嬉しい追加

{{ good_count }}

この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。

中澤和志

いささか古い話になるが、令和となって初めてのGIレース、つつじ賞王座決定戦(67周年)は、中澤和志が優勝した。中澤のGI優勝は14年の戸田周年以来、5年ぶりのことだったが、これは単なるGI優勝ではなかった。中澤はもともとの出場予定選手ではなく、追加斡旋された選手だったのだ。

本来の斡旋選手だった武田光史の欠場が4月23日に決まり、4月25日に中澤の追加が決まった。ちなみに津周年のタイトルは次の68周年から別の名前で開催されることになっており、伝統ある「つつじ賞」として開催されるのはこのレースが最後。中澤はそのことも知らなかったようで、優勝の表彰式では「そのことも知らず、しかも地元が2人いる中、追加で優勝してすみません」と恐縮していた。

一般戦だと、追加斡旋された選手が優勝することはたまにあるが、SGの繰り上がり出場を除けば、記念レースではほとんどない。最も新しいところで、05年の琵琶湖秩父宮妃記念杯の坪井康晴の優勝が最後。それ以前のデータは分からないが、極めて珍しいことは間違いない。

一般戦の追加での優勝ならば、多くの人が赤岩善生のことを思い浮かべるだろう。その赤岩は中澤が優勝した3日後の5月18日、これまた追加で出場した三国一般戦で優勝している。赤岩が追加で出場し優勝したのは、03年以降ではこれがなんと12回目となる。ちなみに三国への追加が決まった5月9日は多摩川のマクール杯最終日、赤岩はここでも優勝していた。

出場選手の欠場や追加は、ほとんど毎日のように発生する。欠場するのが目玉選手だったりするとファンや施行者はがっかりだが、追加される選手にとってはチャンスでもある。それが記念レースともなればなおさらだ。たとえば先日終了した桐生の赤城雷神杯には初日(5月31日)直前の5月28日に石丸海渡に追加が入った。予選突破はならなかったものの、本人にとっては地区選以外ではこれが初めての記念レース。大きな刺激を受けたに違いない。