峰竜太が7年3か月ぶりに1R登場、周回誤認で3人が4か月の出場停止処分 / ボート界10月の重大ニュース

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西島義則がナイター最年長優勝

10月20日の桐生一般戦で西島義則が予選トップからの王道で優勝を飾った。62歳11か月でのナイター優勝は、新良一規の61歳10か月の記録を塗り替えるナイター最年長優勝。また、62歳11か月での優勝そのものが歴代4位の年長優勝記録。さらに60歳以上での優勝回数もこれが6回目で自らの記録をさらに更新した。

史上5人目となる通算3000勝や5000連対などの記録を達成したばかりだが、通算優勝も99回目で、史上27人目となる100Vにも王手をかけた。

峰竜太が7年3か月ぶりに1R登場

茅原悠紀の優勝で幕を閉じた唐津の「ファン感謝3Days」の初日1Rに地元の峰竜太が1号艇で登場した。峰が1Rを走ったのは17年7月の丸亀オーシャンカップ初日以来、実に7年3か月ぶり。もちろん、オープニングから峰に盛り上げてもらおうという番組サイドの配慮からで、本人も納得の1R登場。インから逃げて人気にしっかり応えた。

初日にもっとも売れたレースは峰の2走目だった最終12Rで、その売り上げは約1億5100万円。1Rの売り上げは約8300万円で、初日の中では2番目に売れており、番組サイドの思惑通りとなった。

堤昇、富山弘幸が2000勝

9月27日の常滑一般戦初日7Rでインから逃げた堤昇と、10月6日の平和島一般戦5日目3Rで5コースからまくり差した富山弘幸がデビュー通算2000勝を達成した。富山で史上182人目。

堤の内訳はSG1勝、GI77勝、GⅡ8勝、GⅢ132勝、一般戦1782勝。静岡支部では11人目、70期では9人目。92年5月のデビューから32年4か月での達成。

堤はSG出場5回、GIは3回の優出で優勝なし。通算では優出245回で34回の優勝がある。

富山の内訳はGI29勝、GⅡ2勝、GⅢ60勝、一般戦1909勝。大阪支部では12人目、43期では鈴木幸夫に続く2人目。78年11月のデビューから45年11か月での達成。

富山はSG出場、GI優出などはなく、通算では優出227回、優勝30回。66歳で高塚清一高橋二朗に続く現役では3番目の年長選手だが、初めてA級に昇格した89年前期以降の35年間でB級降格はわずかに4期しかなく、60歳になって以降もB級降格は21年前期の1期だけ。高塚の影に隠れているが、実はバケモノ級の大ベテランだ。

高塚清一が自身3回目のF2

10月13日の蒲郡一般戦2日目1Rで、高塚清一がインからコンマ03の今期2本目となるFを切った。2、3コースの選手もFで3艇による集団Fの一員になった。

高塚はFが非常に少なく、実に半世紀以上、59年ものキャリアでこれが通算45本目。年平均にするとわずか0.76本という数字になる。これだけ長く走っているにも関わらずF2は3回目。デビュー10期目だった1971年前期以来で実に54年ぶりのF2というから逆に驚く。

1本目のF休みはすでに消化しており、2本目のF休みは11月19日から来年1月17日まで。また、勝てば最年長1着の記録更新という状態も続いているが、9月14日の江戸川マスターズリーグ3日目に4コースからの抜きで勝利し、77歳6か月と7日まで記録を伸ばしている。

枝尾賢が病気でダービー欠場

戸田ダービーに出場予定だった枝尾賢が直前に欠場したが、その理由が病気だったことが判明。本人がインスタグラムに投稿した。10月3日からの浜名湖周年を4日目まで走って途中帰郷していたが、そこで脳梗塞と診断されていたという。

本人のインスタグラムを引用すると、「浜名湖開催中に脳梗塞と診断されて入院中です。長期戦になり、しばらくレースから離れますが、しっかり治していこうと思います。復帰を目指して頑張りますので、見守って頂けたら幸いです」と結んでいる。

白石健が2年2か月ぶりに復帰

22年8月28日の唐津初日を最後に長期欠場していた白石健が、10月25日の津一般戦で2年2か月ぶりの実戦復帰を果たしたものの、初日を6号艇から2着に食い込みながら私傷病で帰郷となった。

長期欠場理由は手首を痛めて手術をしたこと。復帰前には尼崎に練習にも来ていたという。満を持しての復帰戦だったはずだが、1走してみて、まだ復帰するには早いと判断したのだろうか…。

