![](https://sp.macour.jp/news/news-images/8541_67aa8a8d0817c.webp)
{{ good_count }}
この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。
ただし利点ばかりではなく、野球の内野手は一塁手以外は左利きよりも右利きに向いているし、ゴルフでは道具がそもそも少なかったり高価だったりする。さらに言えば左利きの指導者自体も少ないので、指導を受ける機会を得づらいということもあるだろう。それでもスポーツで左利きが有利な種目は少なくはなく、日本プロ野球の支配下登録選手の内、投手の約3割は左投げだ。こちらは実に一般の約3倍の割合と、数字が左利きの有利さを雄弁に物語る。
ではサッカーの場合はというと、リオネル・メッシやディエゴ・マラドーナのような天才的プレイヤーもいるにはいるが、かなり少数派と言えそう。日本代表としてワールドカップに出場経験があるレフティは7大会でわずかに12人だった。中村俊輔や本田圭佑、堂安律などインパクトを残す選手がいる反面、サッカーの場合、左利き選手が日本代表まで上り詰めるのは、かなりの狭き門になっていると言えるかもしれない。
他のモータースポーツで有名な左利きといえば、まず80年代から90年代にかけて活躍し、史上最高のF1ドライバーとも言われるアイルトン・セナがそう。レース中の不幸な事故で亡くなってしまったが、いまだにその走りは伝説として語り継がれている。
次にバイクの世界ではやはり史上最高のライダーとの呼び声が高いバレンティーノ・ロッシが左利きだ。奇しくもふたりの「史上最高」が左利きなのは偶然か、はたまた必然なのか…。ちなみにロッシは、左利きの自分は他のライダーよりも右コーナーが得意だと話している。ボートレースは左回りなのでこの話をボートに当てはめるすべはないが、もし右回りでレースをしたら左利き選手が席巻する、なんてことがあるのかも!?
ところでボートレーサーの利き手は、公式情報が公開されているわけではないので、取材時に見てきた範囲での情報となってしまうが、SG級で主だった左利き選手を挙げていくと、岡崎恭裕、篠崎元志、平本真之、稲田浩二、西山貴浩、河合佑樹、桑原悠、佐藤翼などがいる。
かつてあるOB選手から「競艇は左利きのほうが有利。ボートは右手でハンドル、左手でレバーを操るが、ハンドルにそんなに繊細な操作は必要ない。でもレバー操作は瞬間的に微妙な調整が必要になって、それができるとできないではすごく差がつく」という話を聞いたことがある。これは左利きの利点としてはなかなか説得力のある話ではないだろうか。
ではデメリットはないのか。不利な点としてよく聞くのはペラ叩き。ペラの形状から、右手の方が叩きやすいそうだ。左利きの赤岩善生はエンジン整備の工具などは左手で扱っているが、ペラを叩くのは右手だった。平本もやはり右手で叩く派。どうしても力は右利きより弱くなるのではと想像してしまうが…。一方、桑原はすべて左手で叩くと以前聞いた時には話してくれた。ただし「ペラ叩きにしろ、ドライバーでネジを締めることにしろ、右利きの人より時間がかかる」と左利きならではの悩みも吐露していた。
ところである選手は「大雑把に叩くのは左、細かいところは右」で叩いているそうで「この方が理にかなっていると思う」とも言っていた。さらには「右利きの人はこのことには絶対に気づかない」と左利きの独創性を訴える。
左利きの人は右利きの人よりも器用に両手を使える人が多い。世の中のかなりのもの、例えばハサミや包丁などは右利き用にできているので、左利きの人は右手で道具を使う機会が頻繁にあるのだ。こうした日用品の他にも自動改札では右手でICカードをタッチしたり、切符を投入したりすることになるし、自動販売機に硬貨を入れるのも右手が便利。左利きの人は、利き手以外の手を使う機会が、右手の人に比べ圧倒的に多くなる。両手を器用に使い分ける左利きの選手じゃないと気がつかないことがひょっとするとあるのかもしれない。
思いつく限りだと、篠崎(元志)、下條雄太郎、齊藤仁、須藤博倫、石野貴之。周りに結構いますね(笑)。ポンコツ会メンバーも多いけど、左利き=ポンコツじゃないですよ。だって、大庭元明師匠も林恵祐さんも、左利きじゃないですから(笑)。
「左利きあるある」だと思うんですけど、食事はテーブルの左端に行きます。そうじゃないと、隣の人とぶつかっちゃうんで。これが本当に嫌。メシの時が一番気を遣いますね。左利きで並べばいいんですけど。だから行動でわかるんですよ、この人左利きかなって。必ず左端に行こうとするから。
メリットはたまに女の子にもてること。「左利きなんですか?♪」って、ちやほやされます。それ以外何もないです。
レースの面では、左利きの人はレバー操作がうまいって言いますね。それを狙って、左で食事したりして訓練する人もいるほど。
逆にハンドルに対する違和感みたいなものは全然ないです。
プロペラは基本的に右利き用なので、不便ですけど、右で叩く練習をしました。左利きの人の中には、手をクロスして叩く人もいますけど、僕はそのまま右で。
