60歳以上の女子選手誕生の難しさ

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【長田光子】

7月3日に58歳を迎える長田光子。女子では鵜飼菜穂子に次ぐ年長者である。今年の10月4日に鵜飼が60歳となるが、現時点で60歳を超える女子選手はいない。55歳を超える女子は7名で以下の通り。

●55歳以上の女子選手

鵜飼菜穂子 59歳

長田光子 58歳

日高逸子 57歳

高橋淳美 56歳

西茂登子 56歳

渡辺千草 55歳

宮本紀美 55歳

※50歳以上は現在20人

60歳以上になって現役を続けることは実際には厳しい。4期通算勝率の存在があるからだ。これは少々複雑なルールなのだが、簡単に説明すると、直近の4期分の勝率が3.80未満だった選手は引退勧告がなされる(選手全体の人数が1600人を超えた場合など条件や例外はいくつかある)。この3.80という勝率が意外とハードルが高い。

鵜飼を例に取ると、2017年前期適用勝率までは勝率5点以上をキープしていたので何の問題もなかったが、2017年後期から勝率は4.19、4.23、4.12、4.26とセーフながらも「危険」なところまで下がってきている。そして、2019年後期(2018/11/1~2019/4/30)は3.05だった。

ただ、この期は出走を42回に抑えている。なぜ抑えるかというと、50走未満の場合は1期分とはカウントせず、次期と合わせて1期間とみなすことになっている。つまり、50走未満の場合は「0.5期」としてカウントするのだ。それによって半年分は引き伸ばすことは可能だが、それでも勝率を残さなければ、いずれ引退勧告は待っている。

長田も、鵜飼同様に前期は出走を42回に抑えた。4期通算勝率が厳しいからだろう。ただ、50走未満の場合は無条件でB2級が確定する。鵜飼は7月1日から1994年以来のB2級落ちとなった。高齢になっても選手を続ける難しさはこの辺にもある。実力世界と言えばそれまでなのだが。