大村でS展示なしの開催

大村のミッドナイトで、全レース「スタート展示なし」の開催を試行的に実施することが発表された。

対象となるのは11月25日から30日までの「全レース進入固定」と、12月7日から12日までの一般戦の2節。その狙いはレース間隔を短縮し、遅い時間により多くのレースを楽しんでもらうため。1Rの発売締め切りが18時11分と遅めの開始で、7Rの締め切りが20時55分となっており、他のナイター場が終了して7R以降が単独発売となる。

S展示なしだと一発勝負で進入がどうなるのか…と思うファンもいるはず。全レース進入固定の方は問題なしだが、12月7日からの開催の方も予想外の進入になることは恐らく少ないと予測される。なぜなら、大村は横ピットで距離も短く、ピット離れでコースが入れ替わることは普段からほぼないから。それでも直前情報として、朝特訓やレース間特訓の進入はファンに提供した方がより親切だろう。

それより大変なのは選手の方か。S展示なしでは、ある意味本当のスタート力が試されることになるので…。

江戸川で火災が発生

オールレディースを開催中だった10月17日の江戸川で午前8時半すぎに爆発を伴う火災が発生。消防車両約60台が出動し、約2時間後の午前10時30分頃に鎮火した。2階部分の施設約20平方メートルや壁などが焼けたものの、人的被害は出ていない。

火災が発生したのは7階建ての競技棟の2階部分にある燃料保管庫。一部報道によると、燃料保管庫で関係者が携行缶にガソリンを給油中、ガソリンに引火したという。

時間が早く、出場選手はまだ宿舎にいて出発直前の火災。選手たちには詳しい情報が入ってこない中、そうこうしているうちにテレビで報道され始めたとか。

火災の影響でオールレディースはもちろん、23日からの次節も開催は中止。11月の2節も中止が発表されたが、再開に向けて急ピッチで復旧作業をしていると思われる。

なお、火災発生による開催の中止、打ち切りは記録が残っている1989年以降では初めて。

選手の負傷情報

山田亮太=9月28日福岡一般戦5日目5Rの1周1マークで他艇と接触し負傷。右鎖骨骨折、脳しんとうで全治見込みは未定。
田頭実=10月9日津一般戦初日10Rの1周1マークでキャビった選手の影響で失速した際に他艇と接触し負傷。肋骨(ろっこつ)骨折、左肘切創などで全治見込みは約1か月。

周回誤認で3人が出場停止処分

10月10日に開催された褒賞懲戒審議会で次の7選手に出場停止処分が下された。 ・加藤高史(4か月)
塚田修二(4か月)
井田涼介(4か月)
薮内瑞希(1か月)
野田なづき(1か月)
藤原仙二(1か月)
入海馨(1か月)

加藤は8月17日平和島2日目10Rにおける「周回誤認」。塚田と井田は6月21日蒲郡初日1Rにおける「周回誤認」。ゴールしたと勘違いした塚田が上体を起こしてスピードダウンしたのを見た井田は、それに釣られて同じくスローダウンしてしまったという。

薮内は7月8日浜名湖初日6Rにおいて重量調整が0.5キロ不足していたことをレース後に発見されたことによる「最低体重に関する重量調整要領違反」。野田は8月13日から出場予定だった徳山での「前検遅参」。藤原は9月6日から出場予定だった福岡での「前検不参」。ナイター開催と勘違いしていたという。

入海は7月15日から出場予定だった下関を欠場するための「手続き不履行」。施行者には電報を打ったが、競走会斡旋課への出場取り消し手続きを失念していた。なお、入海は芦屋周年制覇で得たクラシック出場権などへの影響はなく、権利があればSGには出場できる。

10月の引退選手

10月は次の3選手が引退した。

・増田弘喜(埼玉64歳51期)
・松浦博人(三重47歳79期)
・村田友也(徳島41歳96期)

増田弘喜さんは山室展弘や西田靖ら強豪集う「花の51期」の一員。一般戦強豪クラスとして活躍しA級には29期昇格。99年の前後期に2期だけA1級にも昇格し、自己最高勝率は99年後期の6.37。SG出場はなかったがGIには名人戦も含めて10節近く出場している。Fも少なく、3779走連続スタート無事故の記録も持つ。通算成績は8763走で1014勝、優出79回、優勝7回、生涯獲得賞金は約6億3914万円。現役最後のレースは10月12日の蒲郡。

