優勝戦の違反は“やり得”?

{{ good_count }}

この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。

10日に行われた徳山の優勝戦で、ファンを騒然とさせる出来事があった。優出メンバーは1号艇・深川真二、2号艇・西山貴浩。以下、長野壮志郎里岡右貴塩田北斗入海馨の並び。

スリットはコンマ03のトップSを決めた深川が1M先制。西山の差しは届かない上に、1M付近で里岡が転覆。ここで大勢はほぼ決していた。だが1周2M、西山の渾身の差しが深川の艇にかかり、2周1Mへ。事故艇があるため内側の西山が優先艇となり、あとは優勝に向かうだけだったが、ここで深川が外マイで抜け出し、そのまま先頭でゴール。結局3連単は1-2-3で決した。

結果から言うと、深川は内側艇優先保護違反を取られた。そして賞典除外にもなった。だが優勝者は深川のまま変更はなし。つまり予選で賞典除外となれば勝ち上がりの権利を失うが、優勝戦で賞典除外を取られたところで、何の意味もなさないということ。優勝戦での違反は“やり得”としか言いようがない。

競走会によると「優勝戦での待機行動違反の場合、事故点が予選の時よりも多くなります。ただ、保護違反の場合、賞典除外とはなりますが、その後の事故点や罰則はありません。違反者は選手会から反省文などの処置があるかもしれませんが、やり得となることは否めません」とのことだった。

推測の域を出ないが、深川は西山がかかっていることに気が付かず“仕方なかった”面もあるだろう。だが仕方ないで片づけられないのは、舟券を持っていたファンだろうし、渾身の差しを入れた西山もだろう。

現状では“弱点”と言わざるを得ないルール。競馬などでは審議が行われ、降着ルールやビデオ判定がある。ファンだけでなく、選手も納得できるようなルール改定が、いま一度問われる時期かもしれない。