クイーン割拠時代?
{{ good_count }}
この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。
【守屋美穂】
21年前期の勝率ナンバーワンとなったのは峰竜太。峰はこれで19年前期から5期連続の勝率1位、これは82年前期~84年前期まで彦坂郁雄がマークした連続記録に並ぶものだ。現在の峰の状態だと6期連続という歴代最高記録も十分ありそうで、さらにはその先も、と期待してしまう。
21世紀に入って以降、勝率1位の座は目まぐるしく変わってきた。01年前期から15年前期までは、2期連続で1位となったのは服部幸男(08年前後)、吉川元浩(09年前後)、瓜生正義(11後12前)の3人だけ。この間、自身初の勝率1位という選手が17人も出て、まさに群雄割拠の状態だった。
しかし15年後期から峰竜太が2期連続とすると、これを含めて6年間12期のうち8期で峰が君臨。8回の勝率1位は歴代で岡本義則と並ぶ4位タイ、歴代1位は彦坂郁雄の20回というとんでもない記録だが、10回で2位の野中和夫の記録を抜くのは時間の問題だろうか。
今月の月刊マクールでは女子戦の特集をお届けしているが、女子の勝率1位をみると状況はだいぶ異なる。21年前期の女子勝率1位は7.27を残した守屋美穂。守屋は自身初の1位だが、実は近年の女子1位はまさに期毎に入れ替わる状況で、15年後期以降、一度も連続で1位となった選手はおらず、しかもこの間、複数回の1位を記録したのは寺田千恵だけだ。15年後期以降の1位は以下の通り。(カッコ内は通算回数)
15後 | 鎌倉涼 | 7.78 |
16前 | 寺田千恵 | 7.76(7) |
16後 | 平山智加 | 8.21 |
17前 | 遠藤エミ | 7.52 |
17後 | 長嶋万記 | 7.96 |
18前 | 田口節子 | 7.68(5) |
18後 | 中谷朋子 | 7.51 |
19前 | 寺田千恵 | 7.71(8) |
19後 | 小野生奈 | 7.74 |
20前 | 大山千広 | 7.55 |
20後 | 平高奈菜 | 7.49 |
21前 | 守屋美穂 | 7.27 |
15年以前は横西奏恵、田口節子、寺田ら“常連”の持ち回りという感もあったが、以降は自身初となる選手が9人も出た。峰竜太が寡占を始めたのと同時期に、女子では分散が始まったというのも面白い。
ちなみに賞金女王(クイーンズC)が新設されて女子のグレードレースが複数体制になった12年以降、GⅡ以上の女子戦は計28戦行われたが、タイトル獲得選手は20人に上る。複数回獲得しているのは遠藤エミ(4回)、山川美由紀(3回)、平山智加(2回)、寺田千恵(2回)、松本晶恵(2回)の5人だけ。
レース数が少ないということもあるが、ヒロイン・クイーンの出現はレースのたび、という印象もある。勝率1位も含め、スポットライトの当たる選手が目まぐるしく変わることも、女子戦に活気を与えているのかもしれない。
女子の勝率1位の通算ランキングは以下の通り。このうち1位の谷川清子と4位の古川美千代は女子選手がかなり少なかった時代のものなので、実質的な1位は山川美由紀だろう。
1位 | 谷川清子 | 16回 |
2位 | 山川美由紀 | 11回 |
3位 | 寺田千恵 | 8回 |
4位 | 古川美千代 | 7回 |
4位 | 鵜飼菜穂子 | 7回 |
6位 | 日高逸子 | 6回 |
6位 | 大島聖子 | 6回 |
6位 | 横西奏恵 | 6回 |
9位 | 田中弓子 | 5回 |
9位 | 田口節子 | 5回 |
ここ最近、自身初めての女子勝率1位となった選手の中から、山川を追う選手が出てくるのか、はまたまこのまま女王割拠時代が続くのか。峰の記録と並んで、女子の動向も興味深い。