天国の松本勝也さんに…

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吉川元浩

平和島で開催されたSGボートレースクラシックは、1号艇の吉川元浩が人気にこたえるイン逃げで幕を閉じた。昨年の戸田大会に続く連覇。吉川にとっては並々ならぬ気持ちで臨んだレースだった。それは2月9日に亡くなった同郷の先輩・松本勝也さんを想ってのこと。

最初に「今の率直な気持ちを」という質問で、ひと言発した後、「すみません…」と言葉に詰まり、泣いた。手元にあったティッシュで止まらない涙を何度も何度も拭った。

そしてひと呼吸おいて、「珍しくエース機をひいて、その頃から僕を後押ししてくれる何かがあるなと感じていました」と言葉を絞りだした。

おもえば今節は吉川に流れが向いた。ドリーム戦では5着に敗れたが、その後はオール3連対。勝負駆けの4日目では連勝し、本格化。準優勝戦では毒島誠のインをツケマイで撃破し、その後の11R、12Rでも1号艇が立て続けに飛んで、優勝戦の1号艇が転がり込んできた。

最終日も風が強く、1日の流れとしてインが非常に苦戦していたが、「優勝戦のころに少し収まったことも大きかった」と吉川は話す。

吉川は松本さんへの気持ちをこんな風に話していた。「実の兄貴のように慕っていました。23年間、すごくお世話になったので、感謝しかないですね。SGを勝った時には自分のことのように喜んでくれましたし、グランプリに行くときにはご飯に行ったり、壮行会も開いてくれました。本当にやさしい先輩だったんですけど、恩返しできないままこんな形になってしまって、本当に寂しいです。だけどきっと喜んでくれてると思います」。