全ての根幹に出走回数

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先日当欄で出走回数の重要性を紹介した(「A1級と出走回数」を参照)。今回はその出走回数についてもう少し掘り下げてみたい。

出走回数は選手にとってあらゆることの根幹につながる。級別審査において、B1級は50走以上、A2級は70走以上、A1級は90走以上という基準が設けてある。いくら勝率が8点や9点あったとしても、出走回数が50に満たなければ問答無用でB2級になる。先日お伝えした瓜生正義太田和美も今期の出走回数が90に届かないことから、来期A2級に落ちることが確実となった。

またSGやプレミアムGIに出場するのにも出走回数の条件がある。オールスターからダービーまでの5SGは、選考期間の出走回数が160以上、ヤングダービーとマスターズが140以上、レディースチャンピオンは100以上。一方、グランプリやクイーンズクライマックスなどの賞金系SGと、条件さえ満たせばB級でも出場できる。クラシックのみ出走数の条件はない。

とはいえ、SG等に関しては普通に走っていればだいたいの選手が出走数の条件はクリアする。しかしそれでも規定が設けられているのは、突飛な選手の出場を防ぐため。具体的には1節や2節がんばった程度の成績ではなく、ある程度の期間結果を残してようやくつかめる権利だということだ。

もちろん賞金を稼ぐ上でも出走回数は非常に重要な要素。賞金上位はSGやGIで優勝するなど、華々しい活躍が光るが、実はコツコツ出走回数を重ねてグランプリやクイーンズクライマックスにコマを進めた選手も少なくない。

昨年の例では太田和美。ベスト18の中では唯一SG優出がなく、高額賞金を稼いだのは三国周年の優勝とそれを含むGI4優出のみ。その分、18人中トップの273走という出走回数でコツコツ賞金を稼いだ。

女子は一発勝負のレースが少ない分、男子よりもコツコツ型が威力を発揮する。昨年でいうと竹井奈美樋口由加里。ともに300に近い出走数で、1年中休みなく走りまくった。今年も樋口は女子2位の出走回数で、賞金ランクは11位とクライマックス圏内につけている。

期末、年末へ向けて、この出走回数にも注目してみると、違った角度でボートが楽しめるはずだ。