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グランプリとクイーンズクライマックスへの道もいよいよ佳境へ。賞金を上積みする最後のチャンスとなるチャレンジカップ。今年の舞台は7年ぶりに下関に帰ってきた。ボーダー下からの逆転出場、より有利な立場で最後の決戦を迎えるために...、それぞれの思惑を胸に、激しいバトルが繰り広げられる!
グランプリへと続く、激しい争いもいよいよ最終段階へと突入する。18人の枠に入るため、ベスト6で2ndからの出場を目指すため、2nd初戦の1号艇を狙うため…、日々刻々と状況が変化する中で争われるド熱い戦いがここにある!
今年のボートレース界をリードしてきた面々がグランプリ2 ndからの出場を目指し、ベスト6を狙う。
今年SGで3優出しているのは月末時点で獲得賞金額トップの馬場貴也をはじめ桐生順平、毒島誠、平本真之の4人。桐生はF休みにより今大会は不出場なので、グランプリのトライアル2ndの1戦目で1号艇有力候補となっているのは馬場と毒島だ。
下関との相性を見ていくと、馬場は22年周年で3コースからまくり差してV、毒島は17年に当地で行われたチャレンジカップで優勝と双方ともに結果は残してきた。壁は大きそうだ。
両者を追う峰竜太と平本が今大会での逆転トップ2入りを狙うことになる。峰は過去3年、当地の出走がないのは気がかりだが、18年周年では優勝しているので問題ないか。一方の平本は、当地でそれほど実績は残しておらず、近況もリズムに乗り切れていない。勢い面でマイナス評価とせざるを得ない。
ボーダー下からベスト6入りを目指すのは関浩哉、定松勇樹の若手両雄。関は9月にヤングダービーで優勝、10月のダービーでも優出と勢いに乗る。当地は昨年、ヤングダービーで優出2着と成績は残している。定松は今年1月の周年ではエンジン調整に苦戦していたが、その後の経験でどこまで成長した姿を下関のファンに見せられるか。若手の躍進という今年の潮流の中心にいた両者の真価が問われる一戦となる。
10月末時点でグランプリ出場が濃厚と見られるのは7800万円以上を稼いでいる14位の松井繁までか。ちなみに昨年グランプリに18位で出場を決めた菊地孝平は、チャレンジカップ終了時で約6927万円だった。今年はダービー終了時で7千万円以上稼いでいる選手がすでに16人おり、ボーダーは大幅に上がる見込みだ。
当地66周年(20年)覇者の瓜生正義は今年の当地周年、22年のボートレース甲子園でも優出しており相性の良さが際立つ。10月末時点で賞金ランクは17位。2年ぶり17回目のグランプリ出場に向け、今開催でも安定した活躍を見せてくれそうだ。
10月末時点で賞金ランク15位の上條暢嵩、16位の山口剛、18位の丸野一樹がチャレンジカップにはF休みで不出場なので、ボーダー下の選手にとってはチャンスが広がる。
ダービー優出2着で一気に賞金ランクを上げた佐藤翼はグランプリ初出場に向け気合い満点の走りを見せる。10月はダービー前の若松周年でも2号艇で優出しており、近況のリズムはかなり良い。
森高一真も逆転ボーダー入りの有力候補だが過去3年、出走歴がないのが少しに気になるところではある。
10月末時点で17位の瓜生と19位の佐藤、20位の森高との差はチャレンジカップの優出6着の賞金780万円で逆転可能な状況にある。これがレース時にどうなっているか注視したい。
チャレンジカップで優出以上が必要となりそうな選手たちにも触れていこう。昨年のグランプリ出場組からは片岡雅裕、深谷知博、磯部誠がボーダーからかなり下にいる。彼らにとってはチャレンジカップがまさに勝負駆けとなる。片岡、深谷、磯部の3人は過去2年連続でグランプリに出場している。3年連続出場をかけ、初日から予選上位を狙い取りこぼせないレースが続くことになる。
この3人の中では22年の全国モーターボート甲子園で優勝している深谷が下関での実績では一枚上と言えそうだ。
チャレンジカップの選出順位15位と16位の吉川元浩、前田将太は近況の調子がやや物足りない。ただし吉川は07年に当地53周年を勝っているし、20年のSGメモリアルなど当地での優出も多く、下関との相性は良さそうだ。今年の序盤戦は獲得賞金額で上位にいた島村隆幸や篠崎元志はここは優勝条件となりそう。果たして序盤の勢いを取り戻すことができるか!?
