオールスター2日目11Rではグランデ5に王手をかけていた毒島誠もFを切ってしまった。3選手は徳山オーシャンカップまであっせんが入っており、その後F休みに。若松メモリアルは不参加が確定した。

勝野竜司が引退

5月は次の3選手が引退した。

勝野竜司(兵庫74期52歳)
平池仁志(香川69期53歳)
横井光弘(長崎71期56歳)

勝野竜司さんは辻栄蔵守田俊介らと同期で94年5月に尼崎でデビュー。1走目にいきなりF、デビュー期にF2の試練があったが、4期目にはA2級、8期目からはA1級の常連に。03年後期に8.22の自己最高勝率をマークし、06年前期にも8点台の勝率を残したほか、10年には140勝で年間最多勝利のタイトルを獲得。翌11年も124勝で瓜生正義と1位タイだったが、同数の場合は勝率上位の選手が上となるルールがあり、2年連続のタイトルを惜しくも逃している。SGには23回出場し、11年住之江GPシリーズ戦を優勝。GIは9回の優出があり05年6月の丸亀MB大賞を制した。

通算成績は出走回数5787走で勝率6.53、1744勝、優出226回、優勝54回。生涯獲得賞金は約7億974万円。現役最後のレースは昨年11月16日の戸田。18年前期に127走したのを最後に選手の持病ともいえる膝の悪化などに悩まされ、ここ数年間は出走数が極端に減少。19年5月から1年半の長期欠場などもあり、本来の実力を発揮できないでいた。

平池仁志さんは田中信一郎太田和美ら花の69期の一員で91年11月に丸亀でデビュー。2走目に水神祭をマークし、いきなり予選を突破している。5期目にA級、8期目からはA1級常連になり、自己最高勝率は99年前期の7.54。SGはメモリアルとGP以外のSGに各1回、計7回の出場がある。GIは5回の優出があり、初優出だった99年1月住之江新鋭王座で優勝した。

通算成績は7791走で勝率5.47、1108勝、優出105回、優勝14回。生涯獲得賞金は約7億1217万円。現役最後のレースは5月9日の地元丸亀。

横井光弘さんは深川真二らと同期で92年11月に大村でデビュー。8期ほどA2級昇格があり自己最高勝率は01年後期の5.80。優出は23回あったが優勝なしのまま引退となった。現役最後のレースは1年以上も前で昨年3月21日の浜名湖。地元大村は20年5月のGW戦を最後に走っていなかった。

高橋二朗が全治2か月の脱臼 選手の負傷情報

籾山佳岳=5月4日常滑GW戦2日目5Rの1周2マークで操舵不良によりターンマークに接触して失速したところを後続艇が避け切れずに接触して負傷。左胸椎Th1-3骨折、左肩峰骨折、肩鎖関節脱臼、外傷性血気胸で全治見込みは未定。

高橋二朗=5月23日常滑一般戦2日目11Rの2周2マークで操舵不良によりターンマークに接触して失速した際に負傷。左母指1P関節脱臼で全治見込みは2か月程度。

齊藤大将が周回誤認

4月29日の江戸川GW戦最終日1Rで、齊藤大将が周回誤認を犯した。

1号艇で登場の齊藤は2周2マークまで3着争いをしていたが、ターン後に5番手で迎えた3周ホームでスリットライン通過後に上体を起こして減速。6番手とは相当な差があったものの、最終バックストレッチで抜かれて6着に後退した。

本人は2周2マークでの接触で右でん部(お尻)の痛みに気を取られて最終周回灯の確認をしていなかったと周回誤認を認めている。

瀬川大地が即刻帰郷処分

5月26日の三国最終日8Rで、瀬川大地が騒擾(そうじょう)を惹起(じゃっき)する可能性のある航法で即日帰郷となった。

1号艇で出場した瀬川はインからのレース。1周2マーク旋回時点で5番手を航走していたところ、前を走る3、4、5号艇にFコール。この時点で2番手に浮上した。ところがFコールを受けてスローダウンしたF艇と同じように2周ホームでスローダウンしてしまい、最下位だった2号艇に抜かれて3着へと降着。2周1マーク手前からレースに復帰したもののすでに時遅し…。自分もFと勘違いしたのかもしれない。

