清水愛海「自分は自分」、養成所チャンプの重圧から解放され飛躍 / 清水愛海インタビュー

待望のデビュー初優勝

前検日に、ペラを最近いいなって思っている形に片面だけ叩き変えたんですけど、そうしたらめっちゃ良くて。前検タイムも1位でした。エンジンが良かったんだと思います。前検日から優勝したいって強い気持ちでいました。

予選は何回かレースを失敗してしまったんですけど、エンジンが良かったので割と気持ちは楽でした。準優で1号艇になれた(予選2位)ので、優勝のチャンスはあるかなって思いました。優勝戦は、優勝するなら差ししかないと思っていました。1マークは自分のターンがしっかりできましたが、まさか本当に差さるとは思いませんでした。ほんとにエンジンのおかげでしたね。1周2マークを先に回れて「あっ、優勝かも」って思いましたが、あとは転ばないようにだけを考えて大事に回りました(笑)。水神祭では、支部の先輩や後輩、同期も一緒に飛び込んでくれたのが、本当にうれしかったです。

デビューから4年が経過

同期が既に何人も優勝していたので、もっと早くしたかったのが正直なところです。デビューしたての頃は、女子の養成所チャンプっていうのが重荷というかプレッシャーに思うことはありました。今は全くないですけど。「自分は自分」って思って走っています。これが自分の実力なので仕方ないって。でも優勝したい気持ちがめっちゃ強かったです。だけど焦りとかはなかったです。同期の中でも(川井)萌はすごく仲がいいので、萌の初優勝(8月浜名湖)はめっちゃうれしかったです。萌はボートに乗るのがすごく好きで。私は調子が悪かったら一旦休んでリセットしようって思うんですが、萌は「悪い時こそ追加に行って走ってボートに乗る」って言うんですよ。その差が出たなって思いました。でも同期の活躍はほんとにうれしいです。

この4年間で一番変わったことは、調整力ですかね。もちろんまだまだ知らないことだらけですけど。旋回技術や道中の走り方も、最初と比べたら、良くなっているとは思います。ただ、メンタルは弱いです。激ヨワです…。技術もそうですが、もうちょっと強くならないとです。

A1級初昇格と“卒業”

一度、A2級に上がったんですけど、事故が重なっちゃって事故パンになって。気持ち的にも勝ちたいとかじゃなく、これ以上は事故できないってなって、乗り方も分かんなくなっちゃって…。弱気でした。初めてレディースチャンピオン(23年・津)に出場した時も、1走目でいきなり事故してしまって、レースできなくなってしまいましたから。何もしないまま終わった感じです。

だから今からが楽しみです。自分の中では今度の地区選が、GI初出場っていう思いです。地区選の次にはスピードクイーンもありますし、楽しみが続きます。

技術的には、以前にも話していましたが、レース場では浜田亜理沙さんにペラとかターンを教えてもらっています。わざわざ徳山まで練習に来て、教えてくれたこともありました。上手くて強い、私の憧れの選手です。

それと、デビューしてから師匠の原田篤志さんにお世話になっていたんですが、実はA1級になったら卒業という決めごとがあって…。なので今回、卒業することになりました。レースで一緒になることはなかなかありませんでしたが、篤志さんはメンタル面の話をたくさんしてくれましたし、いろいろなことを学ばせてもらいました。独り立ちっていったら大げさですが、より責任感を持って頑張っていきたいです。

A1級になったら記念が入ったり、あっせんが詰まってたりで、結構バタバタな感じですね。この前、ゆっくり温泉に行こうと思ったら、満車で入れなくて引き返してきたり…。私生活は充実しそうにないですね(笑)。その分、成績を充実させたいです。

目の前のことをしっかり

24年の元旦に立てた目標は、めっちゃデカかったんですよ。今思えば爆笑ですが、地元下関でレディースチャレンジカップの開催が決まっていたので、そこに出たいって思っていました。そうしたらまさかのクイーンズクライマックスのシリーズ戦にも出られないという…。全く届きませんでした。もう恥ずかしくて仕方がない…(苦笑)。もちろん初優勝したいとか、そういう大前提があっての大きな目標ですよ？

なので25年はGI初1着が目標です。大きすぎると、例えば途中でフライング休みとかになったら「無理だ」ってなってしまうかもしれないので、自分に合った目の前の目標を立てました。その次はGIでの予選突破ですかね。レディースオールスターは…、いや～、出られるかな？(笑)。

もう一つ、次は混合戦で優勝したいです。ゆくゆくは、男子にも通用するレーサーになりたい。今まで以上に一走一走、集中して走りたい。あとは…、私ちゃんと話せてました？人見知りなので、取材でちゃんと話せるようになりたいです(笑)。