松浦博人さんは吉川元浩らと同期。14期ほどA級昇格があり、唯一のA1級が自己最高勝率6.18を残した10年後期。この期にGIには2節ほど出場している。神奈川出身の東京支部だったが、昨年4月から三重支部に転籍していた。通算では39回の優出で2回の優勝。現役最後のレースは9月30日の常滑。

村田友也さんは平本真之らと同期。A2級には3回昇格しており、自己最高勝率は10年後期の5.56。GIには四国地区選を中心に5節ほど出場がある。通算では15回の優出で2回の優勝。現役最後のレースは9月29日の地元鳴門。

10月の水神祭

▼初勝利
10月12日 谷口丞(滋賀134期)
10月15日 三嶌こころ(香川132期)
10月17日 村松将平(静岡133期)

▼SG初勝利
10月22日 吉川貴仁(三重118期)
10月23日 永田啓二(福岡94期)
10月23日 高倉和士(福岡111期)
10月23日 佐藤隆太郎(東京115期)
10月25日 井上忠政(大阪119期)

▼初優勝
10月12日 片岡秀樹(徳島90期)
10月13日 中野希一(埼玉126期)
10月25日 勝浦真帆(岡山116期)

片岡秀樹が02年5月のデビューから22年5か月、13回目の優出で初優勝した。地元鳴門で3コースからの鮮やかなツケマイ勝ち。優出自体も実に2年半ぶりだったが、見事にチャンスを生かした。石野貴之らの90期では23人目の優勝者になった。

中野希一は6回目の優出だった地元戸田のルーキー戦。4カドからまくって先手を取り、前原大道とのデッドヒートを制した。濱野斗馬らの126期では7人目の優勝者。

10回目の優出だった勝浦真帆は予選2位ながら初めて優勝戦の1号艇を手にして、コンマ01のスタートで逃げ切り勝ち。初のA2級昇格に自ら華を添え、入海馨らの116期では8人目の優勝者になった。

初勝利の水神祭は3人。谷口丞は児島で6コースからコンマ02のスタートを決めてまくり勝ちし、3連単は15万円台の大穴を提供。デビュー期の134期の水神祭は萩原丈太朗、長谷川暖に続いてまだ3人目と非常にさみしい現状となっている。

三嶌こころは住之江の男女混合戦で5コースからのまくり差し。ひと足先に水神祭をしていた133期の妹・さららに追いついた。村松将平は桐生で4コースからのまくり差し。この節の最終日には連勝ゴールを飾っており、一気に3勝をゲットした。

戸田ダービーではSG初出場だった4人に加えて、メモリアルに続く2回目の出場だった佐藤隆太郎も勝利して、未勝利だった5人全員がSG初勝利をマークした。

獲得賞金ランキング

地元でダービー制覇の桐生順平が先月の10位から2位へとジャンプアップ。悔しい4着だった峰竜太も4位まで浮上して2ndからのグランプリ出場が見えてきた。毒島誠以外のほかのダービー優出組も当然のように順位を上げてきたが、地元若松周年制覇の西山貴浩やGI連覇の丸野一樹も大きく浮上。

ただ、丸野はチャレンジカップがF休みなので、残る2節のGIが勝負駆けになる。すでにF休みに入っている上條暢嵩と山口剛はチャレンジカップの結果待ち。グランプリ出場が濃厚なのは14位の松井繁までだろうか。

なお、上位陣に多数のチャレンジカップF休み選手がいるので、チャレンジカップのボーダーは43位の坪井康晴。ここはダービー終了時点ではまだ確定していない。

レディースチャレンジカップの方も上位陣のF休みなどが多く、28位の向井美鈴がボーダーギリギリで出場できる見込み。1位の遠藤エミはSGチャレンジカップの方に出場し、2位の浜田亜理沙、4位の渡邉優美はF休み。守屋美穂はGⅡ出場停止中とトップ5で出場するのは三浦永理だけになる。

年間タイトル争い

中辻崇人で確定的と思われた最多勝利争いの行方が分からなくなった。中辻が10月2日に2本目のFを切ったため、消化していなかった1本目のF休みと合わせて10月8日から来年1月5日まで90日のF休みに入っており、年内はもう走れなくなったから。ダービーにも出場していた2位の松村敏は残る2か月もびっしり走れそうなので、20本差を逆転する可能性が出てきたわけだ。

最高勝率争いは峰竜太が2位以下を引き離しにかかった。むしろ、こちらのタイトルの方が確定的と言えるか。最優秀新人も優勝4回の藤原碧生が濃厚。年末まで何とも言えないのは遠藤エミが優勢の女子MVPだけかも。