ナイター開催への移行後、下関では17年チャレンジカップ、20年メモリアルと2回のSGが行われてきた。7年前、今回と同じチャレンジカップを制したのは毒島誠。自身にとって2度目のSGタイトルで、ナイターSG巧者の異名を決定づける優勝だった。
そして4年前、メモリアルで優勝したのが寺田祥。こちらも自身にとって2度目のSG優勝。そしてうれしい地元SG制覇だった。この時の寺田は予選を11121で終え、準優、優勝戦も圧倒。まさに地元の雄にふさわしい走りで地元ファンの大声援に応えた。
白井英治は通算118回の優勝(※ 24年10月末時点)の内、25回が下関。GI優勝も3回ある。18年徳山グラチャンで、地元SG優勝は果たしているが、下関でのSG優勝へのモチベーションは、白井が一番高いのではないだろうか。
寺田も白井もグランプリに出場するためには優勝が条件となりそう。今村豊さんの想いを引き継ぐ両雄が、地元SGを盛り上げることは間違いない。
他に当地巧者として挙げられるのは馬場貴也と瓜生正義。2人とも当地周年覇者だ。基本的にはインが強い水面ではあるが、逃げ以外の決着は特に偏りもなく、柔軟なレースが持ち味の両者にはいかにも合いそう。馬場はグランプリ前に抑えることも考えられるが、ボーダー争いの瓜生はここで少しでも賞金を加算したいだろう。
2年前のボートレース甲子園、優勝戦には今回のチャレンジカップに出場する5選手が優勝戦に進出している。深谷知博にとってはその時の再現といきたいが…。
賞金ランク上位者が、今年の勢いのまま押し切るか、下位からの一発逆転があるのか、熱い、熱いバトルを刮目して待て!
当地のエンジンは3月に初降ろし以降、10月26日現在で24節が経過した。それぞれ15~19節使用されており、エンジン相場はほぼ固まったと言える。
その中で、エースと呼ばれるのは66、11号機の2機だ。
66号機は優勝こそ6月に地元の柳生泰二が成し遂げた1回だけだが、初降ろし時に中村日向が「これはエース機になりますよ」との証言通り、その後も伸びを中心にハイパワーを誇っている。また、いわゆるセット交換がなされていない純正品であることも大きなポイントだ。
11号機は使用2節目に君島秀三が優勝したが、その後は落ち目となり、ワースト級の評価。ただ、5月に杉山正樹がセット交換を施すと、見違える舟足に仕上げてV。8月には柳内敬太が節一足で優勝するなど、当地では最多となる3Vを挙げている。
この2機に続くのが17、48、49号機だ。17号機は9月に藤原碧生が優勝して以降、本格化。出足、伸びどちらに振っても上位クラスに仕上がる。48号機は4月に薮内瑞希がセット交換してから急上昇。こちらも出足、伸びともにバランス良く仕上がる良機だ。49号機は9月に山本隆幸が優勝、10月には宇佐見淳が準Vし、上昇度は群を抜く。
その他では7月に近江翔吾が仕上げてから伸びは良好な20号機、海野康志郎が整備で別物にした45号機も注目だ。
レディースチャレンジカップは今回から出場選手が1人増え、21人になった。これで全員が予選を6回走ることになり公平さが増した。遠藤エミは今回はSGチャレンジカップに出場するため、こちらには不在。遠藤に代わって主役を務めるのは誰か?
遠藤の他、賞金上位の浜田亜理沙、渡邉優美もF休みで不出場となる今大会。となると今年の勢い抜群の三浦永理が賞金を積み上げたいところ。三浦はここしばらく下関で走っていないが、最後に走った21年1月のオール女子戦ではきっちり優出を果たしている。
その三浦を追うのが同じ東海勢の細川裕子と宇野弥生。細川は7年前の当地LCCで優出2着の成績を残したが、その後、当地では目立った成績を残せていない。一方の宇野は一昨年のオール女子戦で優勝、今年3月のヴィーナス戦でも上位で予選を突破しており、相性は良さそうだ。
その他の上位陣、平山智加、平高奈菜、藤原菜希らは下関での近況は今ひとつ。当日のコメント等から調整状況をチェックしたい。
今年の本大会は、上位陣の争いよりもクイーンズクライマックスの出場権争いがより熱くなりそうだ。10月27日時点で、川野芽唯、長嶋万記、田口節子らがボーダー下。ここからいかに追い込むか、そしてレディースチャレンジカップでいかに賞金を積み重ねられるか、気を抜けない戦いが続く。
第4回クイーンズクライマックスで優勝した川野。下関では過去3年で5節出走し優出4回優勝1回とかなりの好相性。ここはチャンスと言えそうだ。
長嶋は昨年2月の男女W優勝戦以来、久しぶりの下関。しかし、その節は1号艇から王道優勝しており、悪いイメージはない。
田口も22年中国地区選以来と久しぶりの下関。しかし、優出も多く、今大会も主役の一角を担うのは間違いないだろう。
ボーダー下に有力候補がいる分、ボーダー上の選手たちも気が抜けない。特に唯一のクイーンズクライマックス皆勤賞選手、寺田千恵は気が気じゃないことだろう。寺田と言えば10年に当地で行われたレディースチャンピオンで優勝しており、下関に対する思い入れはあるはず。確実にQC出場へとコマを進めるため、激走必至だ!
過去にはクイーンズクライマックスの出場権をめぐり、獲得賞金額の差が1万円に満たないこともあった。今年もそんな激しいボーダー争いとなるか!?
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