堀之内紀代子
堀之内紀代子

常滑

【現地コラム】準優勝戦チルト狂騒曲~常滑レディースオールスター~

最終更新

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常滑で開催しているGⅡレディースオールスターは準優勝戦が終了し、優勝戦に出場する6選手が出揃った。10Rからは川井萌遠藤エミ、11Rからは浜田亜理沙井上遥妃、12Rからは関野文細川裕子。この結果、優勝戦の1号艇は浜田が獲得した。

非常に見応えがあり、予想が楽しい準優勝戦だった。それを演出したのが【チルト】。10Rでは堀之内紀代子が3度、山口真喜子が1.5度にし、11Rでは高田ひかるが2度、12Rでは小芦るり華が0.5度にして、いずれのレースでも伸びに振る選手がいたため、予想の幅が広がった。

10Rは予選ラストの6号艇でチルト3度にした堀之内が、その調整を生かして勝負に出た。ただ「3度にしたのに、ついてはいけない出足があった」とコメントし、もうひとつ調整してさらに伸びに振った。

驚いたのは同じレースで山口がチルトを跳ねたこと。実はこの61号機は、1月に佐藤悠がチルトを2度にして超伸びをつけてから、6節間チルトを跳ねてレースをしていた伸び型のモーター。BBCトーナメントで中澤和志、3月周年の深井利寿も2度にしていたのも、その伸びに惚れ込んだから。それをここ一番で山口も挑戦したのだ。調整は試行錯誤して、チルト2度や3度も試し、最終的に一番しっくり来たのが1.5度だったという。

11Rの高田は2度にして展示は大外に出た。展示トップタイムを計時すると、本番は6号艇の平山智加がマーク策に出て、高田は5コースになった。

そして12Rでは小芦が0.5度にした。普段はほとんどマイナス0.5度だが、「なにかあればいいな」と挑戦。実は2月のスピードクイーンメモリアルでも準優勝戦(6号艇)でチルトを0.5度にした。ここ一番では、跳ねるという武器も持っているようだ。

残念ながらいずれのレースもチルトアップ勢は不発に終わった。レース後、堀之内は「伸びは目立たなかったけど、最終日の後半は外枠なのでチルト3でやりたい。一度これで勝ちたい」と継続を示唆。

山口、高田、小芦は「最終日はチルトを下げます」と話すが、高田は「枠番を考えて」とのこと。前半は1号艇なので下げるだろうが、後半は6号艇。もう一回跳ねることもあるかもしれない。ただいずれの選手も跳ねたことに後悔はしておらず、前向きだった。

それにしても、どのレースもオープニングオッズから締切まで、オッズは大きく変動し、本命党も穴党も頭を悩ませたことだろう。1号艇からのオッズでもそこそこつく状態になったし、逆に黄色いオッズ(10万舟)もほとんどなかった。これが「買いづらい」という人もいるかもしれない。しかし、レース展開を予想するのがワクワクしたはずだ。普段とは違う、大一番だからこそ見られる一撃の魅力が詰まったレディースオールスターの準優勝戦だった。