大村

白井英治と今村豊さん、師弟の約束~第37回グランプリを振り返る~

{{ good_count }}

この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。

2022年、ボートレースは70周年という節目の年を迎えた。そのメモリアルイヤーに、発祥の地・大村でグランプリが行われた。グランプリの優勝賞金は1億円。約1600人いるボートレーサーの頂点を決める戦いだ。

獲得賞金7位から18位の12人によって争われるトライアル1st。得点差が大きく、わずか2戦しかないため、1着になれば次のステージにほぼ勝ち上がるが、大敗するとシリーズ戦に落ちてしまう。1年の頑張りがわずか2戦に凝縮される超短期決戦のため、まさに死闘というべきバトルが展開される。

丸野一樹池田浩二磯部誠羽野直也白井英治椎名豊が勝ち上がり、賞金ベスト6とトライアル2ndで激突する。

第一戦は11R、12Rともに大波乱。11Rで山口剛と丸野一樹が痛恨のフライング。トライアルでの2艇Fは史上初のこと。通常のレースとは違い、賞典除外にはならないが、SG準優勝戦と同等のペナルティを受け、翌日以降は抽選を受けず6枠固定となる。

そして12Rではエース機を引き当て、絶大な人気を背負った馬場貴也がまさかのスタート遅れ。1マークは無理やり先マイを狙うもサイドが掛からず着外に敗れた。地元の原田幸哉が冷静な立ち回りで白星を挙げ、3連単7万3380円という節間最高配当が飛び出した。

第二戦は1号艇の片岡雅裕深谷知博が枠番有利に押し切った。そして毎年ドラマが起きる第三戦。11Rで1着条件の馬場貴也が渾身の2コース差しで勝負駆け成功。12Rは原田が逃げ切り、3着以上で優勝戦の1号艇が手に入る白井が3着に入線し、ベスト6が出揃った。

優勝戦のメンバーは1号艇から白井、原田、深谷、磯部、片岡、馬場。誰が勝ってもグランプリは初優勝だが、人気は白井が断然。2014年の平和島では、トライアル2ndを3戦3勝と完全優勝ペースで運びながら、インからスタートで後手を踏み、それが致命傷になって優勝には手が届かなかった。

今回も最大のポイントはスタートだったが、心配は杞憂に終わった。インからコンマ09のスタートを決めてしまえば問題ない。1マークを力強くターンし、後続をちぎった。馬場、磯部、原田による熾烈な2番手争いを尻目に、白井は大歓声に包まれ優勝のゴール! 今年はメモリアルの優勝戦Fで地獄を見たが、最後は満面の笑みでファンの期待に応えた。

そして表彰式には師匠である今村豊さん(元選手)もサプライズで登場し、白井は「初めて師匠に恩返しができた」と言うと、現役当時、15回チャレンジしてもかぶることができなかった黄金のヘルメットを今村さんに被らせた。「英治おめでとう。引退する時に必ずやグランプリを取って、わたしの取れなかったグランプリのヘルメットを被らせてくれ。今回被らせてもらったけど、こんなに重たいなんて。白井英治は最高の弟子です。日本一の弟子です」と笑顔と涙で白井のことを讃えた。