大時計の仕組み
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今日(25日)の平和島は大時計の昇降装置の故障により、6レース以降が中止となってしまった。潮の干満に合わせて大時計が昇降できなくなると、選手が時計を視認しにくくなる。そうなるとスタートに大きな影響が出てしまうため、やむを得ない措置だろう。1日順延のため最終日は29日となる。
大時計はお馴染みの設備だが、じっくりと観察したことはあるだろうか。近くで見ると、その名の通り実に大きな時計で、直径は3メートル(以上)もあり、重量は本体だけで1.5~2トンにもなる。潮の干満のあるレース場では、これを昇降装置によって水面から常に2.5mの高さに維持している。平和島で故障したのはこの装置だ。
ボートレース創成期から何度かモデルチェンジが行われ、現在使われているタイプになったのは平成7年ごろから。また、大時計はすべてのレース場で同じように見えるが、針のカバーがあったり(戸田)、鳥よけの工夫がなされていたり(多摩川)、レース場によって微妙な違いもある。
大時計の精度は、法規によって誤差を1000分の3秒以内に保つことが定められている。これを実現するために、設計から完成までおよそ半年の時間をかけて制作されているという。驚くのは精密さを保つための工夫で、時計の部品が温度によって膨張したり縮小したりするのを防ぐために、内部はエアコンによって常に25度前後に保たれているらしい。
大時計は、年に4回以上の調整が義務付けられているが、実際には頻繁にメンテナンスが行われている。それでも使用開始から5~8年で交換が行われているようだ。価格は定かではないが、東京郊外に家が建つほどの値段らしい。