菊地孝平がGPトライアルでF、魚谷智之が電撃引退~12月のボートニュースまとめ~
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最多獲得賞金は毒島誠
住之江GPは毒島誠がイン速攻で勝ち、GP出場11回目、優出7回目で初めて黄金のヘルメットをかぶった。獲得賞金は歴代で8位となる約2億4636万円。毒島の1億円超えは過去6回あったが、2億円超えは初めて。最多獲得賞金に輝くのも初めてだ。
1億円レーサーは全部で13人誕生し、23年よりも3人ほど増えたが、過去最多だった00年の15人(2億円レーサーも2人)には及ばなかった。
菊地孝平がGPトライアルでF
12月19日の住之江GP3日目TR2nd11Rで菊地孝平が4コースからコンマ01のFを切った。Fの判定が出るのに時間が掛かったことからも分かるように、肉眼で見てもFかどうか分からないくらいのわずかな勇み足。しかし、その代償はあまりにも大きい。
23年4月から罰則規定が強化されており、GPのTRでのFはSG準優のFと同等の扱いとなるため、菊地は今年1年間はSG出場停止。仮に賞金ランク18位以内でもGPには出場できない。GIGⅡはF休み明けから半年間の出場停止。この1月から下関周年、常滑BBCT、津東海地区選、唐津周年、常滑周年と5節ほどGIを走り、3月15日からF休みに入る。11月3日からの地元浜名湖周年が記念戦線の復帰戦になりそう。
罰則規定強化後のSGでのFは、23年5月芦屋オールスターの下條雄太郎(準優)、24年5月多摩川オールスターの守屋美穂(準優)に続いて3件目。菊地はスタートは早いがFは多くないタイプでもあり、罰則規定ありのFは07年10月平和島ダービーの準優以来、17年ぶりで2本目。
なお、GPの1stで脱落していた瓜生正義は4日目にF。権利があった地元若松のクラシックと、連覇がかかる福岡周年がF休みに掛かってしまう。
魚谷智之が電撃引退
兵庫のエース・魚谷智之が12月16日の地元尼崎一般戦を最後に現役を引退した。
瓜生正義や原田幸哉らと同期の76期で95年5月に尼崎でデビューし、初出走でいきなり1着。4期目にA2級、8期目にA1級に昇格。10期目以降は1度たりとも降格することなく、A1級をキープし続けた。
SGは優出14回でV3。06年福岡ダービーで吉川元浩とワンツーを決め、兵庫支部としては1960年の井上一二郎さん以来、46年ぶり2人目のSG覇者となった。翌07年には桐生オーシャンカップ、蒲郡メモリアルとナイターSGを連覇。この年はGIも3勝して、グランプリは優出3着ながら獲得賞金は2億円を突破して最多獲得賞金のほか、MVPと記者大賞の3冠を獲得。これまでグランプリを制覇せずに2億円を突破したのは松井繁(2回)、西島義則、山崎智也、池田浩二と魚谷の5人しかいない。
通算成績は勝率7.25、出走回数6980回で2081勝、優出287回、優勝はSG3回、GI11回を含む88回。生涯獲得賞金は歴代23位の約16億2416万円。
また、11月末から12月にかけては次の5選手も引退した。
山来和人(東京63歳54期)
片山雅雄(滋賀42歳109期)
中山将太(福井28歳117期)
井町泰(山口33歳120期)
生田波美音(東京22歳124期)
山来和人さんは江口晃生らと同期。8年目からA級常連になった一般戦強豪クラスで、20年以上に渡りA級をキープ。そのうち半数近い17期がA1級で、自己最高勝率は99年後期の7.18。SG出場はなかったがGI出場は多数。唯一の優出は10年4月の徳山マスターズC。通算では8568走で1474勝、優出152回、優勝18回。現役最後のレースは10月16日の蒲郡。12月4日からの平和島もあっせんが入っていたが初日を欠場して、そのまま引退となった。
