減少傾向のパーフェクトV

【毒島誠】

ご存知のように三国周年は毒島誠の完全優勝で幕を閉じた。当欄でもお伝えした通り、GIでのパーフェクト優勝は08年に中島孝平が桐生で達成して以来、13年振りのことだ。毒島の優勝は7月のGⅡボートレース甲子園以来で、今年4V目。また、毒島のGI優勝は12回目となった。

今回の達成以前に、毒島は4度、完全優勝に挑んだことがある。いずれも一般戦ながら、達成したのは2回だけ。意外と取りこぼしており、初挑戦だった15年桐生一般戦では、インからFを切ってしまったこともある。GIでの完全優勝はそんな過去を吹き飛ばす快挙だろう。

ところで、最近は完全優勝の話題が少なくなったような気がしないだろうか。少なくなっているのは事実で、たとえば今年だと今回の毒島で5人目の完全Vへの挑戦だった(達成は4人)。また昨年は、1年間でわずか8人しか挑戦しておらず、達成者も5人だけだった。

2000年以降でみると、02年は24人が挑戦して14人が達成、05年は25人が挑戦し14人が達成、09年は挑戦が22人で達成が16人。最近では16年に21人が挑戦し14人が達成している。17年以降は挑戦者が20人を超えたことはなく、また昨年は初めて挑戦者が二けたに届かなかった。今年はまだわからないが、このペースだと二けたに届くのはかなり難しそうだ。

完全優勝といえば赤岩善生の名前を思い出す人も多いだろう。当欄でも過去、何度か取り上げているが、赤岩がすごいのはその達成率。00年以降では10回の挑戦ですべて優勝しており、達成率は100％。00年以降で5回以上挑戦してパーフェクトだったのは赤岩以外には引退した今村豊しかいない(7優勝)。

ズラリと1着が並ぶ節間成績を見れば、最後も楽に勝ちそうなイメージを持ってしまうが、実は完全優勝の壁は意外と高い。00年以降だと、延べ371人が挑んで優勝したのは242人、達成率は65％でしかない。

完全優勝挑戦者がいる優勝戦だと、人気は挑戦者に一本かぶりとなるはず。しかしこの達成率を知っていれば、あえて挑戦者を外すのも買い方としては充分にありだろう。そんな楽しみのチャンスが年々減ってきているとすれば、残念なかぎりだ。