あっせん除外の変遷
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【池田浩二】
多摩川で行われていた関東地区選は、桐生順平の優勝で幕を閉じた。桐生にとっては16年(多摩川)、19年(平和島)に続く3度目の地区選優勝で、これでGIは通算11個目のタイトル。出場権のなかった福岡クラシックの出場も獲得した。
昨年の桐生は特別戦の優勝がなく(企業杯含め一般戦はV3)、グランプリ出場も逃してしまったが、クラシックは過去に2度の優勝と相性もいい。年末のGPは出場するだけではなく優勝を目指す、と早くも年末を見据えているようだ。
この関東地区選では、準優11Rで佐藤翼、福島勇樹、前沢丈史の集団Fが発生した。これにより発売額1億2585万円のうち1億2489万円が返還、実に実に99.2%の返還率となってしまった。また、先日もお伝えしたように、東海地区選準優12Rでも池田浩二がフライング、単独Fとはいえ人気を背負った1号艇池田だっただけに、1億5429万円のうち1億4649万円、94%の返還率だった。
昨年はGIGⅡの準優・優勝戦でのフライングが比較的少なく6件のみだった(責任外の出遅れ除く)。集団Fもなく、出場除外の罰則を受けたのも6人にとどまった(準優4人、優勝戦2人)。ちなみに一昨年は14人、18年は12人が出場除外の罰則を受けている。今年は早くも4人となってしまったが、連鎖のような状況が起こらないことを願いたい。
準優・優勝戦におけるフライングに「出場除外」の罰則が初めて設けられたのは1990年のこと。この時、SG優勝戦でのFに「SG1年間出場禁止」の罰則が導入された。前年の笹川賞優勝戦で2艇Fが発生、それまでの記録の4倍近い19億円が返還されたことがきっかけだった。
2000年にはGI優勝戦Fにも「3ヶ月のGIあっせん除外」の罰則が設けられた。さらに05年には除外期間が3ヶ月から6ヶ月へと強化され、同時にSG準優Fにも以降4つのSG出場除外と、GI準優FのGI出場3か月除外も導入された。
10年にはGIの罰則がGⅡでも同様に適用されるようになった。さらに女子戦の売上上昇が目立ち始めてきた11年には、女子戦でも優勝戦Fで6ヶ月、準優Fで3ヶ月、女子戦のあっせん除外が導入された。ちなみに昨年の女子戦の準優Fは15人(計8レース)、優勝戦Fは3人だった。
GI・GⅡに罰則が導入される00年以前は、準優・優勝戦のFが年間で軽く20人を超えていたことを考えると、罰則の効果があったのは間違いない。少なくとも過去10年、年間で20人を超えたことはないほどだ。重すぎる罰則に対しての賛否はあるものの、最も売上が多くなるSG優勝戦でのフライングは、13年のMB記念(篠崎元志)以来、発生していない。