稀代のイン屋・上瀧和則が引退
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ベテランボートレーサー・上瀧和則(56=佐賀)が引退したことが9日、分かった。8日に日本モーターボート競走会に引退届を提出した。
上瀧は1987年5月に唐津でデビューの60期生。同年6月に芦屋で初1着。GIは91年1月の唐津周年で初優勝するなど、69優出で優勝17回、SGは96年のボートレースダービーで初制覇し、20優出で優勝4回。通算では237優出で優勝85回。妥協なきコース取りから果敢に攻めるインファイターとしても名を馳せ、2004年にはオールスターを制するなど実力、人気とも兼ね備えた強豪だった。
また、レーサーとして以外でも12年から22年6月まで選手会会長を務めるなど、業界をけん引。選手会役員に就任した選手はレースに出走しないのが通例だったが、20年5月に「走る選手会長」としてレースに復帰。22年1月に津で優勝を果たし、大きな話題となった。現役最後のレースは今年7月3日からの大村で、初日8Rに1号艇でフライング。その直前節の平和島で「Fを切ったら選手を辞めると心に誓っている。準優とか優勝戦とかで「勝てる」と思ってのFなら仕方ないけど、関係ないところでFを切るのは集中力がなくなった証拠。そうなったらみんなに迷惑かけるからね。その時は選手を辞める。今はそういう気持ちでレースをしてるよ」とコメントしていたが、上瀧はこのレース後に途中帰郷。それ以降の斡旋は入っていなかった。生涯獲得賞金は約17億円。
【本気ビンタでGI初優勝】
佐賀支部の後輩・峰竜太「僕がデビューする前から佐賀支部のカリスマ的存在で、実際に先輩や後輩、支部も関係なく、いろんな人をついて来させるような魅力があふれる人でした。今でも忘れられない思い出が2つあって、GI初優勝の芦屋優勝戦締め切り5分前に、緊張を取るために本気でビンタされたこと。もう一つはSG初優勝した丸亀で、上瀧さんはこの時選手会長をされてたんですが、表彰式の後に待っててくれて『今までよく頑張ったな、おめでとう』って握手された時。僕は大泣きだったけど上瀧さんも泣いてくれてて…、多分(笑)。本当にいろんな経験をさせていただきありがとうございました。長い間、お疲れ様でした」