エンジンをかける時、正しくはスターターロープを時計回りにかけるんですね。左利きの僕は、訓練中、逆回りにかけて、教官に叱られました。「バックするだろうが!」って。エンジンがかかるはかかるんですよ。ただ、逆回転なので、スロットルを握ると後ろに行きます。
やっぱり左利きは少ないから、仲間意識が芽生えるのは、ありますね。
100期以降でデビューした選手の内、左利きの選手は7.3%だった。一般の割合10%よりも少ないという結果。ボートレーサーは左利きが少ないというのが現状のようだ。これは、左利きの人が養成期間中にリタイアする可能性が高いということを意味するのか、それともそもそも左利きの人が選手を目指さないのか?選手OBで左利きの山田達也さんに聞いたところ「辞めていった人に左利きが多かったなんてことはないし、訓練期間中に左利きだから特別にツラい思いをするということはなかったです」と話していたが…。
もうひとつ気になるのは123期以降は左利きの割合が増えているということ。ちょうど元号が令和へと変わるタイミングぐらいから、デビューする選手の内、左利き割合が増えているというのは興味深い事象だ。この中には香川颯太や清水愛海といった選手も含まれる。同期に左利きが複数人いれば、例えばペラ叩きのノウハウを共有して、より精度が上がる可能性がある。94期の麻生慎介は若い頃には同期の稲田と左利き同士でよく相談していたそうだ。人数が増えれば増えるほどメリットも増えるだろう。
それと以前に調べた時は、女子選手の左利き率は低いという話を選手から聞くことが多かったのだが、123期以降はかなり左利き女子選手が誕生している。前述の清水の他にも、上田紗奈、山川波乙、冨名腰桃奈、福山恵里奈などがいる。ボートレースは左利きにとって、サッカーと同じように困難な道なのか、実は左利きにとってのブルーオーシャンたり得るのか、今後の動向を見守っていきたい。
注目ワード
現役レーサーの大山千広のインタビューコラムです。レースのことやプライベートについて自由度高めでお届けします。
マンスリーBOAT RACEの桧村賢一が舟券攻略の持論を展開します。狙い目レーサーや超抜エンジンも紹介。
実況アナウンサーの小林習之のコラムです。30年以上ボートレースに携わってきた中で見たことや経験したことをお伝えします。
マクール客員編集長・西山貴浩による爆笑コラム。本誌では6年以上続く人気コラム。
愛知支部レーサーによるリレーコラム。支部の全選手が担当するまで終わらない!?
本誌目玉のレーサーインタビュー。最も旬な選手や際立ったトピックがある選手にじっくり話を聞く。
報知新聞 藤原邦充記者による硬派なコラム。全国のレース場で取材を積み重ねてきた見地から、艇界をズバリ斬る。
オートレース界のトップレーサー。ボートレースにも造詣が深く、オートとボートの違いを比較しながら、選手目線の気付きを語る。
元選手・芦村幸香によるコラム。下関YouTubeのMCなどでおなじみのトーク力で、本誌読者も楽しませる。
本誌編集長の渡辺と主筆の山本による社説。艇界の今を分析し、忌憚ない意見を述べる。
今やボート界の顔ともいえる人気者・永島知洋が、満を持してコラムを執筆。これを読むときっと旅打ちに行きたくなる!?
17年4月号より連載開始。夏はトライアスロン、春秋冬はマラソンやロードバイクレースに参加していることがタイトルの由来に。
連載期間は22年を超え、本誌最長連載コラムを更新中。問答無用に艇界を斬る論客へのファンは多い。
主筆・ヤマケイと編集委員・田中による対談。ボート界の時事的な話を中心に編集部のじじーが好き勝手言い放つ。
ボートレース芸人すーなかのコラム。22年8月号より「コラムのピット」にて連載開始。軽妙な論調でボート愛を語る。
ボートレースの歴史を紐解く。歴史の語り部が送る温故知新。名勝負を再び世に記し、ボート界を作ってきた選手たちの走りが蘇る。
ボート配信でもお馴染みのシマレナこと島田玲奈が、5月号よりコラムを連載開始。爆益を目指し奮闘する“社長”に注目!
全国のBTSにて開催される「目指せ!ボートレーサー!!!」をテーマにしたトークショーのレポートコラム。
マクール創刊30年を記念し、全国24場のボートレース場にまつわるクイズ。なかにはマニアックな問題も!?あなたはいくつ答えられる?
九州を拠点に、若手選手に精通するスポーツ報知・井上泰宏記者。卓越した取材力を駆使し、選手の“素”を読者にお伝えする。
本誌「マクール」の創刊から携わってきた山本圭一が、ボート界・最近30年の動きを1年ごとに伝える。
ボートレース大村の攻略コラム。水面傾向やモーター情報、季節ごとの狙い目まで網羅します。
ボートレース児島の攻略コラム。水面傾向や風、季節ごとの狙い目まで網羅します。
2011年より掲載していた現役レーサー西村美智子のブログがコラムコーナーにてリニューアル。
MC&リポーター濱野智紗都のコラム。24年9月号より「コラムのピット」にて連載開始。ボートレース強火オタクとして愛を持って発信。
ボートレース福岡の攻略コラム。水面傾向や風、季節ごとの狙い目まで網羅します。
戸田
芦屋
尼崎
唐津
大村