片山雅雄さんは丸野一樹らと同期。A級昇格、優出、優勝がないままの引退。通算では1456走で67勝。現役最後のレースは11月28日の地元びわこ。
中山将太さんは吉田裕平らと同期。6年目に2期連続でA2級に昇格し、自己最高勝率は21年後期の5.68。優出は5回あり、21年2月の戸田でインから逃げて優勝を飾っている。通算では1663走で198勝。現役最後のレースは8月21日の地元三国。
井町泰さんは佐々木完太らと同期。約7年半の選手生活で810走し23勝。現役最後のレースは12月5日の地元下関。
生田波美音さんは末永和也らと同期。実働は4年間で644走し51勝。現役最後のレースは23年4月9日の三国。長期欠場中だったが、復帰することなく引退となった。
西島義則が通算V100 ナイター最年長優勝記録も更新
12月12日の住之江マスターズリーグ第9戦で、西島義則が予選トップからのイン速攻で王道優勝を飾り、史上27人目となる通算優勝100回を達成した。
GP直前の節でもあり、上位機は全てお蔵入りの低調機シリーズだったが、出足をバッチリ仕上げて節間オール3連対。初優勝とSG初優勝を飾っている思い出の水面でのメモリアル優勝となった。
と同時に63歳1か月での優勝は年長記録の歴代4位で、ナイターの最年長優勝記録をも更新。また60歳以上での優勝は7回目と記録ずくめの優勝となった。
2025年スター候補決まる
2025年のスター候補が発表された。
トップルーキーは地区別の選抜ではなくなった21年以降では最多となる12人。SG覇者となった定松勇樹、そして末永和也の佐賀コンビは3年連続、大澤風葵は2年連続。それ以外の9人は初選出で、女子は22年の實森美祐以来、3年ぶりに清水愛海と川井萌が選ばれた。
24場のフレッシュルーキーは江戸川、平和島、宮島の3場だけが変更なし。蒲郡の大場恒季、宮島の大原祥昌、下関の野田彩加の3人は3年連続で指名されている。女子は昨年よりも1人増えて全部で11人。
藤原碧生がGI優出
最優秀新人のタイトル獲得が濃厚な藤原碧生が、9月桐生ヤングダービーに続くまだ2回目のGI出場だった12月の鳴門周年で優出(5着)した。最優秀新人の対象期間(デビューして4年未満)にGIで優出したのは90期以降でわずかに10人しかいない偉業。
しかも、ヤングダービー(新鋭王座)やレディースチャンピオン(女子王座)ではなく、強豪がそろう周年での優出は17年に大村(優勝)と芦屋(2着)の両周年で2回の優出があった羽野直也以来、実に2人目の快挙。
藤原は129期だが、これまで最優秀新人のタイトルはほとんどが半年早くデビューしている偶数期の選手ばかり。藤原は95期の峰竜太以来、実に18年ぶりとなる奇数期の最優秀新人ということになりそう。
塩田北斗の連続S無事故止まる
12月5日の鳴門周年3日目8Rで塩田北斗が2コースからコンマ01のFを切った。
塩田のFはこれがまだ4本目という少なさで、13年2月27日の芦屋で選手責任の出遅れを最後にスタート無事故を続けていたが、11年10か月ぶりのFで連続無事故記録は歴代15位となる3454走でストップした。
塩田は初昇格の14年後期からずっとA級(そのうちA2級は3期だけ)をキープしており、それまでの3本のFと出遅れはいずれもB級時代。A級になって初のFということもあり、96年以降のA1級としてのスタート無事故記録も1455走。それまでトップだった寺田祥の911走を大幅に更新した。
現役選手で継続中は小野勇作の5398走と藤田竜弘の4934走で藤田は史上6人目となる5000走が目前に迫っている。
岩橋裕馬がついにF
16年5月18日のデビューからずっとスタート無事故を続けていた岩橋裕馬が、12月15日の丸亀一般戦5日目準優10Rで4艇による集団Fの一員となり、5コースからコンマ03のFをついに切ってしまった。デビューからのスタート無事故記録は今泉友吾の1814走。岩橋は1648走で分かる範囲での2位の記録。
