スタート王、水面を去る

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【瀬尾達也】

稀代のスターター、瀬尾達也が引退した。先日の当欄で「還暦を迎えても衰えないスタート力、F休み明けのレースに期待」といった趣旨で瀬尾について取り上げたばかりだが、誕生日を迎えた日に引退を届け出たようだ。

過去1年間のスタート順で全選手中トップ、また過去10年のスパンで見てもトップだということは先日もお伝えした通り。もちろん期別の平均STでも何度もトップに輝いており、20年前期の記録もコンマ11でトップタイ。このポジションを30年以上に渡って維持し続けたのだから恐れ入る。

本誌月刊マクールでは、僭越ながら瀬尾に「永世スタート王」の称号を贈ったことがある(09年1月号)。瀬尾が、それまで誰も記録できなかった平均STでコンマ10を達成したことを祝してのものだ。当時のコメントを紹介しよう。

(平均ST10について聞かれ)「あれはね、正直言ってそれまでは平均STっていうのは気にしていなかったんですよ。口に出すことはあっても、実際早いのを行こうとか、11、12とかを目標にしたことは全然ない。結果的に1番だったことはありますけど、考えずにやっていました。10の時は、確かに期始めからスタートを行ってたんですよ。早いのをね。それで3ヶ月、期の半分経ったら平均10だったんで『これは10、今期いけそうやな』って思ったんです。そこで初めて目標を立てていきましたね。だから最後の1、2ヶ月は、毎節SGを走っている感じですごく疲れました」。