6月号インタビューダイジェスト

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権藤俊光

本誌マクール6月号では、近況、ルーキーシリーズを中心に活躍が光る権藤俊光豊田健士郎の同期コンビ、選手生命をかけた半年にわたる勝負駆けを成功させた黒澤めぐみの話を紹介しよう。

〇「スピードより距離」権藤俊光

まくりの魅力というのが僕にはわからなくて(苦笑)。むかし、バイクのレースをしていたんですけど、その時から距離を大事にするようなスタイルだったんですね。サーキットを走る上で、少しでも距離を短く走るにはどうすればいいかをすごく考えて走っていました。

ボートの場合だと、同じ6コースから走るのでもスピードで距離をロスするよりも2マークに先にたどり着けた方がいいという考え方です。つまり次のターンマークにいかに早くたどり着けるか、そこを重視するスタイルというか。

となると根本的にまくり差しを選択しがちですね、僕は。

〇「自覚はなかったけどクソガキ」豊田健士郎

選手になるまでアルバイトの経験もなかったので、自覚はないですけど、近い先輩には相当迷惑をかけたと思います。なんじゃこのクソガキはって…。

同期にもガキだからと許されていた部分はあったと思いますよ。何度も言いますけど、自覚していなかったですけど(笑)。

同期には負けたくない半分、活躍してくれたらいいなという応援する気持ち半分という感じですね。関(浩哉)ちゃんのヤングダービー優勝とか、(仲谷)颯仁のSG出場とかはやっぱり刺激になりましたよ。相手がどう思っているかわかりませんけど(笑)、僕にとって同期はいい存在です。

〇「ツライ4期の勝負駆け」黒澤めぐみ

――選手会の規定で4期通算勝率が3.80を下回ると退会勧告を受ける。前期終了時点で3.53と厳しい状況。「4期」を意識しだしたのはいつ頃から?

前期ですね、そろそろヤバいな、と。私、乙津康志さん率いる「O2グループ」に所属してるんですけど、グループの先輩方にたくさん面倒見てもらって、なんとか間に合ったって感じですね。

勝率の計算はしてたか?毎日やってるとイヤになるので、1節ごとにやってました。だけど気持ちは滅入りますよね。ずっと「6着はダメ、6着はダメ」って思ってると、かえって引き寄せてしまうので、それも考えないようにして。すると今期は5着がめちゃくちゃ多くなりました。

――若松でデビュー初優出するなどの活躍をして、勝率を3.78まで上げて臨んだ勝負駆けは宮島。エース機を引いて、オールB級戦の1号艇に組まれた。

状況を分かっていただいて、優遇してもらって、宮島の関係者の方には感謝しかないです。

このレースは本当に緊張しました。若松の優勝戦よりも。ここで1着を取ったら帰る、選手を続けられるっていう1戦だったので。

帰郷するときは先輩方と何度も何度も点数を計算して、確認もして、競技委員長のところに行きました。「点数が足りたんで、帰らせてください」と正直に。今回は本当に申し訳ないと思いながら、わがままを通させてもらいました。

師匠は角谷健吾選手なんですけど、レース場を出た直後に電話がかかってきました。私がかけるより先に。「ひとまずおめでとう、携帯使えるってことは帰ってきてるんだよな」って。私も感謝の気持ちを伝えました。

成功したから話せますけど、「4期」の勝負駆けは本当につらい。もう二度と味わいたくないです。