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【濱野谷憲吾】
映像配信サービス「Hulu」で、アニメ「モンキーターン」と「モンキーターンV」の配信が行われている。
漫画は週刊少年サンデーにて、1996年から2005年まで連載され、単行本は全30巻。アニメは2004年1月から12月まで放送された。
競艇漫画の金字塔と言われ、この作品でボートのことを知りファンになり、選手を目指した人も少なくない。主人公の波多野憲二のモデルである濱野谷憲吾が今年SGで優勝したことと、この配信の流れは果たして偶然だろうか。
アニメは今から14年前、漫画は初回から25年経った今、当時と現代を比較するとどんな発見があるだろうか。
○養成所が違う!
波多野たちは82期生として描かれている。そのなかで選手養成のシーンがあるが、漫画では「本栖研修所」、アニメでは「やまと競艇学校」が舞台。現実世界では、本栖での訓練は87期まで、88期以降がやまと。また、名称も2010年に「やまと学校」となり、17年に「ボートレーサー養成所」へと変更された。
○ヘルメットも進化
現在のヘルメットはフルフェイスだが、漫画連載の初期はアルミ製のプロテクターが備わったジェットヘルを使用していた。このタイプのものは1983年から97年まで使われ、頭全体の67%程度しか覆われていないため、走っている最中でも選手の表情が見えていた。
97年以降は現在のフルフェイス型となり、選手持ちとなった。変更当初はヘルメットに艇番カラーのカバーをかぶせていたが、それもなくなり、選手個々のカラーリングがレース中でも見ることができるようになった。
作品中でも青島優子のペンギンヘルメットなど、キャラクターごとに個性的なデザインが描かれていた。
○ファンファーレ・タイトル呼称
配信版のアニメでは、オープニングで「※2010年4月1日より、『競艇』は『BOATRACE』に呼称変更しました。」と注意書きが出る。作中では競技の呼び方は「競艇」だし、タイトルも「総理大臣杯」や「全日本選手権」、「賞金王決定戦」など過去の呼び方だ。
そしてファンファーレも現在のものとは違い、キャリアの長いファンにとっては懐かしさを感じる部分だろう。調べてみると、現在のファンファーレは2010年5月から使用されており、ファンファーレが変わってもう11年も経過していることに、少々驚いてしまった。
○プロペラ戦争全盛期
この作品のキモとなるのが、プロペラを巡る戦いだ。当時は「持ちペラ」全盛の頃で、ペラグループによる開発戦争が選手の成績を大きく左右した。
主人公の波多野はデビュー3年半でSG優勝を果たすが、そんなスピード出世が可能だったのも、いい師匠、いいグループに巡り合ったという背景が大きい。
波多野のライバル・洞口雄大が作品の中で一世を風靡した「洞口スペシャル」。ここからヒントを得て、中村亮太が「亮太スペシャル」を開発したことも有名なエピソード。
現実世界では2012年に持ちペラが廃止され、現在の備え付けペラ制度へと変わった。現代版で「モンキーターン」が描かれたとすれば、どんなストーリーになるだろうか。
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