この事象は褒賞懲戒の対象となるので、瀬川には数か月の出場処分が下される。

褒賞懲戒の結果

5月16日に開催された褒賞懲戒審議会で次の3選手に出場停止処分が下された。

小林基樹=3か月
宇土泰就=1か月
太田潮=1か月

小林は2月21日のびわこ最終日4Rに出場後、洗濯室の女性職員に対し不適格な言動があり、選手としての体面を汚し、著しく風紀を乱したと判断された。

宇土は2月8日からの浜名湖で前検遅参。太田は3月9日からの徳山前検日における酒気帯びでの前検不合格。

今月の水神祭

(初勝利)
5月4日 井上慧人(福岡133期)
5月4日 高木茉白(埼玉134期)
5月22日 西岡蒼志(香川134期)
5月27日 岡崎凪汰(長崎135期)
(初優勝)
4月30日 小池礼乃(福岡112期)
5月1日 竹之内極(福岡119期)

小池礼乃が鳴門ヴィーナスで圧巻の初優勝。3日目まで負けなしの6連勝と突っ走り、終わってみれば10戦8勝のピンラッシュ。これまで11回の優出で準優勝は4回あったが、初の優勝戦1号艇をきっちり生かした。山崎郡らの112期では15人目、女子では富樫麗加千葉真弥中川りなに続く4人目の優勝者になった。

7回目の優出だった竹之内極は蒲郡で3コースからのまくり差し。4日間の短期決戦で予選1号艇なしのハンデを乗り越え2号艇で優出。前付けを入れて3コースを選択したことも正解で丸野一樹のイン戦を撃破。井上忠政らの119期では14人目の優勝者。

初勝利の水神祭は4人。井上慧人は芦屋GW戦で4コースから抜きで勝ち、3連単は12万円台の大穴を提供。高木茉白はびわこオールレディースで2艇Fによる恵まれ勝ち。西岡蒼志は地元丸亀で4コースからの差し勝ち。岡崎凪汰は児島の6コースからまくり差しで突き抜けた。4期目に入った133期の未勝利選手は5人。134期は西岡が13人目で未勝利選手は12人まで減った。2期目の135期は岡崎がまだ3人目と苦戦を強いられている。

獲得賞金ランキング

締め切りの関係で丸亀オールスターの結果を含まないランキングの分、上位陣に大きな変動はないものの、オールスター前に一般戦で3連続優勝の茅原悠紀は僅差だった3位の宮地元輝にかなりの差を付けた。クラシック準優勝の後、一般戦しか走っていない塩田北斗もかなり稼いで先月の11位から7位へと順位を上げた。桐生マスターズC制覇の森高一真は19位までジャンプアップした。

女子は平高奈菜がトップをキープし、常滑レディースオールスター制覇の浜田亜理沙が2位へと浮上。川井萌細川裕子関野文ら優出組も順位を上げてきた。平場の女子戦、混合戦が続く守屋美穂の5月は大村ヴィーナスで優勝し、3位の好位置をキープ中。

ヤングダービー選考順位

9月23日の宮島で開幕するヤングダービーの選考締め切りは今月いっぱい。

上位に名前がある選手のうち、藤原碧生宮之原輝紀はFの罰則規定で選考除外。原田才一郎入海馨は褒賞懲戒にかかったので選考除外。大澤風葵石本裕武、大場恒季は事故率オーバーで除外となっている。

選考勝率トップは吉田裕平でドリーム戦1号艇は確定的。SG覇者の定松勇樹やGI覇者の末永和也新開航らもしっかり上位にいる。

地元広島勢は實森美祐高橋竜矢宗行治哉の3人が圏内で大原祥昌が勝負駆け。女子は實森以外に西橋奈未、川井萌、清水愛海高憧四季勝浦真帆が圏内で山口真喜子が勝負駆け。