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【石野貴之】
グランプリ制覇の翌年は苦しむ――。そんな悪しきジンクスがあるが、2019年のGP覇者・石野貴之が大不振から抜け出せないでいる。
昨年は1月に若松GIを制するなど、これ以上にない好スタートを切った。だが5月の住之江オールスター、10月の大村ダービーでF2を抱えて失速。6年ぶりにグランプリ出場を逃した。
その悪い流れは今年に入っても払しょくできないまま。F休み明けで今年初戦の平和島一般戦でまさかの予選落ち。GIも唐津、三国、住之江と3戦連続で予選敗退を喫した。
不振の象徴となっているのは予選落ちの回数だけではない。勝率にも顕著に表れている。今期勝率(昨年11月~)はたったの5.22。得点増しの記念レースを多く走っているにもかかわらずだ。
石野はデビュー5期目にA1級に昇格して以来、34期連続でA1級を継続中だが、このままではA2級落ちどころか、B1級の影さえちらつく立場だ。
勝率急落の大きな原因はイン戦の取りこぼし。今期は13戦してわずか6勝。1着率は46.1%と、半数以上も負けている。特にドリームで1号艇に抜擢された昨年10月の桐生周年は5着、3月住之江周年は6着大敗。石野のイン戦はファンの間で「石野信用金庫」と言われるほどの信頼度を誇っていたが、今や完全に“破綻”した状態だ。
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