12月11日が初日だったこの節は強風の日が多かった影響か、3日目6Rでも4艇の集団Fが発生していた。岩橋がFを切ったレースは強い向かい風で安定板装着の2周戦。集団Fの発生確率がもっとも高い条件(安定板装着の向かい風)がそろっていた。
金子拓矢がGI準優F
12月3日三国周年の12R優勝戦で金子拓矢が4コースからコンマ01のFを切った。金子は罰則規定により、F休み明けから1年間、GIGⅡを走れないので、記念戦線への復帰は早くても来年4月以降になる。なお、金子の罰則規定ありのFは初めて。
24年の罰則規定ありのFは18本にも達したが、GI優勝戦のFは9月11日津周年の宮之原輝紀に続く2人目。
褒賞懲戒の結果
12月4日に開催された褒賞懲戒審議会で次の3選手に出場停止処分が下された。
山一鉄也=4か月
越智照浩=4か月
篠原飛翔=2か月
山一は9月12日常滑一般戦初日4Rで周回誤認疑い。越智は11月1日児島初日2Rで周回誤認疑い。篠原は10月13日戸田最終日6Rの周回展示中のバックストレッチでエンスト。原因が燃料が空だったことで選手責任による整備不良。
選手の負傷情報
山室展弘=12月13日唐津一般戦4日目2Rの1周目バックストレッチの2マーク手前で2番手の選手が外に変わろうとしてエンジン後部を引っかけてしまい落水。右ひ骨骨幹部骨折で全治見込みは約2か月。
島崎丈一朗=12月15日びわこルーキーシリーズ5日目3Rで3着争いをしていた2周1マークで風にあおられて転覆し、後続艇が避けられずに接触。左第4指末節骨骨折で全治見込みは90日。
12月の水神祭
(初勝利)
12月2日浅井翼(埼玉133期)
12月3日坂本一真(東京132期)
12月14日佐藤世那(東京134期)
12月16日河内一馬(愛知133期)
12月22日鈴木唯央(群馬133期)
(SG初勝利)
12月18日豊田健士郎(三重115期)
(初優勝)
12月11日藤森陸斗(福岡127期)
12月13日清水愛海(山口127期)
12月22日山口亮(東京111期)
(SG初優勝)
12月22日前田将太(福岡102期)
この1月から初A1級の清水愛海が8回目の優出だった地元下関のオールレディースで2コースから差して優勝、自ら花を添えた。その2日前には5回目の優出だった同期の藤森陸斗が蒲郡で予選トップからの王道優勝。127期の優勝経験者は6人になった。5回目の優出だった山口亮は徳山の男女W優勝戦で2コースからの差し。デビューから13年目の111期では赤井睦、寺島吉彦に続く24年3人目の初優勝。
初勝利の水神祭は5人。浅井翼は地元の戸田で4コースからのまくり勝ちだったが、3連単の配当は万舟券ではなかった。坂本一真は地元江戸川でイン逃げだったこともあり、3連単の配当は3千円台と本命サイド。同時あっせんだった父の徳克の目の前での水神祭になったが、この節に親子対決番組は組まれなかった。
佐藤世那は常滑で5コースからまくり勝ち。河内一馬は江戸川で4コースからのまくり勝ち。鈴木唯央は戸田で4カド菅章哉のまくりに乗ってのまくり差し。未勝利選手は132期が5人、133期が9人まで減ったが、134期は佐藤がまだ5人目の水神祭。135期は宮崎心之介以降、まだ朗報は届かない。
マスターズC選考順位
4月22日に桐生で開幕するマスターズCの選考締め切りは今月いっぱい。
ボーダーは過去最高だった6.54を上回りそうな6.60。ボーダー下には田中信一郎、三嶌誠司、徳増秀樹、三角哲男ら歴代SG覇者の名前もある。女子は寺田千恵と淺田千亜希だけが圏内だが、淺田は出走回数不足で除外になるかもしれない。
地元群馬勢は勝率十分な秋山直之(懲戒処分)と柴田光(GⅡ準優F)がPGIには出場できない状況なので、江口晃生だけが当確。あとは施行者推薦で選ばれる可能性はある。